リ ハ ビ リ と は ?

 

        リハビリテーションの基礎知識

          

1、理学療法

 リハビリテーション(リハ)は古くは物理的な力を用いた治療として、ギリシア、ローマ時代から発達しました。やがて冷水浴、温水浴、アイスマッサージ、ホットパックなどの温熱療法や冷却療法が加わり、近代になってからは赤外線、超音波、レーザーなどの電気治療が開発されました。これらは人力、温熱、電気といった物理的手段を用いるので「物理療法」といいます。
 古くは筋肉や関節を運動させる治療が発生し筋力増強訓練、関節可動域訓練として体系化され、近年では人間工学、医療工学の発達にともない水泳訓練、運動浴、エルゴメーター、トレッドミル、サイベックスなど運動を手段とする治療法が発展し、「運動療法」という分野が開拓されてきました。「物理療法」と「運動療法」を併せて「理学療法」といいます。

例) 物理療法:温熱療法、赤外線療法、高周波療法、ホットパック、水治療、寒冷療法
          超音波療法、低周波療法、紫外線療法、牽引療法、マッサージ療法

   運動療法:平行棒訓練、歩行訓練、筋力増強訓練、関節可動域訓練、マット訓練、
          階段昇降訓練、義肢・装具療法、基本動作訓練

2、作業療法

 作業を介して身体機能や精神機能の改善を図ることが作業療法です。もともとは精神科領域の治療手段として発達し、「精神作業療法」として体系化されてきたのを、肢体障害 などに応用したのです。古くは紀元前のヒポクラテスの体操療法に始まり、ローマ時代になると行動療法として精神科疾患の治療として普及しました。
 治療手段としては木工、陶芸、手芸、革細工、ゲーム、スポーツ、園芸、絵画などが用いられます。これらは作業や活動を手段とする治療なので「作業療法」と呼称されます。 このような治療内容の性質からして上肢機能や高次脳機能の訓練が中心となります。
 高次脳機能障害には行為遂行障害注意障害記憶障害地誌的障害失語失行失認視空間認知障害運動維持困難などがあります。主として脳卒中や脳外傷、脳腫瘍などが原因ですが、低血糖昏睡、低酸素脳症など全身性疾患に起因することもあります。

例) 機能的作業療法、義手訓練、日常生活動作訓練、自助具・装具療法、
   職業前作業療法、心理的作業療法、高次脳機能訓練

作業療法でよく使われる器具:サンディングボード、ペグボード、籐工芸用具、陶芸用具
                   皮革用具、輪投げ、お手玉、絵画用具、調理器具

アメリカ作業療法学会による作業療法の定義
- - - the art and science of directing man's participation in selected tasks to restore, reinforce and enhance performance, facilitate learning of those skills and functions essential for adaptation and productivity, diminish or correct pathology, and to promote and maintain health.  Its fundamental concern is the development and maintenance of the capacity throughout the life span, to perform with satisfaction to self and others, those tasks and roles essential to productive living and to the mastery of self and environment.
American Journal of Occupational Therapy
  26:204-205, 1972.

 

3、言語療法

  発声はできるが言葉や話が出てこない、あるいは声は聞こえるけど内容が理解できない障害を失語症、ノドの麻痺などにより言葉がうまく発音できない障害を構音障害、 食物を咀嚼し嚥下することができない障害を嚥下障害といいます。これら言語機能や摂食機能の治療を行うのが「言語療法」です。言語療法の対象となる疾患には以下のようなものがあります。
 1) 発声器官の疾患による発声障害
 2) 聴覚器官の疾患による聴音障害
 3) 発声器官の麻痺による構音障害
 4) 脳の言語中枢の疾患による失語症
 5) 発声器官の疾患による嚥下機能の障害
当科で治療している疾患で最も多いのは脳卒中による失語症と嚥下障害です。

 

4、音楽療法

 音楽療法とは、「音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用する」ことです。医学的には非特異的変調作用あるいは総合的生体調節作用に位置づけられると思います。音楽の持つ旋律、律動、調和が脳の視床、視床下部、辺縁系を刺激して、下垂体、副腎皮質を介して、自律神経や内分泌などの生体の機能を調整していくと思われます。脳卒中など脳疾患にたいして意識レベルの改善、認知機能の回復、高次脳機能の向上、言語聴覚機能の修復などを期待して、リハビリテーションの一環として行っています。音楽療法の講師には 音楽の専門家にきてもらっています。

  

 

 

典型的な疾患のリハビリのプログラムをご紹介いたします。

A. 脳卒中のリハ

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血

 発症リハ科転科  転科1〜2週  転科3〜4週  退院へ
 関節可動域訓練

 筋力増強訓練

 基本動作訓練

 体位変換訓練

 起上り訓練

 日常生活動作

 移乗訓練

 トイレ動作訓練

 更衣訓練

 嚥下訓練

 装具療法

 言語療法

 高次脳機能訓練

 洗顔、歯磨き自立

 移乗、トイレ監視

 生活指導
  高血圧、糖尿病
  抗凝固療法
  肥満、透析など

 家屋評価

 試験外泊

平成17年から運動機能評価に応じて 
   チャレンジコース  (重症)
   スタンダードコース(中等症)
   ハイアップコース  (軽症)

に分かれてきめ細かいリハビリ訓練をすることにしました。

        クリニカルパス (当科での標準的な治療計画表です)
 

B. 疾患のリハ

冠動脈バイパス術後、弁膜症術後

 リハ科転科1〜2日   転科3〜6日  転科7〜8日  退院前
 運動負荷試験

 自転車こぎ訓練

 服薬指導

 術創の処置

 シャワー負荷心電図

 自転車こぎ訓練

 血液検査

 ワーファリンの調整

 平地歩行

 階段負荷心電図

 心臓超音波検査

 生活指導

 栄養指導

 運動負荷試験

 心臓センター受診

 外出歩行

 退院指導

        クリニカルパス2 (当科での標準的な治療計画表です)

 

C. 骨関節疾患のリハビリテーション

人工股関節形成術 Total hip arthroplasty, THA

 手術5後 〜   Toe touch開始                歩行訓練開始
 関節可動域訓練   筋力強化訓練
 手術1後 〜  全荷重開始
 手術2後 〜                           腹臥位肢位
              階段指導      立位閉鎖運動連鎖訓練
 手術3後 〜  退院調整
              床上動作指導   T杖歩行
 手術4後 〜  退 院

寛骨臼回転移動術  Curved periacetabular osteotomy, CPO

 手術3後 〜

  リハビリ再開
           車椅子乗車開始     両松葉杖歩行

 手術1後 〜  10kg荷重
           股関節外転、SLR
 手術2週後〜  1/3荷重
           階段練習、マット訓練
 手術4後 〜  1/2荷重
           ブリッジ、立位CKC
 手術6後 〜  2/3荷重
                           片松葉杖
 手術8週後〜  全荷重

        クリニカルパス3 (当科での標準的な治療計画表です)

 

* これらは合併症のない場合の平均的なプログラムです

 

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