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臨床工学技士は医療機器のプロフェショナルです。

業務紹介report

はじめに

埼玉医科大学総合医療センターは1053床の総合病院になります。臨床工学部ではスタッフが互いに業務を助け合える協力体制と業務効率化を図るため、複数の業務を習得するための 業務ローテーションを積極的に行っています。
また、臨床工学技士の専門性を活かした業務を円滑に実施するための[臨床工学技士基本業務指針 2010]を基本に業務を行っています。
以下の領域に対し、臨床工学技士は医師の指示のもと医療機器の操作・管理を行い、当直勤務およびオンコール体制で対応しております。
*就職後3年間は、医療機器管理、血液浄化、手術室、高度救命救急センター、総合周産期母子医療センターの5か所(血液浄化は2コマ)を半年毎にローテーションして全ての業務を習得します。また、入職後2年間、プリセプター制度を実施し、入職者が職場になじみ、業務習得が順調にいくように先輩スタッフがフォローしていきます。(2017年5月現在)

医療機器管理業務(中央管理)

活動報告写真

院内共通の医療機器を効率よく運用するため、医療機器の中央管理を行っています。また、人工呼吸器の病棟巡回点検を行い、安心して医療機器を使用して頂くよう支援しています。2012年度より医療機器の管理システムを導入し、理想的な機器管理業務が可能となりました。病棟安全巡回にはiPadを用い、効率よく適正な業務が実施できることを目指しています。主な取扱い機器は生命維持管理装置である人工呼吸器150台やシリンジ・輸液ポンプ700台等で、これらの機器は安全に医療機器を使用して頂くため、日常点検および定期点検を実施しています。

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また、春と秋には全職員対象の定期講習会を行っています。加えて、病棟・診療科ごとの医療機器講習会、新規導入医療機器の講習会なども実施し、入職者や医療スタッフにおける医療機器教育の中心を担っています。平成28年度の院内講習会は158回、のべ1579名の医療スタッフに参加して頂きました。また、医療機器管理について、医療安全の観点から機種の統一を目指しています。輸液ポンプ、人工呼吸器などは機器管理システムを利用し、病棟の電子カルテ端末から予約できる体制を整えており、いつでもすぐに使用できる環境を整えています。医療機器トラブル時にも迅速に対応するなど病院全体をサポートしています。

人工透析業務

活動報告写真 主に新規透析の導入、シャントトラブル、ボタンホール導入に加えて、透析患者さんの手術入院時に透析を実施します。
ベッド数は11床で、医師、看護師、臨床工学技士が連携して患者さんの治療にあたっています。また、透析(HD)に加えて、血液濾過(HF)、血液濾過透析(HDF) 、血漿交換(PE)や免疫吸着療法(IAPP)、二重膜濾過療法(DFPP) 、顆粒球除去療法(GCAP)などの各種アフェレシスを行っています。

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その他の業務として、透析装置メンテナンスやダイアライザ・透析液管理を行っています。また、この施設の特徴として、バスキュラアクセス外来が併設されており、臨床工学技士はシャントエコーを担当しております。また、2007年より県内外の患者さんに対し、在宅血液透析(HHD)を行っており、在宅で透析される患者さんは年々増加しております。臨床工学技士は医師・看護師と連携し、導入指導や透析装置の安全管理に積極的に携わっております。2016年度の総治療件数は6912件で、この中にはGCAP271件、IAPP131件、PE107件等が含まれます。透析療法従事者研修の受け入れや地域リーダーとして災害対策訓練も積極的に行っています。

急性血液浄化業務

活動報告写真急性腎不全や、術後など全身状態が不安定な患者さん、人工呼吸器が装着されている患者さんは透析室で治療ができません。そのため、集中治療室(ICU)や高度救命救急センター、病棟で持続的血液透析濾過療法(CRRT)を行います。その際は主に医師と臨床工学技士が治療にあたります。治療中は、病棟看護師にも患者さん等の状態を観察してもらうことになるため、勉強会を行っています。その他、血漿交換療法(PE)やエンドトキシン吸着療法(PMX)も随時行っています。夜間などの緊急時にも対応できるように、当院ではコール体制をとっています。

活動報告写真臨床工学技士の技術、知識の習得については専門知識に基づく安全な技術提供を行うため、透析技術認定士取得や学会活動やセミナー、さらにメーカー主催のメンテナンス講習会等に積極的に参加しております。透析医療はチーム医療であり、今後も医師およびスタッフ間の緊密な連携を図り、円滑で安全な業務を提供していきます。

人工心肺業務・補助循環業務

総合医療センターには6人の心臓外科担当技士(内、体外循環技術認定士4人)がおり、体外循環と補助循環を行っています。年間約100件の心臓外科手術に対し、人工心肺装置・自己血回収装置の操作を行っています。心臓外科担当技士は、週2回の手術日以外は他のME業務と兼務していて、常時2名の技士が24時間オンコール体制で緊急手術に対応しています。活動報告写真

また、学会・勉強会等にも積極的に参加し日々革新する技術の獲得に努め、安全で身体にやさしい体外循環を目指しています。心臓の ポンプ機能が低下している患者をサポートするための補助循環装置としてはIABP(大動脈内バルーンポンピング)とPCPS(経皮的心肺補助)を行っております。2016年度の実績としてはPCPS:16件、IABP:19件に対応しました。

