埼玉医科大学雑誌 第46巻 第2号 (令和2年3月) 82-94頁◇論文(図表を含む全文)は，PDFファイルとなっています． PDF (1.02 MB)
相庭 克行1），村田 葵2），横山 ひろみ3），冨田 幸江3）＊ Intensive care unit nurses work motivation: What factors influence their professional commitment? Katsuyuki Aiba1）, Aoi Murata2）, Hiromi Yokoyama3）, Sachie Tomita3）＊ 1）Saitama Medical University Hospital International Medical Center Nursing Department 2）Saitama Medical University Hospital Nursing Department 3）Saitama Medical University Faculty of Health and Medicine 本研究は，集中治療病棟で働く看護師の仕事意欲とその関連要因を明らかにすることを目的とした．関東甲信越の集中治療室のある300床以上の病院49施設の看護師1218名に自記式質問紙調査を実施した．調査内容は，目的変数に仕事意欲測定尺度とした．説明変数には，個人要因，家庭環境要因，職場環境要因，看護師自身の自己のとらえ方に関する要因，仕事への受け止めに関する要因，仕事のストレスに関する要因の全90項目とした．データの分析方法は，記述統計，2変量解析（t検定，一元配置分散分析，Pearson積率相関係数），多変量解析（重回帰分析）を実施した（p＜0.05）．重回帰分析の結果，自由度調整済み決定係数は0.638であった．仕事意欲に関連した要因は，「仕事に関心をもって取り組んでいる」，「キャリアコミットメントが高い」，「現部署は配属希望である」，「組織コミットメントが高い」などであった． これらの結果は，看護師が看護の専門性に関心をもち，キャリアコミットメントを高めることが，仕事意欲の向上に有効である可能性を示唆する．またその場合，看護師自身のみならず，看護管理者が研修会を企画し，職場環境の調整を図っていくこともまた，看護師の仕事意欲を向上させるために重要となるであろう． J Saitama Medical University 2020; 46(2): 82-94
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