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第44号 2010.3.25
  
 
 

C型肝炎
  〜新しい治療、新しい可能性〜
  薬剤部

  
 

●C型慢性肝炎とは

 

 C型慢性肝炎とは、肝炎を起こすウィルス(C型肝炎ウィルス)により6ヶ月以上にわたって肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる病気です。初期にはほとんど症状はありませんが、放置しておくと長い経過のうちに肝硬変や肝がんに進行しやすいことが知られています。現在わが国には100人に1〜2人の割合で、C型慢性肝炎の患者さん、あるいは本人も気付いていないC型肝炎ウィルスの持続感染者がいると推測され『21世紀の国民病』とまで言われています。

  
 
   
 
 
 

 

 

C型肝炎ウィルスの正体と感染経路

 

 ウィルスはナノレベルの大きさで、自分を複製するだけの遺伝子を蛋白質で覆っただけの少し奇異な微生物です。C型肝炎ウィルスは遺伝子型の違いにより主に、1a、1b、2a、2bなどのタイプに分類され、日本人に多いのは1b型で全体の約70%を占めています。1a、1b型はインターフェロンが効きにくいタイプとされています。C型肝炎ウィルスは血液を介して感染し、空気感染や経口感染はありません。現在、日本の感染者の多くはC型肝炎ウィルスが発見される前の輸血や血液製剤、あるいは注射針が使い捨てになる前の注射針の使い回しなどで感染したものと考えられています。

 

 

 
   
 
 

 

 

C型慢性肝炎の自然経過

 

 C型慢性肝炎は軽い肝炎のまま経過するケースもありますが、約7割は徐々に病気が進行し、治療しないと10〜30年でその3〜4割りが肝硬変、さらに肝がんに移行すると言われています。長期間の炎症で肝臓の細胞が壊れ、それをうめる形で線維成分が増加し、肝臓が硬くなってしまうのが肝硬変です。肝硬変になると肝がんを発生しやすく、その原因の約8割がC型肝炎ウィルス由来であることがわかっています。

  
 

C型慢性肝炎とその治療
〜ペグインターフェロン・リバビリン療法〜

  
 
 インターフェロンとは

 動物体内で病原体、特にウィルスや腫瘍細胞などの異物に反応して細胞が分泌する蛋白質です。この蛋白質はウィルスの増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをしています。C型肝炎治療に使用する場合は少なくとも週3回の注射が必要です。

  
 
 ペグインターフェロンとは

 インターフェロンにペグという物質(ポリエチレングリコールという無害な高分子物質)を結合させ、安定したインターフェロンの血中濃度を維持し、週1回の投与で優れた効果が得られるように作られた新しいインターフェロン製剤です。

  
 
 リバビリンとは

 抗ウィルス剤であり多数のウィルスに効果を示します。プロドラッグ(有効成分の前駆体)で体内に吸収され、細胞の代謝により有効成分となり、これがウィルスの遺伝子複製を妨害すると考えられています。

  
 

 ペグインターフェロンは週1回皮下に注射します。投与期間はウィルス遺伝子1型でウィルス量が多い患者さんの場合は通常48週間、それ以外の患者さんは24週間です。リバビリンはペグインターフェロンの注射開始と同時に服用を始め、ペグインターフェロン投与中は、毎日朝・夕食後に服用します。ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法により、従来のインターフェロン治療では効果の低かった患者さんにも高い治療効果が期待できると言われています。併用療法実施に際しては、治療前、治療中、および治療後の検査が必要です。治療前には治療法の適応を確かめるため、治療中には治療効果を確かめる一方、治療による悪影響がないかどうかをチェックし、治療後には効果の確認と再発の有無を確認します。主治医の指示に従って定期的な通院、検査を行ってください。

  
 

 

  
 

医療費助成制度
〜受給要件緩和と延長が可能に〜

 2008年4月から、C型肝炎の根治を目的とするインターフェロン治療を受ける全ての方に対して、医療費の公的な助成制度が新しく始まりました。ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法もこの助成の対象です。そして2009年4月には一部改定が行われ、さらに利用しやすくなりました。助成を得るには、根治を目指すインターフェロン治療が行えるか否かを判断していただく必要があります。助成の申請については受診先の専門医、または医療機関の相談窓口にまず御相談いただくのがいいでしょう。

  
  
 
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