埼玉医科大学研究シーズ集
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大学病院− 177 −岡田義昭1、小林清子11輸血・細胞移植部血漿分画製剤はウイルス除去・不活化工程の導入によって安全性が飛躍的に向上し、輸血用血液製剤も新しい不活化法が検討されている。しかし、B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)は、現在においても培養が困難であり、性状が類似した培養可能な動物由来のウイルス(モデルウイルス)を用いた不活化法の評価が行われているにすぎない。モデルウイルスが本当にHBVやHCVの性状を反映しているのか不明である。我々は、遺伝子改編によってウイルスに対して高感受性を示す細胞株を作成し、血漿由来のHBVを用いて液状加熱や界面活性剤による不活化法の評価を行い、モデルウイルスと比較検討している。また、抗HBs免疫グロブリン製剤によるHBVの中和活性についてもチンパンジーを用いた検討以外に報告はないため、このin vitro評価系を用いて中和活性の評価を行なっている。得意な技術(ノウハウ)基礎研究・血液製剤におけるウイルス不活化法の実験的評価・B型肝炎ウイルスやパルボウイルスB 19の培養法の開発・遺伝子改編技術を用いたウイルス高感受性細胞株の作成知的財産・論文・学会発表学会発表1)岡田義昭、小林清子、野島清子:B型肝炎ウイルスのin vitro培養法を用いた血液製剤の不活化効果の評価と抗HBs免疫グロブリンの中和活性の測定(第2報)、第71回日本輸血・細胞治療学会総会、2023年5月2)岡田義昭、野島清子:B型肝炎ウイルスのin vitro培養法を用いた血液製剤の不活化効果の評価と抗HBs免疫グロブリン製剤の中和活性の測定、第70回日本輸血・細胞治療学会総会、2022年5月構成員研究概要実ウイルスを用いた血液製剤の病原体不活化法の研究輸血・細胞移植部客員准教授岡田義昭キーワード血液製剤、不活化法、ウイルス培養法の開発

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