腎臓内科

研修可能なサブスペシャリティー領域

以下の各機構・学会の専門医・認定医の取得が可能
腎臓専門医(機構認定(予定))、 透析専門医(学会認定)

診療部長等からのメッセージ

私たちは腎臓内科を腎臓病患者を対象とする総合内科と捉えており、教室員は腎臓病や透析療法のスペシャリストのみならず、あらゆる合併症のプライマリーケアを担当するジェネラリストを目指しています。

そこで当科では、血圧や体液電解質管理、腎炎・ネフローゼの腎生検診断・免疫抑制療法やバスキュラーアクセスに対するPTA、そして豊富な他科コンサルテーションなどの院内での専門研修に加え、国際医療センターの腎臓内科(同じ教室)では急性腎障害や多臓器不全の管理も経験できます。
さらに他臓器の合併症に関しても、他科依頼の前にまずは自分たちの問題として考えるという総合内科的な姿勢を大切にし、病棟カンファレンスでは教授から助教までが活発な意見交換を行っています。

ぜひこのユニークな教室の一員となって、一緒に腎臓内科学の広い裾野から高い頂きを目指しましょう。
腎臓内科診療部長・教授 岡田浩一腎臓内科診療部長・教授
岡田 浩一

研修プログラム

研修プログラムの詳細は領域別専門医研修プログラムのページをご覧ください。

概要・特徴

腎臓内科では、検尿異常などのごく初期の腎疾患から腎代替療法(透析・移植)の導入以後まで、全ての病期の腎疾患を診療対象としています。当科は埼玉県南西部における腎疾患診療の拠点であり、入院患者の半数以上が緊急入院です。365日24時間体制で患者を受け入れ、外来部門、病棟部門、血液浄化ユニットが一体となり高度な医療を提供しています。

当科の一押し

腎臓内科としては全国でトップクラスの症例数およびその多彩さにつきます。最近の診療実績を例に挙げれば入院患者数700人、腎生検件数80件、透析新規導入数150人、アフェレーシスおよび持続的血液浄化200件(いずれも年間の概数)であり、急性腎障害、慢性腎臓病のあらゆる疾患を経験することができます。また、バスキュラーアクセス専門医により、内シャント造設術100件、PTA150件とバスキュラーアクセス関連の手術も多数おこなっております。
また、当科では実地臨床での診療能力を身につけるのと同時に、臨床研究能力を身につける事も重要と考えており、内科学会関東内科地方会、日本腎臓学会東部学術集会、日本透析医学会での症例報告を行っています。

研修内容と目標

専門研修 卒後年数 研修内容と目標 資格等
1年目 卒後3年目 内科専門医研修・腎臓専門医連動研修(上限あり)・透析専門医研修 JMECC
2年目 卒後4年目 内科専門医研修・腎臓専門医連動研修・透析専門医研修
3年目 卒後5年目 内科専門医研修・腎臓専門医連動研修・透析専門医研修
4年目 卒後6年目 腎臓専門医研修・透析専門医研修 内科専門医
5年目 卒後7年目
腎臓専門医・透析専門医
6年目 卒後8年目

7年目以降 卒後9年目以降
医学博士

診療科入職案内

募集要項

次の9内科共通です。
血液内科、呼吸器内科、リウマチ膠原病科、消化器内科・肝臓内科、内分泌内科・糖尿病内科、神経内科・脳卒中内科、腎臓内科、総合診療内科、感染症科・感染制御科

