埼玉医科大学研究シーズ集
180/304

大学病院− 178 −志食絵理1、鶴岡恵1、味原さや香1,2、佐藤はづき1,3、上村のぞみ1,3、水野洋介1,4、松本浩2、難波聡1,3、沼倉周彦1,21ゲノム医療科、2小児科、3産科婦人科、4中央研究施設形態部門ミトコンドリア病は、核遺伝子とミトコンドリア遺伝子の両者が病因となり、全ての遺伝形式、全ての年齢、全身の様々な臓器症状で発病する、最も頻度の高い先天代謝異常症である。私達は順天堂大学、千葉県こども病院との共同で、次世代シーケンサーおよびマルチオミクス解析を応用した病因遺伝子と病態の解明、および新規治療法の開発に向けた研究を行なっており、これまでに524症例の病因を解明してきた(図)。共同研究の中での私達の役割は、①患者レジストリ、②生殖医療(出生前診断と着床前診断)である。2023年12月現在で、①についてはLeigh脳症を中心とする148例の患者登録を終えており、②については出生前診断37例、着床前診断5例(核遺伝子3例、ミトコンドリア遺伝子2例)に着手し1例の妊娠を確認している他、胚培養液を用いた低侵襲診断法の開発にも着手している。今後も、ミトコンドリア病診断治療機関としての埼玉医大のブランド力向上を目指し、個々のミトコンドリア病患者の診断、病態解明を高効率、低負担で実現することを目指す。得意な技術(ノウハウ)高分子タンパク質のBlue Native 電気泳動による解析ミトコンドリア病の治療研究:5-ミノレブリン酸/クエン酸第1鉄製剤を用いた医師主導治験知的財産・論文・学会発表論文Suzuki-Ajihara S, et al. Mol Genet Metab Rep. 2023 doi: 10.1016/j.ymgmr.2023.100966. 図ミトコンドリア病524例の病因遺伝子別の臨床病型構成員研究概要ミトコンドリア病:レジストリと生殖医療ゲノム医療科特任教授大竹明キーワードミトコンドリア病患者レジストリ出生前診断着床前診断

元のページ  ../index.html#180

このブックを見る