リウマチ膠原病科

リウマチ膠原病科
リウマチ・膠原病科
Department of Rheumatology & Applied Immunology
患者さんやご家族のお気持ちを大切にして
最適な診療を行なっています。

診療部長ご挨拶

私たちリウマチ膠原病科は、あらゆるリウマチ性疾患に対応し、患者さんやご家族のお気持ちを大切にして最適な診療を行なっています。

外来では、紹介状持参の方及び当科かかりつけ患者さんを中心に毎日朝から夕方まで数多くの診療を行なっています。
病棟では、超急性期の重症病態から慢性疾患の難治性病態など多くの患者さんを診療しています。重症な患者さんは埼玉県西部・北部のみならず、東部や県外からも紹介されて緊急入院されます。

最近の新たな取り組みを2つご紹介します。1)脊椎関節炎チーム(当科担当;和田 琢)を整形外科及び皮膚科とともに結成し、1名の患者をこれら3科の専門医が同時に診療して診断や治療方針を決定する、患者さん中心の医療です。2)母性内科診療部(当科担当;舟久保ゆう)を立ち上げ、妊娠を希望される方の妊娠前の準備、妊娠中、出産後、育児中における診療を専門的な立場からアドバイスします。どちらもかかりつけ医の紹介状が必要です。
今後も皆さんのために最善の診療を致します。
秋山先生の写真
診療部長、教授
秋山 雄次 AKIYAMA, Yuji

診療内容・専門分野

当科では、関節リウマチ、膠原病などのリウマチ性疾患の診療を行っています。リウマチ性疾患とは、本来は生体防御に働くべき免疫系が反乱を起こして自分の身体を攻撃する疾患(自己免疫病)のうち、全身臓器・血管や筋骨格・関節系の領域における炎症性および非炎症性疾患を含む疾患群です。 全身の診察と詳細にお話しをうかがうことが重要な領域で、多臓器にわたるため関連専門分野との十分な連携も必要です。 基礎免疫学の発展とともに、リウマチ性疾患の治療法も急速に進歩し、近年数多くの新しい治療法が導入されて来ております。
 
当科においては、患者さんお一人ずつで異なる病態を把握さていただいた上で、エビデンスに基づく治療、生物学的製剤、新規経口抗リウマチ薬などを含めた新しい治療、さらに東洋医学を取り入れた治療を受けていただくことが可能です。 当科では、以下にお示しする疾患などにおける妊娠合併、妊娠前後、妊娠準備(プレコンセプション)、授乳、育児などに関連した母性内科診療も行っています。 有効性の期待される多くの治験(新規薬剤臨床試験)も行っております。 セカンドオピニオンを希望される方にも、十分な時間を取ってご説明致します。 さらに臓器病変を伴う膠原病(膠原病・関節リウマチに合併する腎障害、肺障害、中枢神経障害など)は、高度な医療が要求される疾患群で、当科の経験豊富な医師達が当該臓器専門医達とチームを組んで診療致します。 疾患の性質上、長いおつき合いが必要となりますので、良好な人間関係の構築にも十分に配慮しております。 当科においては、患者さんお一人お一人に納得していただける診療を行うことを第一とし、透明性の高い誠実で思い遣りのある医療を心掛けております。

妊娠を希望されるリウマチ膠原病患者さんへ

埼玉医科大学病院難病センターの母性内科診療部は慢性疾患をもちながら妊娠を希望する女性を、妊娠前から妊娠中、産後まで内科医の立場で管理を行い、より良い状態で妊娠・出産ができるようサポートします。
母性内科は、慢性疾患をもつ女性が安心して妊娠と病気の治療を両立できるように計画的な妊娠をすすめ、妊娠前の健康状態を評価し、慢性疾患の治療と薬の調節を行う診療科です。
また妊娠された場合には、当院の産科医師と連携しながら妊娠中に発症した疾患(妊娠合併症)の内科的管理や妊娠中~授乳中の薬の調節を行います。是非ご利用下さい。
診療日:火曜日午前 予約制
連絡窓口:難病センター TEL:049-276-1741
※電話でのお問い合わせ・予約は、15:00から17:00までとなっております。

主な疾患

  • 関節リウマチ、悪性関節リウマチ
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮(硬化)症、多発性筋炎・皮膚筋炎などの炎症性筋疾患
  • シェーグレン症候群 
  • 混合性結合組織病
  • 血管炎症候群(高安病、巨細胞性血管炎、結節性多発動脈炎、ANCA関連血管炎他) 
  • その他のリウマチ性疾患(成人スチル病、リウマチ性多発筋痛症、ベーチェット病、IgG4関連疾患など)、脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎)
  •  痛風、その他の慢性関節炎一般 アレルギー性疾患(特に薬物アレルギー) 

