埼玉医科大学総合医療センター薬剤部

チーム医療

栄養サポートチーム

■活動概要の紹介

栄養サポートチーム(NST)とは、栄養状態が不良な患者さんに対し、QOL向上、原疾患の治癒促進及び合併症予防を目的として栄養管理に係る専門知識を有した他職種からなるチームです。当薬剤部ではNST専任メンバーとして4名活動しており、薬物療法の観点から栄養療法に貢献しております。

■活動の詳細

NSTにおける薬剤師の役割
患者さんに適した経腸栄養剤、経静脈栄養の選択、投与法の提案をはじめ、栄養剤と医薬品の相互作用の確認及び栄養剤の衛生管理指導等々、多岐に渡り薬剤師の専門性が必要とされております。


回診・カンファレンス
毎週月曜日・火曜日、隔週水曜日の午後に回診とカンファレンスを行い、1ヶ月あたり約70件程度(2014年度)活動しております。カンファレンスでは患者さんのご希望も踏まえながら、最適な栄養療法の立案を行い、医薬品に関する提案はNST専任薬剤師と各病棟担当薬剤師が連携し、迅速に患者さんへフィードバック出来るよう努めております。


コアメンバー会議
NSTの運営、懸案事項に関する会議に参画しています。


研修会、NST専門療法士実地修練
院内にて栄養療法に関する啓蒙活動の一環として研修会を開催しており、講師として参加しています。また、当院は日本静脈経腸栄養学会NST専門療法士認定教育施設ですので、NST専任薬剤師にとって実地修練生に対する講義も責務の1つとなります。


緩和ケアチーム薬剤師

■活動の概要

緩和ケアチームとは「がんなどの病気を持つ患者・家族のQOL の維持向上を目的に、主治医などと協働しながら早期から専門的な知識や技能を提供し、地域連携や医療従事者などへの教育、緩和ケアの普及などを行う多職種から構成されるチーム」と定義されています。チーム内の薬剤師の役割は、医療用麻薬を中心とした薬剤の適正使用の推進と正しい知識の普及啓発活動です。

■活動の詳細

緩和ケアチームは、医師、看護師、薬剤師、メディカルソーシャルワーカー、臨床心理士、栄養士など多くのメンバーで構成されています。メンバーは、毎週火曜日にカンファレンスを行い、それぞれ専門的な立場から患者さんやご家族に関する意見を持ち寄り、身体的・精神的苦痛をやわらげるための治療を模索し、最良の医療をご提供しています。

現在、3名の薬剤師が緩和ケアチームに在籍しております。全員が日本緩和医療薬学会に認定された緩和薬物療法認定薬剤師の資格を有しております。我々の活動は、患者さんの身体的・精神的苦痛を取り除くために、個々の患者さんへの細やかなアセスメント、その症状に適した薬剤の選択や投与量の設定、服用後の効果や副作用の評価などを行い、最適な薬物療法をご提供できるよう支援しております。また、オピオイド鎮痛薬と呼ばれる医療用の麻薬を使用する機会が多いため、患者さんやご家族が抱く医療用の麻薬に対する「中毒になる」「命を縮める」「継続すると効かなくなる」などの誤解や不安を取り除き、安心かつ安全で、有効な薬物療法をご提供できるように努めています。


感染制御チーム

■活動概要の紹介

感染症とは、微生物が人や動物に侵入して、さまざまな症状を起こすことです。感染制御チームは、感染症から、患者さんはもちろん、医療従事者、病院等を守るため、感染制御室を中心に院内全体で活動を行っており、薬剤師もその一員として活動しています。

■活動の詳細

院内感染管理の組織には資格をもつ薬剤師も所属し、感染制御室の専任薬剤師として一人、院内感染対策チーム(ICT)として一人、薬剤部の感染対策担当として二人の薬剤師がいます。医師、看護師、検査技師等とともに、院内感染管理における現状の問題点や必要な対策について、検討会議やカンファレンスを行い、定期的な院内巡回と現場での直接的指導を行っています。医師、看護師、検査技師等とともに、院内感染管理における現状の問題点や必要な対策について、検討会議やカンファレンスを行い、定期的な院内巡回と現場での直接的指導を行っています。

また、院内の抗菌薬使用状況を把握し、感染症科医師や病棟薬剤師とカンファレンスや巡回を行い、抗菌薬適正使用を推進しています。地域の連携病院とのカンファレンスや、感染対策の徹底や抗菌薬適正使用推進のため、院内勉強会も行っています。当院薬剤部では、担当者との情報共有や教育活動を通し、薬剤部全体で感染管理対策に取り組んでいます。


糖尿病関連

■活動の概要

薬剤師・看護師・栄養士・臨床検査技師・理学療法士の糖尿病療養指導士*(CDEJ)が中心となり医師とともに糖尿病患者への療養指導(糖尿病教室・代謝メディカルチーム(MMT)回診)を行っています。

