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インプラントに必要な骨量について
ICLSとは
嚥下障害について
舌痛症について
顎関節症の症型分類
歯牙欠損部位に対する補綴処置として、デンタルインプラントは大変有用なものですが、しばしば必要な骨量の不足という事態に直面します。代表的なものは、上顎臼歯部での上顎洞底までの垂直的な長径不足や前歯部の頬舌的な幅径不足があげられます。骨の状態については、口腔内の視診.触診とパノラマX線写真、あるいは計測用ノギスなどによってある程度は把握できますが、正確には大学病院に依頼するなどしてCTを撮影することが最も良い方法と思われます。(当科におきましても近日歯科用CTの導入予定です。現在は通常のCTにて対応。)
では、実際に必要な骨量はどのくらいの量なのでしょうか?いろいろな意見はありますが、個人的な見解としては、植立しようとしているインプラント体の長径、幅径ともにプラス2mmは最低必要と考えております。上顎臼歯部の長径のわずかな不足(3mm以内)に対しては、ソケットリフトで対応できますが、下顎管に近接してギリギリで植立するのは避けるべきだと思います。それは、インプラント体が直接下顎管に触れていなくても、埋入による圧力が下顎管を圧迫するからです。X-P上では接触していなくても、下顎管ギリギリに植立されたインプラントに症状が出現しない方がむしろ稀と思われます。また、頬舌的な幅径不足は早期の脱落に直結します。
絶対的な骨量不足に対しては、骨移植、骨延長、sinus liftが有用です。sinus liftとは挙上した上顎洞粘膜下に、腸骨あるいはオトガイから採取した海面骨を移植するものですが、手術後6ヶ月程度経過した時点でインプラント埋入可能な骨ができます。当科では、3泊4日の入院で、全身麻酔および入院諸費用込みで患者様ご負担額40万円ほどかかります(保険外診療)。
(文責 坂田)
先日、坂田先生とICLS(Immediate Cardiac Life Support)の1日コースを受けてきました。ICLSとは具体的には(突然の心停止に対するチーム蘇生)をテーマにした、精密な人体模型を使ったシュミレーショントレーニングです。あさ9時から夕方6時までの間、休むまもなく続く心肺蘇生のトレーニングはかなりハードですが、私たち外科を生業とするものでも新しい発見が多くとても参考になりました。
実際には、インストラクターも医師の他に看護師、救急救命士とさまざまで皆さんフレンドリーで本来専門家であるはずの私たちも教えられることが多かったです。とくに心肺蘇生の第一項目が(周囲の安全確認と感染予防)であることはとても考えさせられました。当日の項目は気管内挿管、換気、モニターの装着、波形診断、除細動、輸液、薬剤投与、鑑別診断と多岐に及びますが、一般市民の方でも受講できるBLS((Basic
Life Support)自動体外式除細動器を用いた致死的不整脈からの回復まで)は歯科医師はもちろん歯科衛生士、歯科助手など医療機関で働くのであれば受講すべきであると思いました。本院でも定期的にBLSのコースは開かれています。
ちなみに、現在の救急救命に関する以下の質問に○×でチャレンジしてみてください。
1) 心臓マッサージと人工呼吸の割合は5対1である。
2) 意識のない人を発見したら呼吸など循環のサインの有無をまず確認する。
3) チームでの蘇生の最中はリーダーが率先して除細動を行う。
4) 心拍が確認できれば除細動やCPR(心臓マッサージと人工呼吸)は必要ない。
5) 公共の施設の中ではAED(自動体外式除細動器)は有資格者のみが使用できる。
答えはすべて×です。
(文責 今井)
私たちはふだん何気なく食べたり飲んだりしています。生まれてから何の疑問も持たずに食べて生きているわけですが、もし「食べたくても舌やのどが思うように動かなくて食べられない、飲み込めない」ということになったらどうでしょうか。また、口から上手に食べているように見えても、実際は食べ物の一部が肺のほうへ流れ込んでいるかもしれないと考えたことはあるでしょうか?水や食べ物が飲み込めなくなったり、肺のほうへ行ってしまうようになることを「嚥下障害」といいます。嚥下障害になると栄養がとれなくて栄養失調を起こしたり、肺炎などの呼吸器の病気にかかってしまいます。食物などが肺のほうへ入ってしまうことを「誤嚥」と呼びます。 嚥下障害はその原因によって、次の2つに大きく分けられます。
