◆ 医学研究科博士課程のポリシー
■教育方針
常に夢を持ち、幅広い社会的視野と高い倫理観を持った心豊かな指導的役割を果たすことのできる医療人を育成する。その上で、国内外の第一線において評価されうる報告価値が高い学術論文を発表し、医学・医療の進歩に貢献することを教育方針とする。そのために、生命科学の基盤となる広範な知識をもとに論理的思考により自らの力で医学・医療に貢献できる実践的な教育を施こす。以上の教育方針を遂行するために必要な、国際的な素養を有する強い意欲と探究心を有する学生を受け入れる。
1)ディプロマポリシー
埼玉医科大学の期待する医療人として医学・医療の発展に寄与できる次のような人材に学位を授ける。
- 高い倫理観と誇りを持ち、リーダーとしてさらに飛躍しようとする意志を有する。
- 研究倫理を十分に習熟し、正確なデータの解析に基づく適正な研究遂行と情報発信を行う姿勢を有する。
- 環境に応じて研究を推進する能力(研究費の獲得、計画の立案)、そして指導的医療人として研究グループを統括し後進を指導する姿勢を有する。
- 生命科学に対する広範な知識と自らの力で発展できる能力を有する。
- 専門分野に関連する情報を広く収集し理解する努力を日頃から行い、深く確実な知識を有する。
- 指導教員や関連分野の研究者との討議を通じて、自らの研究の発展性や問題点を把握し、解決するための方策を実践できる。
- 自らの研究成果(位置づけ、意義)を適正に評価できる能力を有し、研究の今後の展開を推進できる。
- 自ら抽出した課題を独創性ある学術論文として情報発信できる。
- 研究課題は指導教員との協議の上、自らが抽出したものとし、過去の報告に立脚した上で独創性のある新知見を見出すことができる。
- 研究成果を博士課程研究成果報告会において発表し、その質疑応答を通して研究倫理・計画、論理展開、研究意義について良好な評価を得ることができる。
- 研究成果を、査読制度を有する学術雑誌における筆頭著者の原著論文、もしくは同レベルの学位申請論文(テーシス)として発表できる。
以上の観点に立ち、公開された学位審査委員会にて、倫理観、専門性、独創性、科学的精度、論理展開、プレゼンテーションスキル、研究立案能力、情報発信能力、リーダーシップ、医療人としての人間性等の項目に着目した評価を行う。一定の基準を満たした人に、学位を授与する。
2)カリキュラムポリシー
ディプロマ・ポリシーに示す教育目標を達成し、指導的医療人として自立して研究活動を遂行するため、次のようなカリキュラムを提供する。
- 倫理的に妥当な研究を遂行するためのカリキュラム。
- 共通科目および倫理講習会を履修し、研究倫理について十分に理解し、実際に適切な手続きを行った上で研究を遂行する。
- 仮説を検証するための具体的な方策を企画立案し、適切な研究技法を応用し実験・調査を遂行するカリキュラム。
- 共通科目を履修し、多彩な研究方法論を学ぶことで、自らの目的に沿って適切な研究技法を選択できる力を身に付ける。
- 指導教員との討論を通して、研究計画の立案と遂行、データの解釈と考察などの研究プロセスを修得する。
- 国際的に評価される文献を正確に解釈し、生命科学の基幹概念を応用する力を養うカリキュラム。
- 共通科目を履修し、統計解析、実験手技、スライド作成などの研究者としての基本的なスキルを修得する。
- 文献検索や抄読会を通じて、当該研究領域の動向を把握しつつ、研究情報を検討し、自らの研究の方針を修正できる力を育成する。
- 自らの研究成果を適切に評価し、正確にプレゼンテーションする能力を育成するカリキュラム。
- 指導教員の指導を受け、3年次あるいは4年次の研究成果報告会で、自らの研究成果の新規性や先行研究との相違性、および研究立案のプロセスと研究方法を正確に説明できるよう準備する。
- 指導教員から論文作成指導を受け、自らの研究成果を適切に論文としてまとめる。
以上の観点に立ち、共通科目と専門科目から成るカリキュラムを構築し、自立的な研究能力を育成し、質の高い学位論文の完成に導く。
3)アドミッションポリシー
埼玉医科大学の建学の理念を理解する次のような人を受け入れる。
- 将来誠実で協調性と倫理観を備えた指導的医療人を目指す意志を有する。
- 社会人としての基本的な倫理観を有する。
- 自らの将来ビジョンを明確に示し、研究マインドを持った医療人を目指す。
- 自らが研究を行うことにより、医学・医療にいかに貢献できるかについて抱負を語ることができる。
- 博士課程における研究目標を自らの言葉で具体的に話すことができる。
- 高度な研究能力の基礎となる言語能力と生命科学の基礎知識を有する。
- 生命科学関連の英語論文を読解できる語学力を有する。
- 本課程における研究活動を行うための基本的な生命科学の知識を示すことができる。
- 論理的思考のもとに医学研究を遂行し、新しい事にチャレンジする精神を有する。
- 専門領域における医学研究上の問題について明確に示すことができる。
- 自らの体験から生じた医学的疑問を解決しようとする姿勢を示すことができる。
以上の観点に立ち、指導教員による口頭試問または筆記試験において、医療人としての人間性、博士課程の研究目標ならびに将来目標についての説明能力、生命科学に対する理解度、論理的思考力、等について適切に評価する。語学試験で合格基準を満たす必要がある。
◆ 医学研究科修士課程のポリシー
1)ディプロマポリシー
埼玉医科大学の期待する医療人として、医学・医療の領域に貢献できる以下のような人に学位を授ける。
- 医科学に係わる様々な分野において、幅広く深い学識と高い倫理観を有する。
