教育と研究の基本方針
教育と研究の目的
埼玉医科大学
埼玉医科大学は、教育基本法(昭和22年法律第25号)及び学校教育法(昭和22年法律第26号)の精神に則り、かつ、私学の特性を生かして専門的な知識と技能及び高い倫理性を身につけた実地臨床医家並びに保健医療技術者を育成することを目的とし、更に進んで新しい医学及び関連諸科学の研究並びに保健医療技術の向上に寄与することによって、広く人類の健康と福祉に貢献することを使命とする。
医学部医学科
医学部医学科の教育研究上の目的は、埼玉医科大学の期待する医療人像に従い、次の各号に掲げる事項を基礎として医師・医学者の育成を図るものとする。(1) 人間の生命に対する深い愛情と畏敬の念を基盤として、高い倫理観と豊かな人間性を涵養すること。
(2) 医学・医療に関する国際水準の知識と技術の修得を基本とし、未知の課題を自ら解決する意欲と探求心を持つとともに、生涯にわたり自己の資質の向上に努めること。
(3) 自らの能力の限界を知り、協調性に富んだ社会人として様々な職種の人々と協力し、また、社会的視点に立って地域の医学・医療に積極的に関わることができること。
保健医療学部
保健医療学部の教育研究上の目的は、埼玉医科大学の期待する医療人像に従い、次の各号に掲げる事項を基礎として人材の育成を図るものとする。(1) 人間の生命に対する深い愛情と畏敬の念を基盤として、高い倫理観と豊かな人間性を涵養すること。
(2) 保健医療に関する国際水準の知識と技術の修得を基本とし、未知の課題を自ら解決する意欲と探求心を持つとともに、自らの能力の限界を知り、生涯にわたり自己の資質の向上に努めること。
(3) 協調性に富んだ社会人として様々な職種の人々と協力し、医療の安全に常に留意するとともに、社会的視点に立って地域の保健医療に積極的に関わることができること。
各学科の教育研究上の目的は、保健医療学部の目的を基礎として、次によるものとする。
- 看護学科は、学部の教育研究上の目的を満たした看護師及び保健師を育成すること。
- 臨床検査学科は、学部の教育研究上の目的を満たした臨床検査技師及び食品・衛生分野の専門技術者を育成すること。
- 臨床工学科は、学部の教育研究上の目的を満たした臨床工学技士、医療機器の開発技術者等を育成すること。
- 理学療法学科は、学部の教育研究上の目的を満たした理学療法士を育成すること。
埼玉医科大学大学院
埼玉医科大学大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめて文化の進展に寄与することを目的とする。博士課程
博士課程は、専攻分野について、医学研究者として自立して研究活動を行うのに必要な、高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うものとする。医学研究科生物・医学研究系専攻
医学研究科生物・医学研究系専攻(博士課程)は、生物・医学研究分野に関する研究者として、高度で最先端の基礎的研究に従事し、自立して研究活動を行うに必要な研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。医学研究科社会医学研究系専攻
医学研究科社会医学研究系専攻(博士課程)は、社会医学研究分野に関する研究者として、高度で最先端の社会医学研究に従事し、自立して研究活動を行うに必要な研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。医学研究科臨床医学研究系専攻
医学研究科臨床医学研究系専攻(博士課程)は、臨床医学研究分野に関する研究者並びに職能人として、高度で最先端の臨床医学研究に従事し、自立して研究・医療活動を行うに必要な能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。修士課程
修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。医学研究科医科学専攻
医学研究科医科学専攻(修士課程)は、医科学に係わる様々な分野において、幅広く深い学識と高い倫理観を持ち、学際的分野へも対応可能な専門的研究能力並びに卓越した技能を有する高度専門職者を育成することを目的とする。看護学研究科看護学専攻
看護学研究科看護学専攻(修士課程)は、科学的・研究的視点をもとにして、高い倫理観と高度な研究能力、実践能力及び多様な人々に対する生活支援能力を有する看護職者を育成し、地域のケアニーズに応えることを目的とする。埼玉医科大学全学3ポリシー
埼玉医科大学 ディプロマ・ポリシー
