外来化学療法室

2011年10月13日更新

抗がん薬治療は、手術や放射線と並んで、がんの三大治療法の1つとなっています。近年、新たな抗がん薬の開発や有効な抗がん薬の組み合わせ、副作用を抑える支持療法の進歩により、患者さんは従来の社会生活を保ちながら外来で抗がん薬治療を受けることができるようになりました。

埼玉医科大学総合医療センターでも、より質の高い抗がん薬治療を提供することを目的に2006年10月、当院3階中央に外来化学療法室を開設しました(図1,2)。また、2007年1月にはがん診療連携拠点病院に指定され、標準的がん治療の提供や地域との医療連携を強化すべく取り組んでいます。外来化学療法室のスタッフは、医師、看護師、薬剤師がそれぞれの専門性を活かし、より安心、安全な医療を提供できるよう努力しています。さらに、2008年6月には、治療患者数の増加や患者さんからの強い希望により、病床数を15床に増床しました(図3)。

図1.外来化学療法室
図1.外来化学療法室

図2.外来化学療法室見取り図
図2.外来化学療法室見取り図

図3.外来化学療法室利用件数
図3.外来化学療法室の出来事と利用件数の推移

図4.入院・外来での化学療法施行割合
図4.入院・外来での化学療法施行割合

抗がん薬治療を行う患者さんは、年々増加しており、平成22年度は抗がん薬治療をする患者さんの入院と外来との治療割合は、4:6と外来での治療が多く行われていました(図4)。

現在、当室を利用する診療科は12診療科あり、143種類の抗がん薬治療法(レジメン :治療のお品書)が登録されています(表1)。いずれも、複数診療科の専門医により、治療の妥当性を評価検討を行った後に登録された標準的治療法です。

表1.外来化学療法室利用診療科と治療レジメン数
消化管外科・一般外科 29 肝胆膵外科・小児外科 4
産婦人科 22 消化器・肝臓内科 7
乳腺・内分泌外科 20 リウマチ・膠原病内科 6
呼吸器外科 15 皮膚科 2
呼吸器内科 17 泌尿器科 9
血液内科 11 放射線科 1
合計143レジメン(2011年8月現在)

これらのレジメンにあわせて、患者さん向けのパンフレットを準備しています(図5)。このパンフレットには、治療のスケジュール、使われる薬の順番と点滴時間、主な副作用の種類と発現時期、自宅での注意事項と生活のアドバイス、緊急時の連絡先などが記載されています。患者さんが治療内容を理解し、安全な通院治療を続けていくことに大変役立っています。

図5.患者さん向け説明用パンフレットの一例

 

また、がんによる痛みなどの身体症状や気持ちのつらさ、治療に伴う心配ごと、ご自宅での生活や介護の不安などに対応すべく、2008年8月外来化学療法室に「がんの治療と痛みの相談室」という相談窓口を開設いたしました(写真1)。ここでは、患者さんやそのご家族からの相談に対して院内緩和ケアチームと連携を図り、取り組んでおります。

外来化学療法室、がんの治療と痛みの相談室
写真1.外来化学療法室、がんの治療と痛みの相談室

スタッフ一同、安全で質の高い医療を患者さんに提供できるよう取り組んでおります。ご不明な点に関しましては、主治医や外来化学療法室スタッフにお声掛けください。