埼玉医科大学研究シーズ集
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− 195 −羽藤泰1、杉山亜斗1、鹿島田寛明1、河野光智1、中山光男11埼玉医科大学総合医療センター呼吸器外科免疫チェックポイント療法、とくにPD-1/PD-L1を標的とする抗体医薬が実臨床で使われている。PD-L1高発現症例であるほど、治療への反応が良い傾向はあるが、PD-L1発現陰性であっても反応する症例がある。すなわち、PD-L1発現は不完全な予測因子である。このような免疫チェックポイント分子制御に関わる因子として、インターフェロン-γ刺激や低酸素刺激が知られているが、われわれは癌の低酸素応答の一部としてVEGF/VEGFR2シグナルの遮断ががん微小環境のPD-L1発現を増幅することを見出し、そのメカニズムの解明を目指している。また、抗腫瘍免疫活性が高まると、高位血管内皮細胞が腫瘍内に新生し、リンパ球浸潤の出先機関である三次リンパ装置の成熟をもたらすことが知られている。われわれは臨床検体を用いて、高位血管内皮細胞の出現機構についての解析を行っている。得意な技術(ノウハウ)マウスの外科手術(orthotopicmodel)マウス由来オルガノイドを用いた3次元低酸素培養解析システム組織切片の微小血管定量知的財産・論文・学会発表学会発表ElasticaMassonGoldner(EMG)染色切片のデジタル定量評価を用いたI期肺腺癌の腫瘍内弾性線維増生に関与する因子の臨床病理学的探索(会議録)杉山亜斗,羽藤泰,鹿島田寛明,山口雅利,井上慶明,青木耕平,福田祐樹,河野光智,儀賀理暁,中山光男第75回日本胸部外科学会定期学術集会2022年10月5-8日横浜論文HatoT, ZhuAX,DudaDG.Rationallycombininganti-VEGFtherapywithcheckpointinhibitorsinhepatocellularcarcinoma.Immunotherapy.2016;8(3):299-313.doi:10.2217/imt.15.126.オルガノイド内のPD-L1発現上昇の例構成員研究概要腫瘍血管内皮細胞によるがん免疫制御機構の解析総合医療センター呼吸器外科准教授羽藤泰キーワードがん微小環境、血管内皮細胞、高位血管内皮細胞、VEGF

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