本学の所定の課程を修了し、建学の理念および「埼玉医科大学の期待する医療人像」に基づいた以下の資質・能力等を身につけた者に対し、学士の学位を授与する。
1)生命に対して深い愛情と畏敬の念を持ち、病める人々の心を理解し、その立場に立って、十分な説明と相互理解のもとに医療を行う能力
2)豊かな人間性および、常に倫理観を磨き教養を積む努力を怠りなく続ける意欲と習慣
3)生涯にわたり常に最新の知識・技術を学び、自信をもって国際的に最も質の高い医療を提供する気概
4)医療における課題を自ら解決する意欲と探求心を持ち、国際的視野をもって医学・医療の進歩に貢献できる能力
5)自らの能力の限界を自覚し、謙虚に他者と協力し、それぞれの立場で患者中心の医療を実践できる統合力
6)社会的視野を持ち、健康の保持・増進、疾病の予防から社会復帰、さらに社会福祉に至る保健・医療全般に責任を有する自覚、地域ならびに国際社会の保健・医療に貢献しようとする熱意
7)協調性に富んだ社会人として様々な職種の人々と協力し、医療の安全につねに留意するとともに、地域の保健医療に積極的に関わろうとする姿勢
埼玉医科大学 カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果を達成するため、下記のような方針でカリキュラムを編成し教育を行う。
1)人間性の涵養と社会人としての成熟を促し、医学の枠にとらわれない幅広い見識を修得させるための、多彩な選択制科目の提供
2)複数領域にわたる知識を総合的・多角的に応用する能力を確立させるための、統合カリキュラムの充実
3)省察の習慣、協働的な学修技能、主体的学修姿勢を涵養するための、グループワーク等の少人数による学修の充実
4)実際の医療の中での経験を通して実践的な知識・技能・態度を修得するための、臨床現場における実習の重視
埼玉医科大学 アドミッション・ポリシー
カリキュラム・ポリシーに基づいたカリキュラムによって学修することによって、ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果を達成するため、入学前に以下のような能力・素養を身につけている学生を求める。
1)豊かな人間性、生命への愛情と奉仕する精神
2)社会のルールや規範を遵守して行動することができる倫理観
3)高いコミュニケーション能力および、相手の立場に立つことのできる協調性
4)医療専門職としての責任を果たすために必要な知識を修得し、知識を適切に応用するための基礎学力
5)自ら求めて学び、物事を吟味し考察する能力
6)医療や健康問題への関心および、医学・医療を通じて社会に貢献しようとする意欲と情熱
学生支援に関する方針
学生支援に関する方針
本学は、建学の理念に「生命への深い愛情と理解と奉仕」「師弟同行の学風の育成」を示すとおり、教職員は一人一人の学生の個性を尊重し、学生と共に学び、共に成長し、すべての学生が安心して学修に専念し、充実した学生生活を送ることができるよう、次のように支援の方針を定める。
学修支援
- 学生が各自の目標を達成することを目指して、学業に専念できるよう、すべての学生に対して様々な部署の教職員が協働して相談支援を行う。
- 成績不振の学生、休学及び退学希望の学生等の状況の早期把握に努め、個々の学生に応じた支援を行う。
- 修学上配慮が必要な学生に対しては「埼玉医科大学障がいのある学生への学修支援に関する基本方針」に基づき個々の学生に応じた支援を行う。
- 自己主導型学習の習慣を身につけることを推進するために、少人数学習を重視するとともに低学年から学生の成長に併せて多様な経験を積み重ね、省察を通して学生の成長を促す機会を設ける。
- 経済的に不安なく学修できるよう各種奨学金などの充実を図る。
学生生活支援
- 学生が健全な心身を維持し、安全で快適に過ごせるよう、学生生活に関する相談窓口、及び健康管理部署を適切に配置し、看護師、カウンセラーを配置しその機能充実に努める。
- 定期健康診断、感染症予防対策などを通じて学生の健康管理を支援する。心の相談室などを設置し、学生の精神的なサポートを行う。
- 学生の自発的活動である部活動、学生会、ボランティア活動など課外活動への参加を推奨する。
- 学生の人権を擁護し、ハラスメント防止のための対策を行うとともに、迅速かつ適切に問題解決に必要な対応を行う。
キャリア支援
- 学生が将来の医療人像や自らの人生を思い描くこと、自らのキャリアを適切に選択できるよう、低学年からの現場での体験実習や先輩の臨床経験にふれる機会を通してキャリア形成を支援する。
- 個人の多様な進路の選択を尊重し、進路相談の機会を提供する。
