埼玉医科大学研究シーズ集
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− 243 −筒井健太1,田中尚道1,千本松孝明2,加藤律史11埼玉医科大学国際医療センター心臓内科2埼玉医科大学RAセンター近年急増している心不全など心疾患の予後を改善するため、根本的原因である「心臓老化」を診断する手法が求められる。私たちは、動物を用いた一連の研究で安静時の心拍数ゆらぎ(HeartRateVariability,HRV)データを心臓成分と自律神経成分へと非侵襲的に分離する新ソフトウェア「PacemakerSignature」を開発した。さらに、同機能で得られるHRV心臓成分が老化や心疾患と関連して変化することを見出した。ヒトに応用することを目指し、日常診療の範囲で、洞結節評価を必要な患者から取得された自律神経ブロック前後の心電図を用いてHRV情報を収集しPacemakerSignatureをヒトへ対応させた。この成果はイスラエル工科大学との国際共同研究として結実し、2023年にScientificReports誌にて広く発表し、高い評価を得た。今後、加齢とともに変化する心拍揺らぎのメカニズムについて、細胞モデルを用いて詳細に検討することなどを予定している。得意な技術(ノウハウ)パッチクランプや光学マッピングなどの基礎研究的手法と、臨床電気生理検査やカテーテルアブレーション、臨床研究との両方を得意とする。日常診療で得られる患者さんのデータを利用させていただき、ヒトの心拍揺らぎ特性の解析、深層学習技術を用いた心電図自動診断、不整脈発生予知モデルの開発を行っている。知的財産・論文・学会発表学会発表「心拍揺らぎを用いたヒト心臓老化の診断確立」日本循環器学会年次総会,2023年3月他論文Weiser-BitounI、MoriH, NabeshimaT,TsutsuiK,Yaniv,etal,SciRep. 2023Nov1;13(1):18875.doi:10.1038/s41598-023-45101-7.心臓老化心拍揺らぎ(heart ratevariabiilty)構成員研究概要心拍揺らぎを用いたヒト心臓老化の診断確立心臓内科講師筒井健太キーワード

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