研究・活動 Study & Activity
臨床工学科 School of Biomedical Engineering

臨床工学科 研究・活動内容

戸井田　昌宏（といだ　まさひろ）

主な担当科目
電磁気学　電磁気学演習　力学演習　センサ・計測工学　医用画像機器　応用工学実験
資格・学位
教授　博士（工学）

研究紹介

専門分野
医用工学　レーザー計測学　光生体計測学　光診断・治療学
研究概要
レーザー光照射による担癌マウスに及ぼす抗腫瘍効果の検証とメカニズムの探索
自己免疫と物理エネルギーの融合した画期的な治療法の創出を狙いとし、免疫反応の始点である樹状細胞の物理的・生物学的特性に着目して、体表外からの非侵襲的な光照射により、免疫反応を活性化し抗腫瘍効果が得られるかの検証とそのメカニズム解明を進めています。
この研究によりレーザー光による非侵襲的な免疫制御の可能性が明らかになると、新たな免疫制御研究の端緒を拓くものとなります。またこれら研究の成果は、切らずに癌を治療、リンパ節転移抑制、末期癌患者予後改善（癌との共存）等々ヒトに優しい革新的医療技術へと繋がることが期待できます。

分光画像３D解析による分光画像への深度情報付与の研究
内視鏡の次世代照明系の研究動向を踏まえ、血管の分光画像に対し、対象血管の３次元画像情報の対応づけを行い、分光画像に対応したスペクトル情報への定量的な深度情報の関係性付与の可能性を検証しています。
本研究の成果として実現される３D計測系は、計測ハード自体は現状の内視鏡撮像系そのものを活用できるため、内視鏡システムと検査プロセスとの整合性が高く、内視鏡検査分野に実用的な新診断法を提供できる可能性が期待されます、これにより早期の正確ながん診断へ大きく貢献できるものです。

コヒーレント検出方式形態・機能同時イメージング技術の研究
in vivo（生きたまま）生体の形態と機能の時空間同時イメージングを狙いとし、in vivo形態情報の画像化に優れるOCT（Optical Coherence Tomography）と機能（分子）情報の画像化が特徴のCARS（Coherent Anti-Stokes Raman Scattering）を複合化することを目的としています。このためにCARSとOCTに求められるそれぞれ相反したパルス幅要求に対し、CARSの共鳴/非共鳴過程の特質に立脚したパルス幅とタイミング制御により、パルス幅の不整合をブレークスルーすることを狙っています。
本研究は生体機能解析面から各種疾患の発症機構、悪化・慢性化のメカニズム解明の基本技術を提供することになり、疾患の早期発見や新たな治療法の研究を前進させることが期待されます。
著書・学術論文
【著書】
戸井田昌宏、稲場文男：光へテロダイン技術　第５章２節光へテロダインCT法　吉澤徹、瀬田勝男　編　新技術コミュニケーション発行　114-127　1994.

【学術論文】
(1)M. Toida, M. Kondo, T. Ichimura and H. Inaba: Experimental Verification of Image Detection in Highly Scattering Media using Antenna Properties of Optical Heterodyne Microscope Scheme ,Electron. Lett., 26(11), 700-701 (1990) .
(2)戸井田昌宏,近藤真,市村勉,稲場文男:生体画像計測のための光ヘテロダイン方式CT法の基礎的研究（Ⅰ）散乱媒質中の透過直進光成分検出と画像計測, 光学, 19(7), 447-453 (1990).
(3)戸井田昌宏,近藤真,市村勉,稲場文男: 生体画像計測のための光ヘテロダイン方式CT法の基礎的研究（Ⅱ）散乱媒質中における光ヘテロダイン検出法の方向分解能の評価と２次元画像計測, 光学, 19(8), 529-537 (1990).
(4)戸井田昌宏,近藤真,市村勉,稲場文男: 生体画像計測のための光ヘテロダイン方式CT法の基礎的研究（Ⅲ）光CT実現のために基本条件の検証と生体試料の光断層像計測, 光学,19 (11), 776-786(1990).
(5)戸井田昌宏,近藤真,市村勉,稲場文男:Coherent Detection Imaging法に基づく生体光CTの研究, 電子情報通信学会論文誌C-Ⅰ, J74-C-I(4), 137-150 (1991).
(6)M. Toida, T. Ichimura and H. Inaba: The First Demonstration of Laser Computed Tomography Achieved by Coherent Detection Imaging Method for Biomedical Applications, IEICE Trans., E74(6), 1692-1694 (1991) .
(7)M. Toida, M. Kondo, T. Ichimura and H. Inaba: Two-Dimensional Coherent Detection Imaging in Multiple Scattering Media Based on the Directional Resolution Capability of the Optical Heterodyne Method, Appl. Phys, B52, 391-394 (1991) .
所属学会
応用物理学会　電子情報通信学会　日本生体医工学会