埼玉医科大学研究シーズ集
204/304

− 202 −是松聖悟(小児科)文部科研費基盤C課題番号20K08208共同研究者全国33定点施設担当者2015年、エンテロウイルスD68流行に伴いそれをトリガーとする小児喘息発作が全国で急増した。我々は全国157病院の2010–2015年度のデータを調査し、エンテロウイルスD68の流行と小児喘息発作入院に因果関係があることを証明した。この結果は全国の29新聞誌面で紹介された。2020年度からは前方視的な小児喘息発作入院サーベイランスを実施している。全国33病院を定点施設の小児喘息発作入院のトレンドを集め、専用ウエブサイトにて公開している(https://asthma-attack.children.jp/view.php?page=index)。定点施設で重症例や多発例が生じた場合、当院に咽頭ぬぐい液を送付してもらい多項目PCR検査を実施している。COVID-19のパンデミック下では、小児では各種感染症が流行しなくなり、喘息発作入院数は減少した。入院例のうちSARS-CoV-2は2,095名中36名のみが陽性であったが軽症でありCOVID-19が小児喘息を重症化させるものではないことを証明した。これも全国の24新聞誌面で紹介された。得意な技術(ノウハウ)小児の喘息発作入院とその原因となる病原体をモニタリングしている世界唯一のNationalSurvey。多項目PCR検査。論文1.KorematsuS,etal.ʻʼSpikeʼʼinacuteasthmaexacerbationsduringenterovirusD68epidemicinJapan: anation-widesurvey.AllergolInt 2018; 67:55-60.2.KorematsuS,eal.SuppressedpediatricasthmahospitalizationduringtheCOVID-19pandemicinJapan,fromanationalsurvey.ClinTranslAllergy,inpress.構成員研究概要喘息発作の全国サーベイランスを介した呼吸器感染症の早期検出と流行把握の研究小児科教授是松聖悟キーワード気管支喘息、呼吸器感染症、小児気管支喘息発作入院サーベイランス

元のページ  ../index.html#204

このブックを見る