■活動の詳細

糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われるもの)の割合は厚生労働省の「2016年国民健康・栄養調査」の結果によると男性16.3%、女性9.3%と多く、糖尿病全体の知識と教養を持つ人材が必要とされています。当センターにおいても、1996年より薬剤師・看護師・栄養士・臨床検査技師・理学療法士の糖尿病療養指導士※(CDEJ)が中心となり医師とともに糖尿病患者への療養指導(糖尿病教室・代謝メディカルチーム(MMT)回診)を行っています。

*CDEJ:日本糖尿病療養指導士認定機構により認定された糖尿病療養指導に携わるコメディカル

*糖尿病教室*

糖尿病教室
場所:当院会議室 参加者:院内外を問わずどなたでも参加可能 参加費:無料
毎週火曜日 午前10:00~12:30(月4回)
 第1週 糖尿病の基礎知識(医師)
 第2週 食事療法(栄養士)
 第3週 運動療法&日常生活の注意(理学療法士・看護師)
 第4週 薬物療法&検査について(薬剤師・臨床検査技師)
※日程の詳細(内分泌糖尿病内科ホームページ)

*代謝メディカルチーム*

代謝メディカルチーム(MMT)回診
開催日時 毎週 月・水・金曜日 15時~16時30分
 内容 当院の各診療科に入院している糖尿病患者において周術期、周産期、ステロイド治療、化学療法などで血糖コントロールに課題がある症例を対象に、医師、糖尿病看護認定看護師、特定看護師、糖尿病療養指導士(薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師)、糖尿病リンクナースが診療科横断的に糖尿病ケアの介入を行っています。

妊娠・出産・授乳に関する支援

■活動の概要

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師3名を中心に"薬剤師"による「妊娠と薬相談外来」、「授乳と薬相談外来」を実施し、薬物治療を必要としている方の妊娠・出産・授乳に関する支援を行なっています。

*妊娠と薬相談外来*

ご相談いただける内容
○持病をお持ちの方が妊娠した場合、使用中の薬について赤ちゃんにどんな影響があるか知りたい。(妊娠前の相談も可能です)
〇妊娠に気づかず使用してしまった薬について、赤ちゃんへの影響が知りたい。


相談時間及び費用
外来日 月曜日~金曜日(祝日は除く) ※完全予約制
時間 9:00~16:30(要予約)
費用 6,600円(自費診療、消費税込)
場所 産婦人科外来(2階)

*授乳と薬相談外来*

ご相談いただける内容
○持病をお持ちの方で、使用中のお薬について授乳した場合、赤ちゃんにどんな影響があるか知りたい。


相談時間及び費用
外来日 月曜日~金曜日(祝日は除く) ※完全予約制
時間 9:00~16:30(要予約)
費用 2,200円(自費診療、消費税込)
場所 産科外来(2階)

総合周産期母子医療センターの産科外来での妊婦健診(妊婦健康診査)時に「授乳と薬に関するアンケート」を行い、薬を使用している妊婦さんが出産後に授乳育児ができるよう、出産前から薬剤師が支援を行っています。

高度救命救急センターでの薬剤師活動

■活動の概要

高度救命救急センターは、広範囲熱傷、四肢切断、急性中毒などの特殊疾患患者に対応できる設備、スタッフを有している機関です。我々薬剤師も救命センターの医療スタッフの一員として、日々業務にあたっています。

■活動の詳細

病棟カンファレンスの参加
治療方針の検討や患者さん情報の共有を行います。薬剤師への質問も多々あります。


医薬品の管理
特に重症患者さんの場合、投与量の相談はよくあります。やりがいのある仕事ですが、一つ一つの発言にも、責任を感じながら仕事をしています。


医薬品に関する情報提供
治療方針の検討や患者さん情報の共有を行います。薬剤師への質問も多々あります。


医薬品および中毒に関する情報提供
中毒症例に対してはTDM室との協力にて中毒起因物質の同定や血中濃度測定などを行い、医師の治療方針決定に貢献しています。持参薬の確認も中毒症例では重要な業務です。


災害時初期行動の構築
当院は災害拠点病院であるため、災害時に対応できる体制を整備しておく必要があります。そのため、薬剤部においても災害時に適切な初期行動ができるよう、定期的に災害訓練を実施しています。

ここに紹介した業務以外にも様々な業務を行っています。薬剤師として最良の薬物療法を提供できるよう、日々努力しています。

医療安全に関わる活動

■活動目標

患者中心の質の高い医療を提供するためには、患者の安全を何よりも優先し、安全意識の向上に努めることが必要です。当院では医療安全対策室を活動の中心に、「医療従事者一人ひとりが、患者の安全を脅かすリスクの所在を知り、リスクを推定し、評価し、対策の優先度を決定し、実施できる体制を構築し、機能させていくこと」を目標に取り組んでいます。
また、当院では医療安全管理者に薬剤師が任命されているなど、薬剤部が医療安全に幅広く関与しており、病院全体の安全の向上に寄与しています。

