医学教育センターに求められること

埼玉医科大学医学教育センターは、新しい時代に相応しい機能を持った組織として、多くの期待を背負って平成15年8月1日に発足しました。

医学教育センターは、入学試験から、卒前教育、大学院教育、そして卒後研修を含めた生涯教育と、本学の教育を総合的に統括し、効率的に教育をおこなうことを目的とし、そのための研究、企画、運営をおこなう組織であります。

目的を達成するために、教育に関わる広範な役割を8部門に分け、各部門がそれぞれ抱える問題を明確にし、その解決と改善をめざします。その中には、教育に関わる情報を収集・分析し、現場にフィードバックする役割を果たす「教育情報部門」や教える側の教育に対する意識を高め、よりよい教育システムの構築に向けての「Faculty Development部門」も含まれています。

ところで、教育に対する考え方は急速に、大きく変化しています。これまで、教育とは「教えることである」と考えられていましたが、ひとりの教師が、多くの学生を相手に知識を伝授する、いわゆる「座学」型の教育はすでに、時代の傍流となっています。それにかわって、「自ら学習すること」が重要視され、そのための教育技法が工夫されています。ことに医学教育においては少人数教育が主流とされ、自ら体験し主体的に考え、行動することが求められています。このような変化に適切に対応する体制を整備することも医学教育センターに課せられた役割であります。

いずれにしても、教育は時間のかかる仕事です。あたかも水が砂に吸い込まれるように、その成果は漠としてとらえどころがないように見えます。しかし、じっくりと時間をかけて熟成するお酒のように、良い教育環境と適切な育成によって、必ずそれに見合った成果があがるものでもあります。

医学教育センターにはいろいろの役割が求められていますが、本学の教育目標である「すぐれた臨床医」の育成をめざし、医学教育センターを中核として本学の総力が結集されれば、必ずや、社会の附託に答え得る「すぐれた臨床医」が本学から生まれるものと信じております。