大学病院− 134 −小林梓1、池田真弓1、常深祐一郎11皮膚科学教室後天性穿孔性皮膚症(acquired perforating dermatosis:APD)は、糖尿病および慢性腎臓病(CKD)に合併する変性した真皮成分の経表皮性排泄像を伴う丘疹結節性発疹を特徴とする疾患であるが、その発症要因は明らかとされていない。糖尿病やCKDでは、生体内タンパク質の最終糖化生成物(advanced glycation endproducts:AGE)化ならびにカルボニル化が進行することが知られている。本研究ではインドキシル硫酸をはじめとした尿毒症物質に着目して、CKDを合併したAPDにおいて皮膚コラーゲンの変性や変性コラーゲンによる表皮角化細胞や線維芽細胞への影響を臨床検体および細胞実験により解析する。臨床検体の病態解析には、最新技術である次世代シークエンスによる空間的遺伝子解析を利用することでこれまで明らかとされていない変性コラーゲン周囲の細胞応答も明らかとなることが期待できる。本研究により、未だ明らかとされていないAPDの病態および発症機序を明らかとし、新規治療薬の開発や治療法の確立を目指す。得意な技術(ノウハウ)高速液体クロマトグラフィーを用いたインドキシル硫酸の定量慢性腎臓病モデルマウスの作製トリアシルグリセロールを指標にした皮脂量測定ハムスター脂腺細胞の単離と継代培養キーワード後天性穿孔性皮膚症,変性コラーゲン,最終糖化生成物,インドキシル硫酸構成員研究概要後天性穿孔性皮膚症の病態解明を目指した変性コラーゲンによる皮膚構成細胞に対する影響の解明皮膚科助教小林梓
元のページ ../index.html#136