胞巣状軟部肉腫の細胞像

     
東京都教職員互助会三楽病院
検査科病理
〇岩淵祐子(CT)
 上野久美子(CT)
同 整形外科 佐野茂夫(MD)
東京医科歯科大学病理学教室 谷澤 徹(MD)
 菅野 純(MD)
 江石義信(MD)

【症例】43才,男性。1991年2月,右大腿部の腫瘤に気付き,摘出手術がなされた。3月,さらに広範切除が行われた。1994年12月,左臀部に腫瘍が認められ,切除。1996年1月,肺,脳,左骨頭に転移がみられた。3月,左下腿部,5月,右腹壁へ転移が認められ,現在に至る。

【捺印細胞像】細胞は散在性または集塊状に出現。大型のclusterは組織像を反映し,胞巣状形態がみられた。個々の細胞は大型で,類円形または多稜形を示し,顆粒状の豊富な胞体を有していた。核は単核あるいは多核で,円〜類円形,クロマチンは細顆粒状で,明瞭な核小体が認められた。細胞質はPAS,Alcianblue染色陽性を示し,その形態は顆粒状であった。

【組織像】腫瘤は灰白色,solidでlobulatedな割面を持つ。腫瘍細胞は血管を含む線維性結合によって小葉構造に分けられ,個々の細胞は,胞体は豊かで,PAS染色陽性顆粒を含む。

【考察】胞巣状軟部肉腫の細胞像について報告した。軟部腫瘍の穿刺細胞診は今まだ一般的ではない。しかし,本症例のように特徴的な形態が確認されるものについては,さらに有用性が期待されると思われる。