難病センター
難病センター
Intractable disease Center
特定機能病院としての機能をフルに活用して
難病診療に対応します。
難病診療に対応します。
診療内容・専門分野
センターの特徴
平成26年5月23日に持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律として「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立し、平成27年1月1日に施行されました。これによって、難病の患者に対する医療費助成に消費税などの財源が充てられることとなり、安定的な医療費助成の制度が確立することとなりました。当院では、この新難病医療体制の開始に伴い、難病センターを平成27年4月1日より開設しました。
当院では、特定機能病院としての機能をフルに活用して、当院在籍の170名以上に及ぶ指定難病登録医、看護師を始めとしたメディカルスタッフ、ソーシャルワーカー、遺伝相談専門家、基礎系研究者などが協力して難病診療に対応します。 具体的には、難病診断・治療、臨床調査個人票記載、遺伝子診断、難病相談、遺伝相談、医師主導臨床試験、難病研究などを行っています。
公費による医療費補助が行われる可能性のある指定難病は、1)発病の機構が明らかでなく、2)治療方法が確立していない、3)希少な疾患であって、4)長期の療養を必要とするもの、5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと、6)客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること、という6つの条件を満たす疾患です(難病一覧)。
なお、難病として医療費助成を受けるには、1)指定難病の診断が確定していることに加えて、2)疾患の重症度が高い場合に限られています。詳細は担当医などにご確認ください。
難病センターは以下の4診療部から構成されています
難病診療部
難病診断、治療、難病相談遺伝子診療部
遺伝子診断(当院で通常診療において可能な遺伝子診断用検査)、遺伝相談・カウンセリング→ 遺伝子診療部(ゲノム医療科)のご紹介 → ゲノム医療科のページへ
患者申出診療部
患者申出療養制度による新しい診療情報提供母性内科診療部
慢性疾患をもちながら妊娠を希望するまたは妊娠中の女性を、内科医の立場から、より良い状態で 妊娠・出産ができるようサポートします。(母性内科診療部について)難病診療について
各疾患によって異なりますので、詳細は難病情報センターのページや当院の各診療科のページにてご確認ください。
また以下の疾患は診療連携チームでの対応になります。
成人担当 朝倉博孝(泌尿器科教授) 小児担当 山内秀雄(小児科教授・てんかんセンター長)
結節性硬化症診療連携チーム診療科
泌尿器科、小児科、皮膚科、呼吸器内科、口腔外科、脳神経外科
神経精神科・心療内科、眼科、ゲノム医療科
また以下の疾患は診療連携チームでの対応になります。
結節性硬化症(埼玉医科大学病院結節性硬化症診療連携チーム)
1.結節性硬化症はどんな病気ですか?
結節性硬化症は、脳、皮膚、心臓、腎臓、肺など全身のさまざまな場所に腫瘍や機能障害の認められる病気です。小児期には皮膚に白いあざ(白斑)があること、てんかん発作や、言葉の遅れ、行動異常などで気づかれます。結節性硬化症の特徴の一つは、身体のさまざまな所に良性の腫瘍ができることです。小学校に入学する頃になると頬に赤みを帯びた数ミリのニキビ様の血管線維腫という腫瘍ができます。10歳以降は腎臓に血管筋脂肪腫という徐々に大きくなる腫瘍ができて、尿に血が混じるようになったり、血圧が高くなったりします。目の奥の網膜に過誤腫という腫瘍ができてものが見えづらくなったり、また脳に腫瘍ができて頭が痛くなったりします。成人になると肺に腫瘍ができて息苦しいなどの症状がでたりすることがありますが、これは女性に多く認められることが特徴的です。結節性硬化症の症状の種類やそれらの程度は年齢によっても異なり、また個人差も大きいのが特徴です。必ずすべての症状が現れるとうことではなく、何も問題なく一生を過ごせる場合もあります。2.結節性硬化症の原因は何ですか?
結節性硬化症は、TSC1またはTSC2という遺伝子のどちらかが一部が変化して働かなくなってしまうことが原因と考えられています。これらの遺伝子が働かなくなると、細胞を増殖させるmTOR(エムトール)というシグナルを制御できなくなるので、身体のさまざまな場所に腫瘍ができたり正常な細胞の機能が損なわれたりするのです。3.結節性硬化症の患者さんは日本にどれぐらいいますか?
6,000人に1人の割合、日本全国に約15,000人の結節性硬化症の患者さんがいると考えられています。決して稀な病気ではありません。4.結節性硬化症の診断方法や検査はどのように行いますか?
いくつかの特徴的な症状を組み合わせて結節性硬化症と診断されます(国際的な診断基準があります)。結節性硬化症と診断されたら、それぞれの年齢や症状に合わせて注意深く検査をしてゆきます。遺伝子検査は必ずしも行う必要はありませんが、臨床症状のみでは診断できない場合に行う場合があります。結節性硬化症は遺伝子異常による遺伝病の一つですが、ご家族内に同じ病気を持っているのは3分の1であり、3分の2の患者さんは家族内発生のない孤発例です。5.結節性硬化症の治療はどのように行いますか?
体の中にできた腫瘍は手術でできるだけ取り除いたり、薬で腫瘍を小さくしたりします。てんかん発作などの症状に対しても、手術や薬で治す方法があります。それぞれの選択は腫瘍の大きさや症状などによってさまざまです。6.「結節性硬化症診療連携チーム」とは?
上記のように結節性硬化症は赤ちゃんから成人まであらゆる年齢においていろいろな症状がみられますし、患者さんによってその程度は様々です。一人一人の患者さんの症状に合わせたきめの細かい診療をするには複数の診療科を受診する必要がでてきます。埼玉医科大学病院では結節性硬化症を担当する診療科が「結節性硬化症診療連携チーム」を設立し、患者さんとそのご家族が負担のない効果的な診療を受けていただくようにしています。埼玉医科大学病院結節性硬化症診療連携チーム
受付紹介窓口 電話:049-276-1741成人担当 朝倉博孝(泌尿器科教授) 小児担当 山内秀雄(小児科教授・てんかんセンター長)
結節性硬化症診療連携チーム診療科
泌尿器科、小児科、皮膚科、呼吸器内科、口腔外科、脳神経外科
神経精神科・心療内科、眼科、ゲノム医療科