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第49号 2012.2.1
  
 
 

検査一口メモ
診察前検査の見方B
  中央検査部

 

 

 
  
   


 立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続きます。当院の梅の花もなかなか見ごろとはまいりません。
 さて「診察前検査」についてのお話しですが、これは迅速な診断による効率的な治療の開始、疾患の重症化の回避、当日中の結果報告による受診回数の低減など、患者さんにメリットをもたらす診療体制です。
 皆さんが手渡された報告書の主だった検査項目についてご紹介して、今回3回目となります。今回は、生化学検査の中から腎機能にかかわる項目についてご説明します。腎臓病は徐々に進行した場合自覚症状に乏しいことが多く、検査によって発見されることがしばしばあります。心筋・脳梗塞などとも関係が深く、一度失われた機能は回復することが困難であり早期の発見・治療が大切です。これらの検査結果はその異常を知るのに役立ちます。しかし検査結果は、あくまでも診断の補助や経過観察の指標であり、臨床症状やその他の検査結果と合わせて総合的に判断を行います。

  
 

TP(総蛋白)

基準値:6.5〜8.0 g/dL

検査で分かる事

 血清中のタンパク質総量で全身の栄養状態や肝臓・腎臓機能の指標となります。低い場合は栄養不良や肝臓病、腎臓病が疑われます。

変化する要因

 食事による影響はありませんが、激しい運動後は上昇します。新生児は低値で成長に伴い増加し、高齢になると低下します。

ALB(アルブミン)

基準値:3.9〜4.9 g/dL

検査で分かる事

 肝臓で合成されるタンパク質でTPの約50〜70%を占め、栄養状態や肝臓機能、腎臓病の指標となります。肝臓障害が長く続くと減少します。腎臓病で尿中に漏出すると血液中では減少します。

変化する要因

 食事による影響はありません。

BUN(尿素窒素)

基準値:8〜20 mg/dL

検査で分かる事

 タンパク質代謝の最終産物で腎臓から排泄されるので腎臓機能の低下により血中濃度が上昇します。消化管出血や脱水などでも上昇します。

変化する要因

 成人では男性は女性より一般的に高めです。40歳以上では加齢と共に増加する傾向があります。また高タンパク食や強度の運動で上昇します。

Cr(クレアチニン)

基準値:男性0.43〜1.08 mg/dL 女性0.34〜0.79 mg/dL

検査で分かる事

 筋肉代謝の最終産物で腎臓から尿中へ排泄され、腎臓の排泄能力をチェックできます。腎臓機能障害の指標となり人工透析の適応や経過判定にも用いられます。

変化する要因

 幼児では低値で徐々に上昇し成人値に達します。筋肉量にほぼ比例するので一般的に男性は女性より高値を示します。食事や運動での変化はほとんどありません。

UA(尿酸)

基準値:男性4.0〜7.0 mg/dL 女性2.5〜6.0 mg/dL

検査で分かる事

 核酸の成分であるプリン体の最終産物で大部分は腎臓から尿中に排泄されます。尿酸が増加すると痛風や尿路結石の原因となります。

変化する要因

 一般的に男性は女性より高値を示します。女性では閉経以後に上昇し50歳くらいでは男性と同等値となります。食事、飲酒、運動などの影響を受けます。

Na (ナトリウム)
K  (カリウム)
CL (クロール)

基準値:Na 138〜147mEq/L, K 3.3〜4.8 mEq/L, CL98〜110mEq/L

検査で分かる事

 Naは体内の水の分布や浸透圧の調節を正常に保つ働きをします。
 Kは神経伝達、筋肉収縮に重要な役割を持ちます。
 CLはNaと共に水分や浸透圧調節する他に、体液の酸塩基平衡の維持を行います。

変化する要因

 Na、CLは浮腫時に低下し、脱水時には高値となります。Kは腎機能の低下時に高値となります。

Ca(カルシウム)

基準値:8.5〜10.5 mg/dL

検査で分かる事

 体内では約98%が骨組織にあり、残りの約2%が血液中に存在し、神経や筋肉の興奮性にも関与しています。内分泌疾患や骨代謝異常などで血中濃度は変動します。

変化する要因

 食事による影響はあまり受けません。ALBが減少していると、見かけ上低値となります。

IP(無機リン)

基準値:2.4〜4.4 mg/dL

検査で分かる事

 すべての細胞の代謝に欠かせない無機質です。Caと共に骨の代謝に重要な役割を持ちます。余剰血中IPは腎臓から排泄され、腎臓機能障害では高値を示します。

変化する要因

 成長期は高く思春期まで次第に低下して成人値となります。また食後に低値となり、一日の間では早朝は低く午後には高くなります。

  
  
 
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