(2021.03.06The94thAnnualMeetingof− 245 −田中尚道1,筒井健太1,千本松孝明1,21埼玉医科大学国際医療センター心臓内科2埼玉医科大学RAセンター心不全は典型的な加齢性疾患であり、循環器領域において加齢性変化の成す現象の究明は喫緊の課題と言える。昨今老化心臓(agingheart)に関する数多くの研究が成されているが未だメカニズムの解明には至っていない。心筋細胞は増殖能が極めて乏しくinvitroでのヒト心筋病理を研究するための心筋細胞実験モデルが限られるため研究が難しいとされている。私たちの研究室では、従来非常に難しいとされていた初代培養細胞、特に患者由来検体を用いた病的老化変化を高度に伴う劣悪な細胞からの高効率iPS誘導法を確立した。今後はこの新しいiPS技術を用いてiPS心筋細胞を用いた老化心臓研究のためのinvitroプラットフォームの確立を目指している。そして新しいinvitroプラットフォームを用いた実験により、未だ解明されていない心臓老化の起点となり得る細胞学的現象の究明を目標としている。得意な技術(ノウハウ)初代培養細胞からのiPS細胞作製と、その過程で必要とされるDNA/RNAに対する基本的なハンドリング法、またiPS細胞からの心筋細胞分化誘導法、免疫染色、デジタルPCR等を用いて標的とするマーカの検出と定量解析などの基礎研究的手法を習得している。中でも特に難しいとされている患者由来の高度に老化した病的細胞など、劣悪な初代培養細胞からのiPS細胞誘導を得意とする。知的財産・論文・学会発表学会発表DevelopmentofhighEfficientmethodinhumaniPSinductionfrompatientderivedprimarycells.theJapanesePharmacological Society)論文TanakaN,KatoH,TsudaH,SatoY,MuramatsuT,IguchiA,NakajimaH,YoshitakeA,SenbonmatsuT.DevelopmentofaHigh-EfficacyReprogrammingMethodforGeneratingHumanInducedPluripotentStem(iPS)CellsfromPathologicandSenescentSomaticCells. Int J Moi Sci.2020, 21(18): 6764.構成員研究概要iPS細胞由来心筋細胞を用いた心臓老化IN VITROプラットフォームの確立心臓内科助教田中尚道キーワードiPS細胞、心筋細胞、初代培養、心臓老化(agingheart)
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