診療科説明会

特に診療科説明会は設けておりません。見学にお越しいただき、当科のことを説明させていただきます。

基本情報

医師数 18名
指導医数 5名
病床数 46床
1日平均外来患者数 104名
1日平均入院患者数 43名
過去3年間の入職実績 6名

お問い合わせ

腎臓内科
担当:井上 勉
TEL:049-276-1611
E-mail:inoue.tsutomu@1972.saitama-med.ac.jp

診療科メンバーからのメッセージ

腎臓内科とそれに連なる
一般内科の面白さを感じ入職
I先生
2019年入職
(2017年埼玉医科大学卒)
腎臓内科_I先生
醍醐味や目指す医師像
大学病院の専門研修は受診される患者さんの病態や特性上、どうしてもスペシャリスト育成に重きを置いた研修になる事が一般的です。しかし、ここ数年で内科医に求められる診療に変化があり、いわゆる「スペシャリスト」から「スペシャリストも出来るジェネラリスト」が求められる様になっています。
私の目指す医師像が正にそれで、患者さんが困っている時に「自分は〇〇科で、他の事はわからないから余所に行って!」と患者さんに伝える様な医師にはなりたくありませんでした。
腎臓内科では慢性腎臓病患者さんや透析患者さんの合併症罹患率が高く専門性が高い病態以外は自分達で対応する事がほとんどです。自分の担当患者さんが困らない様にするため、そして少しでも理想の医師像に近づくため、現在も研鑽を積んでいます。
腎臓内科_I先生01
腎臓内科_I先生02
腎臓内科を選んだ理由
当院の腎臓内科は腎臓内科的専門領域の疾患症例数は関東でも有数です。ただそれ以外にも慢性腎臓病の患者さん、透析患者さんであれば腎臓内科以外の病態でも当科入院になる事が多い事が特徴です。
私が研修医で研修していた期間も、肺炎や電解質異常はもちろん、敗血症性ショック、心不全、胃潰瘍、脳梗塞、果ては骨折や精神科疾患まで主担当医で担当させていただきました。腎臓はほとんど全ての臓器と繋がっています。その中で「腎臓内科とそれに連なる一般内科の面白さ」を特に感じたため、腎臓内科に入職しました。
入職して良かったこと
まずは腎臓内科の雰囲気がとても良く、先輩・後輩と気軽に相談できるところです。業務内容的に忙しい事は否定できませんが、その分科員とは「戦友」の様な関係になる事ができます。
また上記の通り、腎臓内科に関わらず多くの分野の症例を経験できます。これまで2回程、市中病院に出向しましたがそのどちらでも腎臓内科だけでなく一般内科として困る事は全くありませんでした。内科専攻医の症例登録(J-Osler)でも、160症例の内120症例以上を腎臓内科のみで経験する事ができました。
最後に専門領域疾患ですが、こちらの症例数も豊富です。特に専攻医期間の3年間だけで血管炎症例(顕微鏡的多発血管炎など)を主担当医として20例前後担当させていただけた経験は、他の病院では出来なかったと思います。
初期臨床研修医や医師の方へのメッセージ
当院腎臓内科は上記の通り、専門領域の疾患の他に一般内科的な精査・加療、ICU管理を含めた重症管理も出来る事が特徴ですが、他にも透析が必要になってしまった患者さんの今後の人生のプランを一緒に考えたり慢性期の病態管理もメインになります。
「スペシャリストかつジェネラリストになりたい」方や、「急性期も慢性期も両方診たい」という人には非常にお勧めです。
私も含め科員は皆、忙しい時期を先輩や仲間に支えられて育ってきた人間のため、先生方が一人前になるまでは絶対見捨てません。初期研修医の先生は是非一度研修にいらして下さい。私達と一緒に働きましょう!
1日のスケジュール
~8:00(8:30) 出勤  
8:30(月火は8:00) 朝カンファレンス 新患カンファレンスと月・火は全体のカンファレンスを行います。教授や病棟医長と入院患者さんを全例相談し、方針の確認や疑問点の抽出を行います。
9:00-13:00 病棟業務(or外来業務) 入院患者さんの診療をする医師と外来業務をする医師に分かれます。入職2年目以降に1-2週に一度から初診の専門外来が始まります。
    大体午前中に手技を行う事が多いです。透析用のカテーテルの留置や、透析患者さんのシャント狭窄に対して、血管造影室で経皮的血管拡張術(PTA)を行ったりもします。
13:00-14:00 お昼休憩 どんなに忙しくても昼食はできるだけ摂る様にしています。忙しい時期は忙しいので、メリハリをつけて休める時間はしっかり休む様に心がけています。
14:00-17:30 病棟業務(or外来業務) 定期入院の患者さんへの説明や検査・治療の調整を行いながら、緊急入院に備えます。緊急入院の際は手が空いている上級医がサポートする事が多いです。シャント手術も行っています。
17:30-18:30 チームの先生と振り返り 入院患者さんの治療方針に関してチームの先生と相談します。この時間が一番インプットとアウトプットの勉強になるかもしれません。終わってない人がいたら手伝います。
18:30-19:00 退勤 早い日は18:00頃、緊急入院が複数件あった日は20:00頃になってしまう事もありますが、メリハリをつけて「帰れる時に帰る」を目標にしています。
19:00-19:30 帰宅 帰宅後は夕食を作ったりお酒を飲んだり・・・。最近は夜の散歩が趣味です。
診療科・領域で経験できること
  • 急性腎障害、慢性腎臓病をはじめとする腎臓内科疾患のほぼ全て。
  • ネフローゼ症候群や血管炎などの腎臓内科専門領域の症例数は関東でも有数。腎生検の処置。
  • その他、腎疾患症例に合併する病気(=高齢者に合併する病気)の一般内科管理。
  • 透析患者さんの透析管理。
  • シャント手術や血管内治療の様なアクセス管理。

