研 究 活 動
                       
                       研究方針および研究内容

大学教員にとって,研究を通じて学んだことと教育活動を通じて学生と共に学んだことが原資となり,教育の質を保証する.研究活動に立脚した体験と思索が,講義や実習の場で現れる教員の生命観を醸成する重要な要素と考えている.

 当解剖学では, 教員それぞれの持てる知識や技術を生かして自由な視点と発想により研究を行っている.現在行われている主要な研究課題は,1)肉眼解剖学,2)臨床解剖学,3)血管の器官形成,4)大脳皮質ニューロンの軸索伸長, 4)発生過程における形態形成, 5)骨格筋形成に関する研究などである.さらに, 学内外との共同研究も活発に行っている.


 
米国での研究成果は、
Journal of Neurobiologyに公表されました。この研究は、membrane stripe assayと呼ばれる手法を用いたin vitroの実験です。ハムスター新生児の大脳皮質を組織片として、生後3日と3週の脊髄から抽出した膜分画を交互に縞状に分布させた基質の上で培養すると、大脳皮質から伸び出た軸索は、成熟脊髄の領域を避けて、もっぱら幼若脊髄の膜分画上を伸展しました。(永島)
 
  タイムラプスビデオ顕微鏡で、脳皮質の軸索成長円錐の動きをモニターすると、成熟脊髄の膜分画に接触したとたんに、成長円錐は伸展を停止し、退縮する、という行動変化を何度も繰り返しました。(永島)
 
 (永島)
 
  (永島)


三次元培養法を用いたin vitro 血管新生モデル.マウス大動脈片をコラーゲンゲル内で包埋培養すると毛細血管様チューブが形成される.

コラーゲンゲル内に埋め込まれた大動脈片(E) から新生した毛細血管様チューブの位相差顕微鏡写真()と蛍光顕微鏡写真()毛細血管様チューブは内皮細胞を特異的に染めるトマトレクチンで染色された()

新生した毛細血管様チューブの走査電子顕微鏡写真.
(藤田(恵))




「筋細胞融合部位の可視化」
Kurisaki et al., J. Mus. Res. Cell Motil. (2011) 32: 31-38.
写真中央で二つの筋細胞(細胞質が融合を開始している.
Yaksa抗体は融合開始直前の筋細胞と特異的に結合し,その融合部位を標識する.


A novel monoclonal antibody, Yaksa marks prefusion myocytes before

myotube formation. Yaksa antigen localized at sites of prefusion

myocyte - myotube contact. Primary myoblasts expressing GFP(green)

were stained with Yaksa (Red) and Hoechst 33342 (Blue).
(栗崎)



アカハライモリ
2細胞期胚の結紮により発生した、完全な外部形態を有する左右の半胚

左半胚では正常な右巻きの心臓ループが形成されたが、右半胚では逆位の左巻き心臓ループが形成された。2細胞期の左右の割球は、将来の心臓ループ化の向きに関して異なるデフォルト情報を有する。
(この研究はInternational Journal of Developmental Biology誌の表紙を飾りました。)
(高野)  

 

アカハライモリ原腸胚から単離された予定外胚葉細胞が行う、自律的な細胞運動(ブレッブ形成とその周転運動)と細胞内Ca2+濃度の上昇

形態形成が始まる原腸胚期になると、細胞内Ca2+動員機構が発達して胚細胞は活発に運動するようになる。
(この研究はDevelopment Growth and Differentiation誌の表紙を飾りました。)
(高野)



ネトリン
-1は大脳皮質ニューロン軸索の分枝新生を引き起こす軸索ガイダンス因子として知られ、DCCはその受容体の一つである。ネトリン-1刺激に応じて軸索の表面に形成されたDCCのクラスターを、図 (中央) に示す (: コントロール)このDCCクラスター形成は、エキソサイトーシスの阻害により妨げられる ()。
(松本永島、Neurosci. Res., 2010; 67: 99-107 参照)



グルコーストランスポーター
GLUT4は脂肪細胞の表面で、グルコースを細胞内に取り込む働きをもつ。インシュリンによるグルコース取り込みの促進は、細胞内小胞に保管されていたGLUT4が、細胞膜へと移行することによって起こることが知られている。

 図はGLUT4小胞が一分間に示した運動の軌跡を表す。微小管に沿って盛んに動き回っていたGLUT4小胞 () は、インシュリン刺激に応じ繋留されて運動を止め ()やがて細胞膜に融合する。
(松本、J. Cell Biol., 2005; 169: 481-489 参照)


主な発表論文リスト

                   
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