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埼玉医科大学病院/乳腺腫瘍科/乳癌とは

乳癌はどんな病気ですか?

 乳癌は欧米(特に米国・英国)で多い病気です。米国では女性の8〜9人に一人の割合で乳癌になるといわれています。年間20万人の米国女性が乳癌になっていますが、日本では約4万人といわれています。日本女性が乳癌になりやすくなった原因には、乳癌になる危険因子である女性ホルモン(特にエストロゲンと呼ばれるホルモン)が関係しています。女性ホルモンは女性らしさと健康を維持するために必要なホルモンですが、残念ながら乳腺では乳癌を作る方向に働きます(表1)。

表1
病態:女性乳癌のリスクファクター
要因
リスクファクター
年齢
40歳以上
婚姻状況
未婚
初産年齢
30歳以上
初潮年齢
11歳以下
閉経年齢
55歳以上
肥満
肥満指数1.2以上
食物・栄養
高脂肪・高栄養
アルコール
飲酒者
乳癌の家庭歴
あり
女性乳癌のハイリスクグループより一部改変[富永祐民ほか:乳癌の臨床 3(2)、P251、1988]

 乳癌は何故日本女性にとって重要な病気なのでしょうか? それは45〜55歳の働き盛りの女性の癌では、乳癌が最も多い癌の1つで、残念ながら死亡する患者さんも多くいます(イラスト1)。

イラスト1
日本女性が乳癌で死亡する割合の年次推移(年齢別)

 しかし、米国・英国では乳癌で亡くなる患者さんが最近減少傾向にあります。つまりちゃんとした診療を受けると乳癌になっても命を落とすことがない病気になりつつあります。現在、日本では40歳以上の女性には1〜2年に1度マンモグラフィーとよばれる乳房のレントゲンによる検診を勧めています。50歳以上では毎年検診を受けると乳癌で命を落とす危険率が低下しています。米国などでは10年前からこの検診が行なわれ始め、それが乳癌死亡率を低下させている原因のひとつと考えられています。是非、市長村単位で行なわれている検診を受けてください。乳癌は乳房の上方の外側(腕の側)にもっとも出来やすく、これは自己検診といって自分で探すことが出来ます。時々、ご自分でも検診してください。手のひら、あるいは指で押さえるようにして探します。検診などを受けるときに、先生にお尋ね下さい。

 乳癌は乳腺と呼ばれる、母乳を作る組織に発生します(イラスト2)。従って、乳癌が出来ると以下に示した症状が現れることがありますので、気になる点がありましたら乳腺腫瘍科をはじめとする乳癌専門医をお尋ね下さい。さて、たとえ乳癌になっても命を落とさないために、手術をはじめ、薬、放射線などの治療を組み合わせることも大切です。そして何よりも大切なことは、病気であっても元気で素晴らしい人生を送ることです。そのために、形成外科による乳房再建、婦人科の先生による婦人科的悩みの解消、あるいは骨そしょう症の専門家の先生、精神科の先生と協力して乳癌の患者様を出来るだけ多くの面でサポートさせていただく診療体制が必要と考えます。

イラスト2
乳癌が出来やすい場所

 

乳癌が出来るとこのような症状が現れることがあります

乳腺の病気には以下のようなものがあります。

乳房にシコリがある。
乳房の形が最近になって変化した。
乳房の皮膚の色が変わってきた。
乳房に強い痛みがある。
乳首から分泌液が出始めた。
乳首の皮膚の色が最近変わった。
乳首やその周りが痒くなった。

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