卒前教育部門
加瀬康弘
:加瀬康弘(文責)
  米国などではまとまった医学の一分野としてのアレルギー学の医学教育がおこなわれています。一方で日本の医学教育ではともすれば臓器別な教育が中心でしたが、埼玉医大では講義・臨床実習を通して米国のようにアレルギー学をまとまった一学問として教育する体制を整えつつあります。現在、医学部3年生の免疫関連の講義のなかで、アレルギー分野に関する臨床系の講義を包括したかたちで医学生に提供しており、好評を博しております。そのほかに従来型の各臓器別講義のなかで、各々アレルギー疾患に関する各論的な講義が補完されます。5年生を中心とした臨床実習では、各診療科の実習のなかで大学病院「アレルギーセンター」での臨床が紹介され、アレルギー病態に起因する疾患の包括的で先端的な診療の実習機会が提供されております。
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卒後教育部門
徳山研一
:徳山研一(文責)

 日本の従来のアレルギー診療は、ともすれば臓器別におこなわれていたため、ひとりの患者が複数の診療科に受診したり、またその受診先で必ずしもアレルギー専門医による診療が受けられるとは限らない状況でした。埼玉医大アレルギーセンターでは、アレルギー病態に基づく複数疾患に苦しむ患者さんを包括的にかつベストの管理・治療ができる、総合能力をもったアレルギー専門医の育成を大きな目標に据えています。すなわち、埼玉医科大学で研修するものでアレルギー分野を志すものは、米国ではよく確立されているアレルギー総合専門医ともいうべき”total allergist”として、高度な包括的臨床能力をもった専門医として養成することを基本目標としています。
 初期研修医で希望するかたは各基本学科の研修時に週1回程度アレルギーセンター外来診療に参加できるプログラムを設けています。後期研修は各基盤の基本学科に籍を置きつつ、アレルギー分野の各種技術の習得と専門医取得をめざすこととなります。
 なお隔月で学内の勉強会埼玉医科大学「アレルギー・フォーラム」をおこない、外部講師による特別講義での専門知識の効果的な学習の場として提供するとともに、非専門医、コメディカルなどを含んだ埼玉医科大学全体としての、アレルギーに関する知識レベルの向上をめざしています。

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臨床部門
中村晃一郎
:中村晃一郎(文責)

 アレルギー疾患でも単一の臓器のみが罹患するケースもあり、そういったケースでは埼玉医科大学でも従来どおりの各臓器別のアレルギー疾患診療が行われております。埼玉医科大学ではそれにくわえまして、このアレルギーセンターの診療部門が、埼玉医科大学病院の本館3Fに開設されております。当センターでは、アレルギー性疾患の患者さんのニーズに応えるため、呼吸器内科、小児科、皮膚科、耳鼻科、眼科が連携して、専門性の高い、包括的なアレルギー診療を提供させていただいております。主な診療範囲は、喘息、慢性咳、食物アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、薬剤アレルギー、昆虫アレルギーなどです。スギ花粉症、アレルギー性喘息に対しての体質改善であり原因治療であるアレルゲン免疫療法(減感作療法)や、アナフィラキシーの緊急自己治療薬であるアドレナリン自己注射システム(エピペン)、また歯科治療などでもちいる局所麻酔薬のアレルギー確認テストなどの専門的医療サービスを、適応に応じて提供させていただいております。スギ花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎・結膜炎は、専門分野が分かれるため、通常は何箇所もの施設を訪問しなければなりませんでしたが、当センターでは、耳鼻咽喉科や眼科の専門医と連携して、総合的に診療しております。純純粋な皮膚疾患や耳鼻疾患などは、まず、皮膚科、耳鼻科に受診していただくこととなっておりますが、複数のアレルギー疾患をおもちのケースやアナフィラキシー(食物・薬剤や昆虫などによる急激な過敏反応)の既往のあるかたなどで他診療科に該当されないケース、また喘息や花粉症で体質改善を希望されるかたなどは、ご利用いただきたいとおもいます。

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研究部門
松下祥
:松下祥(文責)

 埼玉医科大学には基礎免疫学あるいは呼吸器内科など、アレルギー分野の基礎・臨床研究を活発におこない、世界アレルギー学会あるいは米国アレルギー学会などで国際水準で学問的貢献をおこなってきた分野がもともと存在しております。アレルギーセンター発足にともない、免疫学をふくめ関連基本学科がさらに連携して基礎・臨床研究の共同推進につとめております。基礎研究面でとくに免疫学がこのセンターの重要な要素となっておりますので、アレルギーセンターに参画する臨床系あるいは保健医療分野などからの基礎研究希望者に充分な技術指導能力が確保されています。臨床研究でも呼吸器内科と耳鼻咽喉科のちからをあわせたアレルギー研究が始動しています。そのほか、眼疾患を中心に、炎症と血管新生など幅広い分野での研究、さらにアレルギー疾患の根治を目指したアレルゲン免疫療法に関する研究が検討されています。月1回、関連研究者にプログレス・レポート等の科学的討議の場を定期的に設定しています。

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広報部門
徳山研一
:徳山研一(文責)

 埼玉医科大学病院のアレルギーセンターは国内でも注目を集めている組織です。米国型では単一のアレルギー科がアレルギー教育や診療、そして研究を担ってゆくのに対して、このアレルギーセンターでは日本の既存の組織が学内で力をあわせるかたちで成果をあげてゆくことを目指しているからです。広報部門はまずこのホームページでの情報発信を中心に、このアレルギーセンターの成果を広く公開しお伝えしてゆく所存です。

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小児科徳山研一教授のご挨拶
徳山研一
:徳山研一(文責)

 平成22年2月から埼玉医科大学病院小児科に赴任いたしました。私は昭和54年に金沢大学医学部を卒業後、群馬大学小児科に入局し、その後、約25年間こどもの診療を続けてきました。この間1988年から約2年間、英国ロンドン大学National Heart & Lung Instituteに留学し、気管支喘息研究の第1人者であるPeter J Barnes教授のもとで、気道粘液の分泌機序、とくに自律神経系や炎症性メディエーターの役割について研究しました。4年前に高崎健康福祉大学薬学部に赴任後は、こどものアレルギー診療を続けるかたわら、アレルギーの基礎研究にも携わっておりました。
 専門は小児のアレルギー疾患全般です。アレルギーのあるこどもは、喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、あるいは食物アレルギーなどを相互に合併することが多く、こどものアレルギーのトータルケアを行ってきました。主な研究領域は小児の喘息で、その病態生理の解明、治療プロトコールの確立、発症予防をテーマに行っています。ちなみに、所属学会は日本小児科学会、日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会などで、“小児気管支喘息治療・管理ガイドライン”や、“咳嗽に関するガイドライン”などのガイドライン作成委員を務めております。

  埼玉医科大学病院アレルギーセンターは各診療科が協力してアレルギー診療を行う日本全国でも数少ない施設です。各科の先生方のご指導を仰ぎながら、アレルギーを持つ患者様の診療に貢献していきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
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