専攻医インタビュー

成長の機会が多く与えられる
環境だと感じます
O先生
2023年入職
(2019年東京医科大学卒)
腎臓内科_O先生
醍醐味や目指す医師像
日々多くの症例が集まり経験できることで自身の医師としての手札が強制的にでも増えていくことです。腎臓【内科】ですがカテーテル処置やシャント関連などの処置も適度にあるので、手技の手札も増えていくと思います。最終的に対応力に優れた医師を目指したいのですが、それに関してはまだまだ修行中の身です。
腎臓内科を選んだ理由
自主自学があまり得意ではなく専攻医になってから自分の判断と責任で医療行為を進めていくことに不安を感じていた時に研修でラウンドしたことがきっかけでした。
上の科員の先生方が積極的に教育やサポートをする風習が根付いており、この環境なら強制的にでも成長できると感じたからです。(加えて科内の雰囲気が圧迫感や威圧感と縁遠いので、上司に怒られる!といった類の恐怖感が薄かったのもあると思います/勿論これは違う!といった振る舞いをしてしまった場合はちゃんと注意してくれます)
入職して良かったこと
次にとるべき順序や勉強方法がわからなくなってしまった時に、周囲の医師に聞きやすい環境だと感じます。
診療科特有の雰囲気なのか、相手が忙しい時に質問をしても怒ったり迷惑な顔をする医師は皆無です。皆積極的に教えようとしてくれます。
また緊急入院などでどうしても手と時間が足りない時、周囲の科員がいつのまにか集まってきてオーダーや処置を手伝ってくれることが多いのも特徴です。一人で孤立してしまうことはまずありません。
初期臨床研修医や医師の方へのメッセージ
当科の強みや雰囲気は一度体験してもらうと非常に実感しやすいと思いますので、怖がらずに一度ぜひ研修にいらしてください。
一見他の診療科に比べると緩めの雰囲気に感じるかもしれませんが、有事の際は雰囲気はそのままに勢いよく実働に飛び込んでいく科員の様を一度見ていただきたいです。
プログラムスケジュール
年次 研修先の病院名、診療科、特に注力する研修等 論文、院外活動、他
医師3年目 埼玉医科大学病院 腎臓内科 東部腎臓学会発表
医師4年目 埼玉医科大学病院 腎臓内科 透析学会発表
1日のスケジュール
7:45 出勤  
08:00(月・火のみ) 全体カンファレンス 教授も含め、科員全体ですべての入院患者の治療内容や方針の確認をします。
9:00 病棟業務開始(初診担当の日は外来) 血液検査や画像検査の結果を確認します。
10:00 (カテーテル留置等がある場合)処置 周りに医師が多くいるので、外来日などは助力を求めることも多いです。
10:30前後(火曜日) 腎生検カンファレンス 腎生検の結果を当科教授と病理科の医師とともに確認することができます。
12:00 昼休憩  
14:00 入院患者対応 当日の入院患者にムンテラ等をおこないます。
17:30ー18:15 退勤 回診とチームで簡易的に患者の振り返りをしたら終了です。
主な経験症例とおよその経験数
平均担当患者数
  • 6-8人

経験症例
  • IgG4関連疾患
  • ANCA関連血管炎
  • うっ血性心不全
  • 末期腎不全
  • 多発性骨髄腫