総合診療内科


総合診療内科
総合診療内科
Department of General Internal Medicine
患者さんが抱えるあらゆる健康上の問題に対して、
症状に関わらず幅広く対応しています。

診療部長ご挨拶

近年社会の高齢化等に伴い、特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者が増加してきています。そのような患者さんにとって、受診するならば複数の領域別専門医による診療よりも総合的な診療能力を有する医師(総合診療医)による診療の方が適切な場合が増えてきました。総合診療内科は、そのような総合的な診療能力を有する医師の育成を目指して、2007年の1月に発足した診療科です。

総合診療内科の特徴は、患者さんの症状に関わらず幅広く対応できる診療科です。総合診療内科は、腎臓や心臓などの特定の臓器を対象とするのではなく、患者さんが抱えるあらゆる健康上の問題に対して幅広く対応する診療科です。 具体的には、頭痛や発熱、倦怠感などのよくある症状や、原因が分からない病態の解明、さらに複数の健康問題を抱える患者さんに対する対応、多様な健康問題への包括的なアプローチなど総合診療の専門的な視点から診断およびマネジメントを行っています。現在でも沢山の病院から、多くの患者さんが紹介され受診しています。

総合診療内科は皆さんの為の開かれた診療科です。上記のような健康問題に悩んでいる患者さんは、是非とも総合診療内科を受診してください。また、多くの診療施設からの患者さんの紹介をお待ちしていいます。
小林 威仁
診療部長、准教授
小林 威仁 KOBAYASHI, Takehito

診療内容・専門分野

2018年4月より、19番目の基本領域として「総合診療」が認定され、新専門医制度が開始となりました。また最近、新聞やテレビなどで「総合医」あるいは「総合診療医」が取り上げられることも増えてきています。社会のニーズがますます高まっている「総合診療」ですが、埼玉医科大学においても国のそのような動きに先駆けて、2007年度より「総合診療内科」を立ち上げ診療を行っています。

大学病院における「総合診療内科」の重要な役割は、診療、教育、そして研究です。「総合診療内科」の一般的な認識はプライマリケアとして適切な診断と治療の提供、そして教育として「総合診療医の育成」です。その点から、大学病院における「総合診療内科」の役割は、以下の①から③の3つと考えています。そしてそれらを踏まえた上で、当科は④を大きな目標として診療を行っています。

①患者さんの持つ症状や症候に対して、全身的な観点から評価を行い、適切な診断と治療をすること

例えばあなたが「むくみ」で病院を受診しようとしたとき、大きな病院には内科だけに限っても、心臓内科、消化器内科、神経内科など多くの科があるため、どの科を受診してよいのかがわからないかもしれません。全身性の「むくみ」は心臓、腎臓、肝臓などの病気で起こります。またアレルギーや血栓症などの特殊な病態によって発症する場合もあります。「むくみ」は多くの病気に現れる危険信号であり、きちんと診断をし、的確な治療を行う必要があります。そのような時、まず相談するのが「総合診療内科」です。「総合診療内科」で診療をし、心臓が原因と考えれば「心臓内科」を、腎臓が原因であれば「腎臓内科」を紹介し、治療を受けていただけるようにマネジメントします。患者さんを全身的な観点で診察し、診断および治療をするだけではなく、必要な時にそれぞれの「専門医」と連携を図り、適切に紹介することを心掛けています。
 また近年、高齢化にともない誤嚥性肺炎や心不全などがより一般的で身近な病気となってきています。いずれも何らかの背景疾患があることがほとんどで、またその背景疾患も複数存在したり、複合的に絡み合ったりしていて、単一科では解決できない場合も多いです。そのような時、「総合診療内科」は全身的に評価を行い、個々の患者さんに合ったオーダーメイドの治療方針を立てて診療を行っています。

②高血圧や肥満、メタボリックシンドロームなど、全身性疾患と関わってくるような生活習慣病を診断し、治療をすること

生活習慣病は、心臓病、脳血管障害などの多くの重篤な疾患の原因となります。これまでは、生活習慣病のような慢性疾患を診療する科は大きな病院にはなく、多くは「開業医」の先生が対応をしていました。しかし「高血圧」一つをとっても、腎臓疾患や内分泌疾患などが原因で発症する場合もあり、原因を明らかにして治療しなければ命にかかわるような重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。当科ではまず疾患の原因を明らかにして治療をする、さらに状態が安定すれば近隣の「開業医」の先生と連携を図り、今後の診療をお願いすることもできるよう体制を整えています。地域の先生方と連携を図りながら、地域医療の中心となり疾患予防や患者さんの教育を行っていくことにも重きを置いて診療を行っています。

③質の高い医療を提供することのできる「総合診療医」を育成すること

上記①②を提供するためには、高い臨床能力を有する「総合診療医」であることが求められます。そのような医師を育成し、地域に貢献することも「総合診療内科」の重要な役割です。実際に当科では、他の専門医とは異なるさまざまな問題解決ツールを用いて患者さんをよりよい状態(Well-being)にするため、日々研鑽をしています。

④地域の大学病院として全身管理や集中治療に対応できる「高度な医療に対応できる総合診療医の育成」を目指していること

埼玉医科大学病院の特徴は、プライマリケア医として対応できるだけでなく、全身管理の必要な重症患者にも対応できる医師の育成を目指している点にあります。当院は地域の中心として、全身管理が必要な重症患者を受け入れる最後の砦と言えます。プライマリケアだけでなく全身管理も行える、上記③のように高度な「総合診療医の育成」を目指しています。救急センターと連携した重症患者の受け入れ、他の医療施設からの積極的な患者の受け入れも行っています。

患者さんにおいては自分がどこの科を受診したらいいのかわからない場合、近隣の先生方においては原因のわからない症状や病態でお困りの場合など、ぜひ当科までご相談ください。また全身管理の必要な患者さんの治療を積極的に行っています。他院に入院されている場合でも積極的な受け入れを行っています。セカンドオピニオンを含めて相談にも対応いたしますので、いつでもご相談ください。

主な疾患

あらゆる疾患に対応可能です。当科には総合診療に精通した医師だけではなく、腎臓内科、神経内科、心臓内科、消化器内科、呼吸器内科などの専門医も所属しています。精査の結果に応じて、専門科へ紹介することもあります。

病気の説明と治療方法

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