埼玉医科大学総合医療センター

薬剤部

麻薬管理室

 現在,日本人の死因の第1位はがんであり,がんに伴う疼痛により患者さんの日常生活が著しく阻害され,Quality of Life(生活の質:QOL)の低下が大きな問題となっています。疼痛緩和医療では,麻薬による薬物療法が重要な位置を占めています。

1)わが国の麻薬施用量

 1989年にわが国ではモルヒネ硫酸塩水和物徐放錠(MSコンチン®錠)が発売され,モルヒネ製剤を中心とした麻薬の施用量は年々増加傾向にあります。しかし,アメリカ,カナダ,ドイツ,イギリスなどの先進諸国と比較すると麻薬施用量は最下位であり,わが国における疼痛緩和医療の普及は十分とはいえません。

2)当院採用の麻薬の種類

 当院では,注射薬8品目および内服・外用薬27品目の合計35品目の麻薬が採用されており(平成27年7月現在),「麻薬及び向精神薬取締法」に基づいた麻薬の管理をしています。癌性疼痛の緩和に使用される医薬品としてはモルヒネと並んで3大強オピオイドと称されるオキシコドンおよびフェンタニルがあり,当院ではそれぞれオキシコンチン®錠,オキノーム®散,オキファスト®注,デュロテップ®MTパッチ,フェントス®テープおよびフェンタニル®注射液が採用されています。

3)疼痛緩和医療について

 現状ではモルヒネ製剤を中心とした疼痛緩和が行われています。モルヒネ製剤には内服薬の他にも坐薬や注射薬なども存在し,患者さんの状態に合わせた薬剤を選択することが可能です。また副作用回避の目的や患者さんにとって疼痛が軽減でき,QOLの向上を図れるように,モルヒネ以外の麻薬に変更することによる疼痛緩和医療の推進も重要であると考えられています。