東洋医学科


東洋医学科
東洋医学科
Department of Oriental Medicine
漢方薬や鍼灸治療を活用し、
現代医学との併用も含めて対応いたします。

診療部長ご挨拶

2023年4月より、東洋医学科の診療部長を拝命いたしました鈴木朋子と申します。
総合診療内科と兼担させていただいており、東洋医学科では三村俊英運営責任者の下診療に当たっております。

当科は1984年に当時の第2内科に東洋医学部門として設立され、以降諸先輩方が鍼灸・漢方薬治療の両輪で今日まで牽引してくださいました。数ある日本の大学病院の中で、本学のように鍼灸と漢方薬治療の両者を兼ね備えた診療体制を東洋医学科として有するのは、ごくわずかに限られております。東洋医学科が大学病院内に存在する意義は、診療においては他科との連携を通じた難治性疾患への取り組み、教育においては現代医学の中で活かせる東洋医学的アプローチの指導、研究においては東洋医学の科学化と心得ております。

これらを実践すべく、院内・院外ともに開かれた東洋医学科を目指し精進して参りたいと考えております。今後ともご指導のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
東洋医学科 鈴木朋子
診療部長、教授
鈴木 朋子 SUZIKI, Tomoko

診療内容・専門分野

漢方薬治療

東洋医学科01
漢方とは、患者さんの病態を「心身の歪」として漢方医学的な尺度で判断し、漢方薬を使ってその歪を是正していくものです。

人間本来の治癒力を引き出すことを主眼としていて、調節、安定作用に優れています。そのため、作用はそれ程強くはありませんが、常に全身のバランスを考 えながら、状態を良い方向へと近づけて行きます。一人一人に合わせて処方を行うことが基本の個別医療も特徴の一つです。漢方治療は機能性の疾患の治療や全 身状態の改善、体質改善等に適しています。検査で症状を説明できるような異常がない場合などでも、漢方が役に立つことは少なくありません。西洋医学的な治 療とうまく組み合わせて、治療の幅を広げることも可能です。

また、昔から漢方と鍼灸は「車の両輪」ともたとえられていますが、両者を併用することで、さらに治療効果を高めることが期待出来ます。

鍼灸治療

はり治療は、2000年以上の長い歴史を有する東洋古来の伝統医療です。漢方治療と同様に、心身両面より患者さん個々の状態を細かく診察し、一人一人に 合わせて治療を行います。
また、鍼灸治療の効果が期待できないケースや、より専門的な診断が必要な場合には、速やかに他の専門診療科に依頼することを原則 としています。

治療に用いる「はり」は、直径0.16mm~0.30mmの非常に細いディスポーザブル鍼(使い捨て鍼)で、刺入しても痛みを感じることは ほとんどなく、むしろ心地よいものです。はり治療は、頭痛や肩こり、顔面神経麻痺、めまい、耳鳴り、頚肩腕症候群、五十肩、肋間神経痛、腰痛、坐骨神経 痛、膝関節痛、スポーツ障害、関節リウマチ、脳卒中などの痛みや麻痺性疾患に効果があります。
また、便秘や生理痛、足の冷え、排尿障害、軽度高血圧、膠原 病に起因するレイノー現象や乾燥症状等の自律神経機能の異常が原因となる症状にも有効です。また、がん治療によって出現した痛み・しびれや食欲不振、悪心・嘔吐、便秘などの多種多彩な症状にもはり治療を行っております。

古くから国民の健康保持・増進に携わってきたはり治療ですが、近年、科学的な研究も数多く報告 されるようになり、予防医学の面からも副作用が少なく、かつ安全性の高い治療法として再認識されております。治療を希望される方、また、はり治療について のご質問はご遠慮なく外来までご連絡ください。

東洋医学科02

主な疾患

東洋医学的治療は以下のような疾患に伴う症状の軽減を目的に、漢方薬や鍼灸治療を活用して対応いたします。

漢方薬治療

冷え、易疲労など機能的疾患(器質的な異常がないため良い治療方法が見つけにくい疾患)、現代医学だけでは十分な治療方法のない疾患、治療方法はあるが副作用やアレルギー体質などで治療が困難、複数の病気を抱え診療科が多岐にわたり治療が困難な例など、もう一つの治療方法として、現代医学との併用も含めて対応いたします。

鍼灸治療

Bell麻痺、Ramsay Hunt 症候群、片頭痛、緊張型頭痛、非特異的腰痛、腰部脊柱管狭窄症、頚椎症、神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛など)、突発性難聴、機能性消化管疾患(機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群)、シェーグレン症候群、がん・がん治療の副作用による諸症状、過活動膀胱、月経困難症、不妊症

主な症状

漢方薬治療

冷え、ホットフラッシュなどの更年期症状、月経痛、月経不順、食欲不振、易疲労、便秘や下痢など便通異常、頻尿、しびれ、痛み(腰痛、腹痛、頭痛など)、めまい、耳鳴、不眠、イライラ、気分の落込み、喉のつかえ感など

鍼灸治療

神経症状(しびれ、麻痺、力がはいらない、など)、痛み(腰痛、肩こり、上肢・下肢の関節痛や筋肉痛)、消化器症状(腹痛、食欲不振、下痢、便秘、吐き気)、その他、冷え性、息切れ、不眠、疲れやすい、など

詳細は以下からもご確認できます。

病気の説明と治療方法

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