高度救命救急センター業務

活動報告写真 高度救命救急センターは高度外傷など第三次救命救急患者に対し高度な医療を提供する使命を持っています。患者様の疾患は多岐にわたり、虚血性心疾患・脳卒中・交通外傷など様々な方が搬送されてきます。医療機器は人工呼吸器、補助循環装置、持続血液浄化装置などの生命維持管理装置をはじめ心電図モニタ、輸液・シリンジポンプ、患者加温装置など多種多様な医療機器が使用されています。2016年3月救命救急センターが移設増設され、ICU40床、PICU8床、HCU32床、手術室5室となりました。また、初療室はCTや多軸血管撮影装置ジーゴ(Artis Zeego)を備えたハイブリッド初療室となりました。

2004年7月より専任の臨床工学技士2名が配属され、現在は8名体制で業務を行っています。臨床工学技士は生命維持管理装置の医療機器の保守・点検・管理および、医師・看護師などと連携し、機器のセッティング・操作、急患の対応などを行います。PCPS・IABPなどの補助循環装置、CRRTなどもベッドサイドにて施行しています。また、2016年3月1日 県内初の小児救命救急センターが指定され、臨床工学技士の活躍の場が広がりました。今後もよりよい医療を提供していくため、医療チームの一員として救急医療をサポートしていきます。


総合周産期母子医療センター業務

活動報告写真総合周産期母子医療センターは、県下唯一の母子周産期センターとして2000年4月に設立されました。周産期センターは、未熟児新生児集中治療室(NICU45床)と母子胎児集中治療室(MFICU30床)という、各科の集中治療室とそれに伴う設備を有する施設で周辺地域の中心的役割を担っております。当院では、臨床工学技士を配置し、人工呼吸器や保育器、分娩監視装置や麻酔器など、様々な医療機器の保守・管理から運用を担い、また、NO吸入療法や脳低体温療法、在宅移行支援など幅広い分野での診療補助や、スタッフ教育に協働で取り組んでいます。

現在、臨床工学技士6名体制で、低周期出産に伴う超低体重児に必要な新生児人工呼吸器の対応に力を注いでいます。また、日曜を除く毎日、病棟内の人工呼吸器、保育器など全ての医療機器について巡回し、安全確認をしています。そのほか、関係する医療機器の修理やトラブル対応など幅広い業務を行っています。
2013年度より病床数が倍増され、医療機器増設や管理システムの構築を行いました。平成28年度はNO療法38件、低体温療法4件、排痰理学療法IPV(パーカッション)304件に対応しました。

手術室業務

近年、医療の高度化、専門分化が図られ、チーム医療の推進はより質の高い効率的な医療を行なう上で必要不可欠となってきました。このため、手術室においても臨床工学技士が1996年から配置され、現在3名が配置されています。
主な業務内容は麻酔器、電気メス、内視鏡装置、自己血回収装置などの準備、操作、保守点検です。
手術室では専門的で高度な医療機器が多数ありますが、特に内視鏡を使用した手術について、平成28年度1669件に対応しました。内視鏡手術は年々増加傾向にあります。
このため、医療機器に関する手術の安全性確保と円滑な進行は必須となっています。
担当技士は手術室スタッフに対する勉強会を月2-3回実施しています。活動報告写真

また、医療機器の操作マニュアル作成などに加えて、術中の医療機器不具合の早期対応ができる体制を整えています。また、内視鏡をはじめ、手術室内の医療機器は高額です。臨床工学技士は、高額な医療機器の無駄のない効率的な運用を行う必要があります。医師、看護師など関係者と連携し手術室業務を進めております。

ペースメーカ関連業務

心臓の不整脈に対してペースメーカや植込み型除細動器(ICD)等の植込みが行われます。植込み手術の際には専用のプログラマーという機器を用いて動作のチェックをしたり、設定の変更を行います。また、植込み後も入院中は異常がないか毎日動作のチェックを行います。退院後のチェックの為、ペースメーカ外来も週1〜2回行っています。

活動報告写真

また、ペースメーカやICD等が植込まれている患者さんが手術を受ける際にはMEが立ち会い、手術中の安全を確認します。ペースメーカチームとして業務を積極的に活動を開始したのは2011年であり、現在、業務の確立を図ると共に、担当する4名のスタッフは、日々研鑽の毎日を送っています。2016年度においては、デバイスの植込み・交換は83件、外来立ち会い743件に対応しました。また、着用型除細動器や遠隔モニタリングにも積極的に関わっています。

心臓カテーテル検査関連業務

臨床工学技士の業務は狭心症や急性心筋梗塞や先天性疾患患者における、医師の補助業務になります。その際に使用されるポリグラフを操作し、生体情報のモニタリングや記録を行います。また、冠動脈の血管内エコー、徐脈時には心拍数を維持するための体外式ペースメーカの準備、患者様の病態によっては緊急的に心臓の補助を行うIABP(大動脈バルーンパンピング)操作、心肺停止に陥った患者様に対してはPCPSの準備を行います。


活動報告写真2016年度の心臓カテーテル検査・治療件数(ローターブレーター件数含む)は681件施行されました。また、小児に対するカテーテル検査は11件行われました。心臓カテーテル検査は臨床工学技士業務の中でも夜間休日を問わず緊急で対応する回数が多い業務です。24時間、臨床工学技士が臨床現場を強力にサポートするために、トレーニングを受けたスタッフ15名が交替で対応しています。また、現在、1名のトレーニングを実施しております。




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