臨床中毒センター

臨床中毒センター
臨床中毒センター
Clinical Toxicology Center
臨床中毒センターではその名の通り
急性期の中毒の診療に力を入れています。
電話受付時間 24時間受付
診療は急性期の中毒に関してのみ行っています。必ず事前にお問い合わせください。

センター長ご挨拶

臨床中毒科では、急性期の中毒(急性中毒)の診療に力を入れています。
医薬品、違法薬物、家庭用品、農薬、化学製品・工業製品だけでなく、毒性植物や毒キノコなどの自然毒、一酸化炭素や硫化水素などの有毒ガスによる急性中毒も診療の対象となります。
軽症の患者さんだけでなく生命の危険のある重症の中毒にも対応します。偶発的な事故による中毒だけでなく、自殺未遂による中毒にも対応します。

中毒は専門家が非常に少なく診療できない施設が多いので、埼玉県全域から急性中毒の患者さんをお受けします。急性中毒による症状であると疑われた場合に、全身の診察と検査を行って診断を下し、それに基づいて初期診療を行い、必要があれば入院治療を行います。また臨床中毒科には精神科医と臨床心理士が常駐しており、自殺未遂で急性中毒となった患者さんが再び自殺を図ることのないように、精神科的に評価し、必要に応じて精神科医療への連携を行なっています。
臨床中毒科 上條 吉人
センター長、教授
上條 吉人 KAMIJO, Yoshito

特徴・治療方法

「中毒」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか「薬物中毒」「毒物中毒」「自殺企図」「テロ」「事件」などなど、ちょっと自分とは程遠いようなそんなイメージを持つ方も多いと思います。でも、中毒というのは以外に身近なところに潜んでいます。思いもよらない偶発的な事故による中毒はとても多く、日用品の間違った使用方法などで、中毒が起こってしまうこともあるのです。

埼玉医科大学では、日本には1つもなかった「中毒」の臨床および研究の中核施設である「中毒センター」を立ち上げたいという強い熱意で、「救急センター」に併設される形で「中毒センター」が立ち上がりました。2021年4月に、基本学科として臨床中毒科が設立され、その後7月に独立した「臨床中毒センター」が立ち上がりました。

埼玉医科大学臨床中毒センターでは医薬品、違法薬物、家庭用品、農薬、化学製品・工業製品などによる急性中毒だけでなく、毒性植物や毒キノコなどの自然毒、一酸化炭素や硫化水素などの有毒ガスによる急性中毒も診療の対象となります。軽症の患者さんだけでなく生命の危険のある重症の中毒にも対応いたします。とりわけ中毒は専門家が少ないため診療できない施設が多いことという問題があります。
そこで臨床中毒センターは、救急センターと協力のもと、埼玉県全域から急性期の患者さんをお受けします。 また臨床中毒センターには精神科医と臨床心理士が勤務しており、自殺未遂で救急搬送された患者さんが再び自殺を図ることのないように精神的ケアも同時に行なっています。

さらに臨床中毒センターは埼玉医科大学臨床中毒学科、日本臨床・分析中毒学会などと連携し、中毒物質の分析方法や治療方法などを検討し、患者さんの治療に役立てています。またホームページなどを通じて、身近な中毒についての情報を発信し、啓蒙することで、予防に関しても力を入れています。
臨床中毒センターの位置づけ
臨床中毒センターの位置づけ
診療風景診療風景
臨床チームと分析チーム臨床チームと分析チーム

臨床中毒科

埼玉医科大学病院 臨床中毒科は臨床中毒センターとして心身総合診療を行うとともに、中毒専門の医療を行える人材の育成に取り組んでいます。

診療部門

臨床中毒科は救急科及び緩和科とコラボレーションすることで、初療から退院(転院)まで一貫した治療が行えます。集中治療部との連携により、重症患者へ適切な集中治療を行うこともできます。また、臨床中毒センター勤務の精神科医及び臨床心理士は当院神経精神科と協力しながら入院中の精神的ケアを積極的に行なっています。

教育・研究部門

埼玉医科大学医学部学生への臨床中毒科講義をはじめ、国内外に向けて臨床中毒に関する講義を担当しています。(例:札幌医科大学医学部、市立札幌病院、タイRamathibodi Hospital, Mahidol University.マレーシアthe Department of Emergency Medicine Hospital Canselor Tuanku Muhriz(HCTM) UKMなど)
臨床中毒科は、2021年より大学院が開設され、学位指導についても尽力しています。また、研究面では、GC/MSおよびLC/MS/MS、LC/Q-TOF MSなどの分析機器を導入し、薬毒物分析をからめた中毒の研究業績を積み重ねています。

主な疾患

以下の物質による「急性」中毒症状全般
  • 医薬品中毒:処方薬や市販薬、サプリメントなどの過量服用等
  • 家庭用化学製品中毒:各種洗剤等誤飲
  • 農薬用品中毒:殺虫剤、除草剤等誤飲
  • 化学物質による中毒:各種消毒薬、一酸化炭素や硫化水素などの有毒ガス、工業用化学物質等の誤飲や暴露
  • 自然毒中毒:毒性植物や毒キノコ等の誤食や有毒生物による刺傷・咬傷等
  • 違法薬物:覚醒剤、麻薬、その他違法薬物による急性症状(慢性的な使用による依存症状の治療は除く)

主な症状

急性中毒では様々な症状が出現します
  • 全身症状:高体温・低体温、発汗過多・皮膚乾燥、倦怠感など
  • 中枢神経症状:軽度の傾眠から錯乱、痙攣、昏睡まで幅広い症状が出現し得ます
  • 循環器系症状:不整脈、血圧低下、血圧上昇、心停止など
  • 呼吸器系症状:呼吸苦、頻呼吸・徐呼吸など
  • 消化器系症状:嘔気・嘔吐、下痢、腹痛など

主な治療方法

中毒の治療の5大原則
  1. 吸収の阻害:消化管除染(活性炭投与・胃洗浄・腸洗浄)
  2. 排泄の促進:血液浄化療法、活性炭繰り返し投与など
  3. 解毒薬・拮抗薬の投与
  4. 全身管理:必要時に人工呼吸器管理、血液浄化療法、ECMOなどの機械的サポートを含む支持療法
  5. 必要時に精神的ケアに適切につなげる
に乗っ取り、治療を行っています
その後、引き続きそれぞれの中毒に応じた治療を行います

関連診療科

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