障がいのある学生への学修支援に関する基本方針
本基本方針は、「埼玉医科大学における学生支援の方針」に基づき、埼玉医科大学に在籍するすべての学生のうち障がいのある学生に関わる学修支援について定めるものとする。本学は「埼玉医科大学の期待する医療人像」の一つ、「高い倫理観と人間性の涵養」の中に「病める人々の心を理解し、その立場に立って」とあるように、常に病める者の立場に寄り添うことを医療人としての基本的態度と規定しており、学生・教職員間の理解と共感に基づく支援が精神的基盤となることが重要である。
1.基本原則
(ア) 本学の理念及び「障害者基本法」「障害者差別解消法」の理念に則り、障がいのため修学上の配慮を要する学生(以下、配慮を要する学生)の学位授与については、ディプロマポリシーに則って、教育の目的・内容・評価の本質を変えないという原則に基づいて支援することを基本とする。
(イ) 障がいのため修学上の配慮を要する学生とは、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む)、その他に心身の機能に障がい(以下「障がい」と総称する)があるため、長期にわたり授業又は学生生活に相当な制限を受ける学生であり、本人が修学上の支援を希望し、かつ本学がその必要を認めた学生をいう。
(ウ) 合理的配慮とは、障がいのある学生が、障がいのない学生と等しく「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、本学が必要かつ適切な変更・調整を行うことであり、障がいのある学生に対し、その状況に応じて教育を受ける場合に個別に必要とされるものである。この合理的配慮の提供については、当該学生の要望に基づいて行う。ただし、本学における体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さない範囲とする。
(エ) 入学者選抜においては障がいに基づき差別することがないよう、本学の修学に本質的に必要な能力・適性等について、障がいのない者と公平に判定するための機会を提供することを原則とする。配慮を要する者に対する入学における受け入れについては、入学試験委員会が対応する。その際には、学生募集要項に「疾病・負傷や障がい等のために、受験上特別な配慮を希望する方は、出願前に申し出てください」との記載をしていることを受けて、受験生の申し出に応じて、事前の確認と対応体制の準備を図る。
(オ) 入学後、個々の学生の状態・特性に応じて、学生が得られる機会に平等に参加できるように合理的配慮を行うものとするが、本学のディプロマポリシー及び各学年の進級(卒業)判定基準を変えることはしない。
(カ) 対応については、合理的配慮検討小委員会が、案件ごとに学生との建設的な対話に基づき検討し、学部としての合理的配慮について総合的な判断を行う。さらに教授会(医学部では教員代表者会議)における承認を得て決定とする。
(キ) 申し出から合理的配慮の提供までのプロセスについては別に定める。
(ク) これらの配慮は、本人の申し出に基づくことを原則とする。ただし、教員が修学上の配慮が必要と判断した場合には、教員から本制度の内容を説明し必要に応じて申し出について支援する。
(ケ) 医学部における共用試験での対応については、医療系大学間共用試験実施評価機構との連携を密に取りながら支援する。
(コ) 個々の障がいのある学生に対する社会的障壁を取り除き、合理的配慮を行うため、相談窓口の設置、支援体制の整備とともに、事前のバリアフリー化などの環境改善措置(施設・設備の対応やFDの実施)に努めることとする。
2.障がいのある学生への合理的配慮提供の原則
(ア) 合理的配慮検討小委員会の指示に基づき、必要に応じて様々な部署の教職員が個々の学生に対応する。
(イ) 合理的配慮検討小委員会で確定された合理的配慮の具体的事項については、関係する授業担当教員に対し定期的に情報提供を行う。
(ウ) 申し出から具体的事項の決定までに時間がかかる場合には、遡って可能な範囲で合理的配慮を行うように努める。
3.学生、教職員に対する周知と個人情報への配慮
(ア) 本基本方針と別に定める「申し出から合理的配慮の提供までのプロセス」について学生に対しては、学生便覧に記載することによって周知する。さらに、各学年のオリエンテーションで説明を行う。
(イ) 教職員に対しては、教員便覧に記載し周知する。さらに入職時FD等において周知を徹底する。
(ウ) 必要な支援を提供するにあたり、支援に関係する教職員(前述2(ア)(イ)の教職員)間で情報を共有する。その際に本人の個人情報の無用な拡散を防止するよう努める。