自律神経

自律神経グループ
診療の内容

 急性期から慢性期の脳血管障害,多系統萎縮症や筋萎縮性側索硬化症など変性疾患,Guillain-Barre症候群など末梢神経疾患に血行力学的検査,24時間血圧測定,血圧・心拍数変動のパワースペクトル分析,発汗試験,サーモグラフィー,カテコール代謝産物の定量などの自律神経機能検査を行なっている.

研究の内容
臨床的研究
1.テーマ
  自律神経の中枢制御に関する検討
業績
 自律神経障害の責任病巣としては遠心路のみが注目されているが,我々は多数の臨床例の分析から,延髄より上位の自律神経中枢に病巣を求めざるを得ない症例が存在することを見出した.このような症例は一部の変性疾患,急性期脳血管障害,いわゆる「自律神経失調症」の中に多く認められ,現在,多角的な自律神経機能の検査を通じて,自律神経系の中枢制御を解明すべく検討を重ねている.
2.テーマ
  自律神経疾患における血漿カテコールの測定
業績
 血漿カテコールをHPLCを用いて測定し,加齢とともに血漿ノルエピネフリンが増加する機序や血漿ドパミンが交感神経機能を反映することを明らかにした.また,カテコール代謝の検討から,交感神経機能亢進を示す筋萎縮性側索硬化症では末梢の交感神経機能に異常を認めないことを明らかにした.
3.テーマ
  血圧・心拍数変動のパワースペクトル分析
業績
 神経疾患における自律神経機能をパワースペクトル分析を行ない,その病態と検査の意義を明らかにするため検討している.