- 専門領域において活躍できる卓越した専門的知識および技能を身につけている。
- 学際的分野へ対応可能な専門的研究能力を身につけている。
以上の観点に立ち、所定の単位を修得し、修士論文を提出して、論文審査および最終試験に合格した人に対して大学院修士課程の修了を認定し、修士の学位を授ける。
2)カリキュラムポリシー
ディプロマ・ポリシーに示す教育目標を達成し、医療分野で高度な知識と専門的技能を有する人を育成するため、以下のようなカリキュラムを提供する。
本専攻は、生体機能科学分野、生体医工学分野及び理学療法学分野の3分野で構成されている。カリキュラムは講義・演習と特別研究にわけられ、講義科目は医学関連領域の共通科目と各分野の専門科目に分かれている。
各分野ではそれぞれの専門領域にみあった専門科目を必要十分なだけ配置するとともに、学生の多様なニーズに応えるための特別研究およびその演習を用意している。
- 共通科目は高い倫理観の醸成を含む3分野に共通の医学的知識や医学関連領域の高度な専門知識を修得し、活用できる能力を養うために設けている。履修時期は、その後の研究の基礎となることを考慮して、全ての分野において1年次に配置してある。
- 専門科目として、各専門分野に応じた高度な専門的知識を習得するための講義と専門的技能を身につけるための演習を設定している。講義は、大学レベルでの知識を基礎とし、各分野での研究や専門職に適した内容を特論として設定し、目指す進路に応じて選択可能としている。
- 専門的研究能力を身につけるための特別研究、特別演習が2年次に配当されている。これに先立って、1年次には学生の希望を勘案して指導教員が決定される。その後、国際的な学術水準と社会のニーズを満たす研究テーマが検討され、研究指導が開始される。
3)アドミッションポリシー
埼玉医科大学の建学の理念を理解する以下のような人を受け入れる。
- 医学・医療に積極的な関心を持つとともに、ふさわしい倫理観を備え、くわえて他者の意見に耳を傾けることができる人
- 本専攻の教育課程に基づいて学習を重ね、修了に至るために必要な一定以上の基礎的学力を備えており、根気づよく学習を継続できる人
- 論理的に考えを整理し、自分の考えを適確に表現できる人
以上の観点に立ち、筆記試験(英語および専門科目)および面接において適切に評価する。
◆ 看護学研究科修士課程のポリシー
1)ディプロマポリシー
看護学研究科では、看護の領域に貢献できる以下のような人に学位を授ける。
- 深い人間理解に基づく倫理的調整能力を修得している。
- 看護の向上を目指し、総合的に判断し問題を解決する能力を身につけている。
- 専門看護領域における高度な看護実践力、あるいは地域のケアニーズに応じて人々の生活を支援する能力を身につけている。
- ケアシステムの改善に必要な高度な専門的知識・研究能力・指導力を修得している。
以上の観点に立ち、所定の単位を修得し、研究指導を受けて学位論文を提出し、論文審査および最終試験に合格した人材に対して大学院修士課程の修了を認定し、修士(看護学)の学位を授ける。
2)カリキュラムポリシー
ディプロマポリシーに示す教育目標を達成し、高度な専門性をもった看護職者を育成するために、以下のようなカリキュラムを提供する。
本研究科は、「高度実践看護学分野」と「生活支援看護学分野」の2分野で構成されている。 「高度実践看護学分野」では、高度な看護実践能力を、また「生活支援看護学分野」 では多様な人々に対する生活支援能力を育成できるよう、以下のポリシーに沿って教育課程を編成している。
- 深い人間理解に基づく倫理観の涵養
共通科目として看護倫理学を置き、倫理観を養うことを目指している。また、ヒューマンセクシュアリティにより人間理解をさらに深めることができる。
- 科学的判断力・思考力の修得
共通科目に看護理論、看護研究方法論、看護情報処理論、人体統合機能論を配置し、科学的判断力・思考力の修得を促す。
- リーダーとして活動できる実践力の養成
共通科目の看護管理学、コンサルテーション論、看護継続教育論、看護政策論の履修により、リーダーとして必要な実践力を学ぶ。
- 高度な専門的知識・技術の修得
学修と探求を積み重ねて各領域の専門性を深めるために、全ての領域に特論、演習、特別研究または課題研究を置き、領域ごとに特論、演習、看護研究の関連を明確にした科目目標を提示している。専門看護師の資格取得を目的とする「実践コース」は実習に加えて課題研究あるいは特別研究を選択する。研究能力、科学的思考力を養うことを目的とする「論文コース」は特別研究を選択する。「高度実践看護学分野」は、「実践コース」と「論文コース」を置いているが、「生活支援看護学分野」は「論文コース」のみとなる。
3)アドミッションポリシー
本研究科では埼玉医科大学の建学の理念を理解する以下のような人を受け入れる。
- 大学院入学の意志が固く、修学目的が明確で、真摯に学び続ける姿勢があること。
- 看護や看護倫理の基本である「他者理解」、「他者尊重」の精神を遵守できる素養を身につけている。
- 看護者の使命・責任として看護の向上を目指す意思が明確であり、かつ、自らそれを実現すべく研鑽を積んでいる。
- チーム医療の重要性とチーム医療における看護の役割を理解している。
- 論理的で科学的な思考能力を有し、研究的な視点・態度の重要性を認識しており、エビデンスに基づいた看護診断を行う能力を有する。
以上の観点に立ち、筆記試験(英語及び専門科目)及び面接試験により適切に評価する。
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