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第26号 2004.4.1
   
 
 

鼻アレルギー(花粉症など)について
     耳鼻咽喉科 加瀬 康弘

   
 

長引く鼻風邪に注意

 

 鼻アレルギーは典型的にはくしゃみ、鼻水、鼻づまりを引き起こす病気です。人により鼻づまりだけが強かったり、くしゃみと鼻水だけの場合もあります。日本人の3人から4人に1人が罹患している国民病といえます。アレルギーを起こす原因物質は患者さんにより様々ですが、スギなどの花粉によるものは花粉の飛散する季節に発症しますが、ダニや埃によるものは一年中、症状があります。風邪も初期の段階では鼻アレルギーと似た症状ですが、くしゃみは数日でおさまり、鼻水もいつまでもサラサラではなく、徐々に粘っこく、膿のようになってきます。いつまでも治らない鼻風邪は鼻アレルギーの可能性があります。また鼻アレルギーに罹患すると、花粉などの原因物質がなくとも、気温変化、タバコの煙、一般の埃などによる鼻粘膜への物理的な刺激でも症状が起こるので、一年中発症する可能性があります。

   
 

耳鼻咽喉科の診療を

 

 鼻アレルギーは以上のように、ありふれた疾患で、症状もわかりやすいので、問診だけでも診断できる方もおります。更に薬物治療のみでも多くの場合は症状が軽快します。しかし、鼻アレルギーと紛らわしい他の疾患であったり、実際に癌などの他の鼻疾患を合併している場合も多く見られます。耳鼻咽喉科では問診だけではなく、全例に対して鼻の中を実際に見て、必要な方にはレントゲン検査、鼻汁や血液のアレルギー検査なども行いますので、重症度を含めた、より確かな診断ができます。症状がなかなか軽快しない「鼻アレルギー」と思っている方は是非、耳鼻咽喉科の診察を受けて下さい。

   
 

鼻アレルギーの治療

 

 治療法に一定の原則はありますが、画一的な治療ではなく、患者さんの状態に応じた治療法を選択することが重要ですので、診察時は担当医師にご希望をよくお伝え下さい。鼻アレルギーは将来にわたり付き合っていかなければならない病気ですので、目先の効果だけにとらわれることなく、ご自分に合った治療法を選択することがとても重要です。
 鼻アレルギーを根本から治すには減感作療法といって、アレルギーの原因物質を繰り返し、注射する治療法がありますが、最低でも2〜3年は通院を継続する必要があり、また治療に用いるエキスの種類が限られるなど、現在では鼻アレルギーの治療法としてあまり積極的には行われていません。従って、可能ならば原因となる物質を回避することが、一般的には最も望ましい治療となります。そのためにはまず、血液検査などで原因物質を見つけなくてはなりません。原因物質が特定されれば、患者さんも自身の鼻アレルギーに対して主体的に向き合えるし、原因物質からの完全な回避は無理にしろ、減量に努めることが可能となります。
 薬物療法は一番簡単にできて、ほとんどの方に効果が期待できるので、治療の中心になりますが、あくまでも対症療法、または発症予防であり、根本的な治療ではありません。従って不必要・不適切な服用はいたずらに副作用発症の可能性を増すこととなります。医師の指示に従い服用し、異常があれば早めにお伝えください。
 鼻アレルギーの症状で最も治りにくいのは「鼻づまり」です。薬物療法などで十分な改善がない場合、当科では手術による治療を行なっています。炭酸ガスレーザーを用いて鼻粘膜の下鼻甲介という部分の粘膜を蒸散します(図)。この下鼻甲介は鼻の中で最も大きな突起で、鼻アレルギーの鼻づまりに強く関係しています。レーザー治療は平均2〜3回行いますが、入院の必要はない上、短時間で痛みもほとんどないので、お子さんを含め、どなたにも施行出来ます。レーザー治療は高い有効率が証明されていますが、効果が不十分な方や、鼻の中が種々の理由により狭い方は入院の上、鼻の中の構造を広くする手術を行います。

 

レーザー焼灼術前

レーザー焼灼術後
 

 いずれにしても花粉症など、アレルギー性鼻炎に関してお困りの方は是非、お気軽に耳鼻咽喉科までご相談下さい。

問い合せ先:耳鼻咽喉科外来
TEL 049-276-1296
 
Saitama Medical University Hospital
38 Morohongo Moroyama-machi, Iruma-gun, Saitama, Japan.
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