脳卒中

脳卒中グループ
診療の内容

急性期の脳血管障害を対象とし,救急部と連携した診療体制を組んでいる.入院後は可及的早期に脳CT, MRI, diffusion MRIやSPECTなどによる画像診断を行ない,治療法を決定している.また各種自律神経機能検査や心・頸部血管エコー,MRA,脳血管撮影などに加え,血小板・凝固・線溶系分子マーカーや細胞接着因子などの測定により,患者を総合的に評価し,“Brain Attack”という立場から早期機能回復と再発予防に心がけている.

研究の内容
基礎的研究
1.テーマ
  中枢神経諸核と脳循環調節機構
業績
 脳内における中枢神経諸核は互いに複雑な神経連絡網を形成し,中枢神経調節として脳循環動態に関与していることが示唆されているが,系統的な検討は少ない.当教室では,ヒトに最も近いサルを用いて,各種モノアミン作動神経系(ノルアドレナリン,コリン,セロトニン,ドパミンなど)の刺激・破壊による急性あるいは慢性モデルを作成し,それぞれの脳内神経核の持つ機能的な役割について詳細に検討を重ねている.
2.テーマ
  脳虚血と局所脳微小循環動態
業績
 虚血性脳血管障害における超急性期の治療という観点から,局所脳微小循環動態に関する検討がこれまでなされてきたが,未だ一定した結論に至っていない.そこで,ラットを用いて一過性ないし永久脳虚血モデルを作成し,虚血周辺部における微小循環動態をサイトカインネットワークや細胞接着分子などの立場から検討している.
臨床的研究
1.テーマ
  脳血管障害の治療と予後
業績
 脳梗塞の病型に応じて,急性期に抗血小板療法,抗凝固療法や抗線溶療法を行ない,治療法と予後との関係を検討している.