大学病院− 139 −得意な技術(ノウハウ)基礎的研究免疫学的実験手法(ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降法など)自然免疫学における細胞内シグナリング研究臨床的手技硝子体手術河越龍方1、篠田啓11眼科ヒトにおいて感染性眼内炎は失明に至る重篤な疾患である。早期の硝子体手術と抗生剤投与が治療として重要であるが、ステロイドの投与の有効性に関しては相反する結果が報告されており、各施設各医師の判断で投与されているのが現状である。ヒトでは発症からの時間や菌種など条件が各症例で異なるため、ステロイドの効果をヒト-ヒト間で厳密に比較することが困難である。そこでウサギに眼内炎を発症させ、その後硝子体手術の後にステロイド全身投与をすることによって、ステロイドに網膜保護効果があるかどうかを明らかにする。1995年に発表された米国での多施設研究である、Endophthalmitis Vitrectomy Study (EVS)(1)では、全例にプレドニン60mg投与されている。その後一般的には硝子体術後にステロイド全身投与がなされることが多いが、その効果について検討された報告はない。硝子体手術に関しては、ウサギを用いた研究により、より早期に行うことが視機能予後に重要であることが示されている(2)。そこで、Bacillus cereusによるウサギ眼内炎モデルを作製し、硝子体手術後に、ステロイドの1.全身投与、2.硝子体内注射、3.テノン嚢下注射、4.投与なしの4郡に分けて、網膜電図をもちいて、ステロイドによる網膜障害の抑制効果を検討する。(1)Arch Ophthalmol. 113:1479-1496, 1995(2)RETINA 31:1518–1524, 2011構成員研究概要眼内炎術後の炎症遷延による組織障害の評価大学病院眼科准教授河越龍方キーワードぶどう膜炎、眼内炎
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