リハビリテーション科

プログラム責任者からのメッセージ

当院は970床を有する大学病院であり、当科では全ての診療科からの依頼を受け、あらゆる疾患のリハビリテーション治療を行います。まずは、病歴や治療方針を把握し、患者を診察し、機能評価、リスク評価、予後予測、ゴール設定を行います。我々は、採血や画像所見等、各検査の結果を自ら解釈・読影し、運動機能低下の原因を科学的根拠に基づいて診断し、病態に応じたアプローチを行っています。必要に応じて、主治医に診断結果をフィードバックし、新たな検査や他科受診を勧めることもあります。その上でエビデンスに基づいて、有効なリハビリテーション治療を考え多職種で連携して、患者の機能、活動性を高めるお手伝いをします。 当プログラムでは、埼玉医科大学病院群(国際医療センター、総合医療センター)をはじめとして、県内に多数の連携施設があります。さらに、東京大学診療科とのつながりがあり、都内にも多数の連携病院があり、幅広くリハビリテーション治療を学ぶことができます。患者の機能低下に対し、予防や診断も含めたトータルマネージメントを極めることを目標とする医師を募集しています。もちろん、他領域の経験を持った医師も大歓迎です。患者さんのADLやQOLを改善することに興味をお持ちの方は、どなたでも是非お気軽に御連絡ください。
リハビリテーション科診療部長 教授
リハビリテーション科診療部長 教授
篠田 裕介

研修プログラム

研修プログラムの詳細は以下をご覧ください。

概要・特徴

大学病院入院中で、リハビリテーション治療が必要な全診療科の患者さんの治療を行っており、急性期疾患が多いのが特徴です。
中でも、運動器、嚥下、痙縮、がんのリハビリテーション治療を得意としています。
様々な疾患を経験することができ、教育体制も充実しています。気軽に見学においでください。
リハビリテーション科01

診療科入職案内

募集要項

1次選考日:令和 6年11月5日(火)17:00~
2次選考日:令和 6年12月3日(火)17:00~※
3次選考日:令和 7年1月14日(火)17:00~※
※なお採用予定者が募集人数に到達した時点で以降の募集は停止となります。

診療科説明会

木曜日 第2除く

基本情報

医師数 6名
指導医数 4名
専攻医の主な出身大学埼玉医科大学、藤田医科大学、東京医科歯科大学、防衛医科大学校、自治医科大学、山形大学
他科研修の可能性 研修者の希望に応じて他科の研修を行うことも考慮します
関連大学診療科 東京大学
リハビリ治療実施件数 7250件/月
入院患者数初診患者 430人/月
過去3年間の入職実績 7名
連携施設数 14施設
埼玉医科大学国際医療センター(日高)、埼玉医科大学総合医療センター(川越)、社会福祉法人埼玉医療福祉会 光の家療育センター、社会医療法人財団石心会埼玉石心会病院、医療法人若葉会若葉病院、独立行政法人国立病院機構東埼玉病院、 医療法人蒼龍会武蔵嵐山病院、東京大学医学部附属病院、医療法人社団健育会ねりま健育会病院、独立行政法人国立病院機構東京病院、地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立神経病院、国立障害者リハビリテーションセンター病院、 JR東京総合病院、独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院