1.腫瘍やその手術後、炎症などにより飲み込む時に使う舌やのどの構造そのものが障害されている場合(器質的原因)
2.構造物の形には問題がなくても、それを動かす神経・筋肉などに原因がある場合(機能的原因)
また、心理的な原因が関与している場合もあります。日常いちばん多く見られるのは脳卒中によるものです。
嚥下障害は飲み込むことだけが障害されたことを指す言葉です。しかし日常接する患者さんは、飲み込む前の食物の認識や、口への取り込み、咀嚼などが障害されていることもしばしばです。心理的な原因で食べられなくなることも既に述べたとおりです。それで、食べられないことを広い意味で「摂食障害」とか「摂食・嚥下障害」と呼ぶことがあります。
なお嚥下に使われる口唇、舌、咽頭などは、それぞれ呼吸や発音にも使われるため、嚥下障害のある人は呼吸障害や構音障害を伴っていることが多いことにも注意が必要です。
(文責 都丸)
舌痛の原因はさまざまです。舌は直接視診・触診が可能なためその診断が容易なこともありますが、舌に器質的変化を認めない場合は、いわゆる"舌痛症"といわれ、その診断・治療に苦慮することがあります。舌痛症の原因は不明ですが、舌尖部・舌縁・舌全体などに慢性的にぴりぴり感、灼熱感などを訴え、身体的・心理的要因が関係すると考えられています。
患者さんの多くは40-60歳代の女性です。痛みは自発痛で、会話やテレビ観戦中は痛みが軽減あるいは消失することが多く見受けられます。問診はきわめて重要で、きちんと他医で診断されたにもかかわらず、受診を繰り返す患者さんも多く、十分に患者さんの話を聞く必要があります。歯科治療を契機として舌痛を自覚する場合のほか、近親者が癌に罹患していたり、子供の進学・就職等の家庭内における心理的ストレス、病人や家人の介護疲れなど心理的な要因が背景に認められることも多く見受けられます。
治療は患者さんの訴えをよく聞き、 1.まず癌でないことをすべての患者さんによく説明をする。 2.歯や補綴物が舌の刺激の一因と推察されればその治療を行う。 3.舌痛がさまざまな原因で起こることを説明し、心理的要因が強い場合は、患者さんの精神的安定を得られるようにする。時に精神的傷害が強く、精神安定剤、抗うつ剤などの薬物療法が必要と考えられる場合には、心療内科や精神科などの専門医との対診も重要です。
舌に明らかな器質的異常を認めず"舌痛症"と診断した場合でも、口腔乾燥、薬物の使用、貧血、味覚異常などが原因となっていることがあります。これらについては十分な問診と検査が必要で治療法も異なってきます。また、舌痛の背後には神経痛や腫瘍が存在する症例もあり、しばらくは経過観察が必要です。
(文責 小林)
I 型 咀嚼筋障害
咬筋・側頭筋といった咀嚼筋に筋炎や筋拘縮がおき、筋痛や開口障害を呈するタイプです。治療は薬物療法やスタビリゼーションスプリント、大開口練習が主なものです。しかし他の症型に比べてまだ病態に不明な点が多く、外傷・心理的要因などが複雑に関与していることもあり、必要に応じて精神科医などに依頼することもあります。
II 型 関節包・靭帯障害
関節包とその外側の靭帯に外傷性の炎症がおこり、関節部に疼痛がみられるものです。疼痛による開口障害もあります。治療は薬物による消炎と鎮痛が主体となります。
III 型 復位性円板前方転位
関節円板が開閉口時に前にずれたり戻ったりすることによるクリックが主症状です。治療の基本は関節円板を正しい位置に維持する円板整位運動療法です。前方整位スプリントも効果的で、必要に応じて咬合再建をすることもあります。
非復位性円板前方転位(クローズド・ロック)
関節円板が転位したままになると、下顎頭の前方運動が障害され開口が制限されます。初期のケースでは徒手的に関節円板を戻す治療をします。しかし転位が長期に及ぶと関節円板は変形し、線維性癒着や骨変形を起こしてきます。この際には下顎頭可動化訓練や関節腔洗浄療法で対処します。
IV 型 変形性顎関節症
下顎頭に画像診断で変形が認められるタイプです。80〜90%は進行した非復位性円板前方転位を併発しております。そのため治療法は上記のように下顎頭可動化訓練や関節腔洗浄療法になります。
V 型 上記のいづれにも分類できないもの
(文責 依田)
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