■活動の詳細

総合医療センターでは、医療安全確保を目的として医療安全管理委員会が設置され、その実務遂行のため、以下の下部組織が運営されています。

  1. 医療安全対策室 安全管理委員会において決定した方針に基づいて、組織横断的に各部の医療安全の確保を行う。
  2. 医療クオリティ評価会議 医療安全報告書等の分析、再発防止策等を検討する。
  3. 医療安全対策実務者会議 各部署のセイフティマネージャーで構成され、医療安全対策を実効あるものとするために活動を行い、必要に応じて専門部会(ワーキンググループ)が設置される。
  4. セイフティマネージャー部会
  5. 診療基本マニュアル編集委員会 総合医療センター内各種委員会(院内感染防止対策委員会、感染制御室、診療録等開示審査委員会、救急委員会、研修委員会、保険診療指導室会議等)と連携して医療安全対策活動を実施している。

褥瘡対策チームに関わる薬剤師の活動

■活動の概要

褥瘡予防・早期発見・最適治療による褥瘡治癒促進・重症化並びに再発防止を統括するWOC(褥瘡・創傷治癒支援)管理室に所属する褥瘡対策チームへ、当薬剤部からも薬剤師が参加し、回診やカンファレンスを他職種とともに行っています。

■活動の詳細

  1. 毎週1回の褥瘡対策が必要な患者さんへの回診、カンファレンスへの参加
  2. 毎月1回の褥瘡対策チーム会議への参加
    褥瘡発生予防・重症化対策のための指針並びにマニュアルの整備、褥瘡予防・管理についての知識・技術の向上を目的として定期的な職員研修、啓発活動など、褥瘡発生とケア介入について、褥瘡回診の事例発表(DESIGN-R、TIMEコンセプト、褥瘡発生要因、ずれ・まさつ対策など)
  3. 院内全体集会における褥瘡症例報告
  4. 褥瘡対策チーム看護師への褥瘡治療薬剤の勉強会の実施 など

褥瘡対策チームは年間平均推定褥瘡発生率を1%前後にすることを目標とし、医師・看護師・栄養士・薬剤師それぞれが協力して活動を行っています。また褥瘡予防・治療においては「つらくない・痛くない」褥瘡ケアを目指しています。

禁煙サポーター

■活動の概要

平成15年5月1日より施行された健康増進法により、公共施設での喫煙管理が求められています。当院も敷地内全面禁煙となっており、啓蒙活動など禁煙対策の様々なサポートをしています。喫煙者の皆様のご協力をお願いします。

■活動の詳細

世界では「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に示されているように、受動喫煙の健康被害は明白なものとして、分煙ではなく全面禁煙化がすすんでいます。先進国で屋内が全面禁煙でないのは日本ぐらいです。海外の状況に比較して、日本はたばこ対策「後進国」としばしば揶揄されています。
タバコの煙に含まれる4000種におよぶ化学物質のなかで、3大物質はタール、一酸化炭素、ニコチンです。この中で発がん性が確認されている物質を主に含んでいるのはタールです。他にも200種以上の有害性が確認されている物質がタバコの煙の中に含まれています。これらの有害物質は、喫煙者がフィルターを通して吸う煙よりも、タバ コの火のついた部分から立ち上る煙に高濃度で含まれており、喫煙者はもちろん、喫煙者の周囲にいる人の健康も脅かすといわれています。
禁煙すると顔色や胃の調子が良くなったり、目覚めがさわやかになるなど、日常生活の中で実感できる色々な効果があります。禁煙すると家族から喜ばれたり、何事にも自信がついたりすることも禁煙に成功された方々の体験からわかっています。長年タバコを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありません。今から禁煙を始めてみませんか?


腎臓病教室での薬剤師活動

日本では、成人の8人に1人が慢性腎臓病の疑いがあると言われています。腎臓病は自覚症状が少ないため、気づかないまま症状が進行してしまうことが多く、進行すると透析治療が必要となります。当院では、患者さんが透析を始める日を少しでも遅らせるために、ご自分で食事管理・血圧管理・日常生活管理を行う手助けとなるように、腎臓病教室を開催しており、医師、看護師、栄養士、臨床検査技師、CE、医務課そして薬剤師が講義を行っています。

埼玉医科大学

総合医療センター

薬剤部

〒350-8550 埼玉県川越市鴨田1981



日勤帯 8:30〜17:30
当直帯 17:30〜8:30
当直帯/日曜祝日は調剤室2名体制


※院外処方箋に関するお問合せは原則各診療科か院外薬局へお願いします。

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