お問い合わせ

リハビリテーション科
担当:前田
TEL:049-276-1255
E-mail:maekyo@saitama-med.ac.jp

診療科メンバーからのメッセージ

一緒に患者さんを
幸せにしませんか?
K先生
2021年入職
(2018年埼玉医科大学卒)
リハビリテーション科_K先生
醍醐味や目指す医師像
リハビリテーション科の醍醐味は「患者さんの良くなる過程を一緒に歩める」という所です。以外かもしれませんが多くの診療科では「急性・慢性的な悪化の防止」を目的としていることが多いです。「症状の改善」に特化している科はほとんどなく、中でもリハビリテーション科は症状だけでなく、生活、人生にも目を向けて、それらを豊かにしていこうという考えを持ったとても前向きな診療科です。私は脳卒中のリハビリテーションを専門として、麻痺や高次脳機能障害といった後遺症に悩まされている患者さんが、再び日常生活へ戻り、笑顔で趣味や仕事を楽しむ生活に戻れるように尽力していきたいと考えています。
リハビリテーション科_K先生1
リハビリテーション科を選んだ理由
一番の理由を正直に話すと母校だからです笑
しかしそれだけではありません。埼玉医科大学病院は地域の中核病院であるのはもちろんですが、その担う地域の範囲がとても広いため症例数や疾患の種類がとても豊富です。また、リハビリテーションの中でも脳卒中のリハビリテーションに興味を持っていたので、日本有数の脳卒中症例数を誇る埼玉医科大学国際医療センターでの研修ができる当院への入職を選びました。
リハビリテーション科_01
リハビリテーション科_02
入職して良かったこと
予想通りの豊富な症例に加えて、手厚い指導を受けられることに感激しました。リハビリテーション科はその対象疾患の幅が広いのも特徴の一つであるため、同じリハビリテーション科といっても得意分野に偏りはできてしまいます。埼玉医科大学病院・埼玉医科大学国際医療センターのスタッフを合わせるとほぼ全範囲のエキスパートが集まっており、各分野のスペシャリストから直接学ぶことができます。そして決して専攻医が多いわけではないからこその指導の手厚さは他の病院では得られません。
初期臨床研修医や医師の方へのメッセージ
「前向きなことが好き」「ライフワークバランスを重視したい」という方はとても合っていると思います。また、ライフステージの変化により働き方を変えたくなった際も、これまでに得た自分の強みを存分に活かすことができる診療科です。まずは見学やローテーションをお待ちしてます!
1日のスケジュール
8:15 出勤  
8:30 新患カンファレンス 直近1週間でリハ処方した新患の、訓練内容や方向性、ゴール設定をPT、PT、STと話し合います。
9:00 新患診察 各診療科からでたリハ依頼患者を診察し、必要な職種や訓練内容を処方します。
12:00 休憩  
14:00 外来リハビリテーション診察 通院リハビリテーションを受けている患者さんの診察、リハビリテーションの進歩状況を確認します。回復具合に合わせて、負荷量の変更やステージアップを療法士に指示します。
診療科・領域で経験できること
  • 埼玉医科大学病院では、運動器疾患、切断、小児疾患、神経筋疾患、呼吸器疾患、リウマチ性疾患が経験できます。
  • 埼玉医科大学国際医療センターでは脳血管障害・頭部外傷、心大血管疾患、悪性腫瘍、外傷性脊髄損傷を経験することができます。
  • また法人内の光の家療育センターでは重症心身障害児のリハビリテーションも経験できます。
  • 嚥下内視鏡検査・嚥下造影検査も盛んに行われており、医師主体で実施するため嚥下障害の評価技術の強い地盤で出来上がります。
  • 装具外来やボトックス外来といった専門外来行われており、リハビリテーション科医としての基礎づくりにしっかりと時間をかけることが出来ます。

専攻医インタビュー

帰っていく患者さんたちに
よりよい医療を
提供できるようになりたい
N先生
2024年入職
(2020年山形大学卒)
リハビリテーション科_N先生01
醍醐味や目指す医師像
リハビリテーション科は各診療科から依頼を受け、リハビリ処方のため診察を行うので、すべての診療科の疾患が診察の対象となります。そのため、「この領域の疾患」と限定されずいろいろな疾患に触れ、患者さんがどのような治療を受けているのか見ることができます。リハビリにおいて、どのような疾患のときに何に注意しなければならないかを網羅しなければならないので、ある意味で幅広い知識が要求されますが、患者さんが元気になって歩いて家に帰ったと報告を受けるときは嬉しく思います。
私は緩和医療科との兼担ですので、リハビリテーション科で機能予後予測、ADL維持・向上の方法論などについて学んで、地域に帰っていく患者さんたちによりよい医療を提供できるようになりたいと考えています。
リハビリテーション科_N先生02
リハビリテーション科を選んだ理由
緩和医療科で診療をしていて、患者さんが「家に帰りたい」と言っているのにその希望に添えないときは、すべてADLが悪いときだと気がついたからです。ADLが悪ければ、疾患の進行度・重症度にかかわらず自宅生活が困難となり、転院や施設入所を余儀なくされてしまいます。一人でも多くの方に希望の療養先で過ごしてもらえるよう、ADLについて学びながら、兼担先である埼玉医科大学病院緩和医療科でも並行して仕事ができるよう、現在の診療科を選択しました。
入職して良かったこと
まだまだ駆け出しですが、患者さんの機能予後の評価について少しずつわかってきたところで、この病院を出たあとの患者さんの生活について以前よりも想像しやすくなったことが良かったことだと思います。また、以前よりも幅広い疾患に触れる機会を得られ、知識も増えていると感じています。
初期臨床研修医や医師の方へのメッセージ
リハビリテーション科はリハビリ処方が主な業務で、「いつも依頼は書くけど、正直リハビリ医が何をしているのかよくわからない」という研修医の方がほとんどだと思います。確かに表面に見える仕事はリハビリ処方だけかもしれませんが、私たちは依頼をいただいた瞬間から、その患者さんをどうやって病院から送り出すかを考えています。興味を持ってくださった方がいればぜひ見学にいらしてください。
プログラムスケジュール
年次 研修先の病院名、診療科、特に注力する研修等 論文、院外活動、他
医師3年目 埼玉医科大学病院  
医師4年目 他院研修 回復期病棟での研修を含む
医師5年目 埼玉医科大学病院  
1日のスケジュール
8:40 出勤  
8:45 他科ミーティング 自分が前の週に処方した患者さんのリハビリ状況の報告を療法士から受け、相談します。
9:00 通院外来 外来通院でリハビリを続ける患者さんのリハビリ前診察を行います。
13:00 休憩  
14:00 入院患者診察 入院している患者さんでリハビリ依頼のあった方を、半日で1~4人診察しリハビリ処方をします。
17:00 退勤  
主な経験症例とおよその経験数
平均担当患者数
  • 各週10人