上記疾患に合併する臓器障害(間質性肺炎などの肺障害、糸球体腎炎を始めとする腎障害、心臓・血管、脳・神経、消化器・肝臓、皮膚など) 当科では多くの薬剤の治験(薬剤の臨床試験)を行っています。現在の治療では効果不十分などでお困りの場合に有効性が期待できる可能性があります、詳細はご連絡下さい。

主な症状

  • 関節の症状(腫脹、発赤、疼痛、熱感、機能障害など)が続く 
  • 筋肉の症状(筋痛、脱力、筋圧痛など)が続く
  •  リンパ節が腫れる 
  • 原因不明の発熱が続く 
  • 発疹がでる 
  • 日光に当たると熱がでたり火脹れのようになる(光線過敏症) 
  • あざができやすい。出血しやすい 
  • 寒冷刺激で指先が蒼白になる(レイノー現象) 
  • 四肢末端が紫色になる、皮膚壊疽ができる 
  • 脱毛傾向がある 
  • 口が乾く
  •  涙が出にくい 
  • 血液検査で白血球、赤血球、血小板、血沈値に異常がある 
  • 血液検査で抗核抗体やリウマトイド因子が陽性である 
  • 高ガンマ-グロブリン血症、ZTT、TTTが上昇している
  • 血液検査で尿酸値が高い

病気の説明と治療方法

治療方法を全て開く
関節リウマチ(RA)
症状
朝のこわばり、関節痛、関節腫脹
治療方法
全身性エリテマトーデス(SLE)
症状
発熱、易疲労感、日光過敏症、関節痛、紅斑、レイノー現象、蛋白尿
治療方法
多発性筋炎・皮膚筋炎
症状
発熱、易疲労感、筋痛、筋力低下、紅斑、息切れ・呼吸困難(間質性肺炎)
治療方法
全身性強皮症(硬化症)
症状
レイノー現象、皮膚硬化、指尖潰瘍、関節痛、咳・息切れ(間質性肺炎、肺高血圧症)
治療方法
シェーグレン症候群
症状
目の乾き、口の乾き、唾液腺腫脹、乾性咳嗽、皮膚の乾燥、関節痛
治療方法
混合性結合組織病
症状
発熱、倦怠感、易疲労感、リンパ節腫脹、レイノー現象、指ないし手背の腫脹、皮膚硬化、関節痛、筋力低下、頭痛(無菌性髄膜炎)
治療方法
血管炎症候群
症状
発熱、体重減少、障害される血管の炎症に基づく疼痛・組織障害
治療方法
高安大動脈炎
症状
発熱、全身倦怠感、めまい、失神、上肢のしびれと冷感
治療方法
巨細胞性動脈炎
症状
発熱、全身倦怠感、体重減少、頭痛、顎跛行、視力低下、視野欠損
治療方法
結節性多発動脈炎
症状
発熱、倦怠感、体重減少、関節痛、筋痛、紫斑、皮膚潰瘍(図18)、知覚障害、間歇性跛行、高血圧、冠動脈炎、心筋梗塞、急性腹症
治療方法
顕微鏡的多発血管炎(MPA)
症状
発熱、体重減少、紫斑、関節痛、筋痛、四肢のしびれ、血尿、蛋白尿、咳・呼吸困難(間質性肺炎)
治療方法
多発血管炎性肉芽腫症
症状
発熱、化膿性・血性鼻汁、副鼻腔炎、鼻中隔穿孔、鞍鼻、結膜炎、上強膜炎、眼球突出、中耳炎、めまい、難聴、血痰、咳嗽、呼吸困難、血尿、蛋白尿、腎機能障害、高血圧
治療方法
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
症状
発熱、体重減少、鼻汁、咳嗽、呼吸困難、関節痛、筋痛、紫斑、神経痛、しびれ、血尿、蛋白尿
治療方法
脊椎関節炎
症状
腰背部痛(運動により改善し安静により増悪)、脊椎可動域制限、関節痛、アキレス腱痛(付着部炎)、指の腫脹(指炎)、乾癬、霧視・視力障害(ぶどう膜炎)、腹痛・下痢・血便(炎症性腸疾患)
治療方法
ベーチェット病
症状
再発性アフタ性口内炎(図28)、外陰部潰瘍、皮膚症状(毛嚢炎様皮疹、結節性紅斑など)、眼の症状(霧視、眼の充血、眼痛、羞明、視力低下)
治療方法
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