験症例
  • 人工股関節置換術後
  • 脳梗塞
  • 悪性腫瘍骨転移
  • 嚥下障害
  • 小児(運動発達遅滞)

リハビリを通して
患者さんの身体機能の回復や
QOLの改善のサポートを
K先生
2024年入職
(2021年埼玉医科大学卒)
リハビリテーション科_K先生01
醍醐味や目指す医師像
リハビリテーション科の醍醐味は、リハビリを通して患者さんの身体機能の回復や、QOLの改善のサポートをできる点です。
目指す医師像としては、様々な診療科からリハビリ依頼が来るため、患者さんそれぞれに応じたリハビリ内容やバイタルなどの制限の設定、療法士さんとの連携を通して、より良いリハビリを提供できるようになることです。また、リハビリテーションの分野の一つに嚥下評価があります。
嚥下をきちんと評価して、患者さんに最適な栄養摂取手段を提案できるようになりたいと思います。
リハビリテーション科_K先生02
リハビリテーション科を選んだ理由
様々な診療科からリハビリ依頼が来るため、経験できる症例が多いこと。
リハ医、言語聴覚士、栄養士とともに嚥下機能検査を行い、最適な栄養摂取手段を提案できること。
ボトックス、装具診など必要な手技、知識を経験できること。
入職して良かったこと
経験豊富な先生方がいらっしゃるため、何か困ったことがあってもすぐに聞けるような指導体制が整っていること。
仕事と休みのオンオフがはっきりしていること。
初期臨床研修医や医師の方へのメッセージ
初期研修中、リハビリテーション科に依頼は出すことはあっても、実際何をしている科なのか想像しづらいと思います。
リハビリに興味がある人はもちろん、どんなことをしている科なのか少しでも気になる方は、ぜひ見学やローテーションで当科の雰囲気を感じてください。
プログラムスケジュール
年次 研修先の病院名、診療科、特に注力する研修等 論文、院外活動、他
医師3年目 埼玉医科大学病院 がんリハビリテーション研修、学会参加
1日のスケジュール
8:30 出勤  
9:00 リハビリカンファレンス 先週処方した患者さんのリハビリ進捗状況を、療法士と確認します。
9:30 入院患者のリハビリ処方 リハビリ依頼がきた患者さんのカルテの情報収集、診察を行いリハビリ処方をします。
12:00 休憩  
14:00 通院リハ患者の診察やボトックス注射 外来通院でリハビリをしている患者さんの診察や、ボトックス注射の実施。
16:00 嚥下内視鏡検査、がんリハビリテーションカンファレンス 嚥下機能評価目的に嚥下内視鏡検査を行います。がん患者さんのリハビリについて、リハ医、療法士、看護師とともにカンファレンスをします。
土曜日9:00 嚥下造影検査 嚥下機能評価に嚥下造影検査を行います。
17:30 退勤  
主な経験症例とおよその経験数
平均担当患者数
  • 1~4/日

験症例
  • 整形外科疾患の術後(THA、TKA、頚髄症性脊髄症など)
  • 神経学的疾患(パーキンソン病、重症筋無力症、ギランバレー症候群、ALS、脳卒中など)
  • リウマチ膠原病疾患(関節リウマチ、強皮症、筋炎など)
  • 呼吸器疾患(肺癌、間質性肺炎、COVID19)
  • 小児疾患(新生児仮死、脳性麻痺など)
  • 形成外科(切断、皮弁など)
  • 経験できる手技(嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査、ボトックス)
リハビリ科専門医に必要な経験すべき症例は半年で9割以上は経験できています。