埼玉医科大学研究シーズ集
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− 268 −中平光彦1、蝦原康宏1、山﨑知子1、松村聡子1、井上準1、榎木祐一郎11頭頸部腫瘍科①簇出と上皮間葉関連遺伝子発現による早期舌癌における新規リスク因子の探索舌癌における精確な頸部リンパ節転移予測因子は未確立であるが、腫瘍辺縁でのEMT (peripheral-EMT) 関連遺伝子発現が癌悪性度に関連することが報告されている。ここから、簇出部癌細胞におけるpEMT関連遺伝子の発現を多重免疫染色にて複数同時解析することで、これらを用いたアルゴリズムによる早期舌癌症例のリスク層別化を最終目標とする。②甲状腺術後の反回神経麻痺と副甲状腺機能低下甲状腺手術の合併症として反回神経麻痺と副甲状腺機能低下は重要である。当科では院内Qualityindicatorとして、甲状腺術後合併症を継続的にモニターしており、術後反回神経麻痺と副甲状腺機能低下のリスク因子同定を目標として、患者因子・疾患因子・手術因子にて解析する。③高齢・非喫煙者の口腔がんの発がん因子解明に関する研究口腔癌のリスク因子としては喫煙が最も重要であり従前は口腔癌の多くは喫煙者に生じることが多い癌と考えられてきたが、近年非喫煙かつ高齢の口腔癌が増加している。我が国においては他国と比較して急速に高齢化が進行しており、高齢者で増加している癌のリスク因子の研究を進めていく。得意な技術(ノウハウ)臨床データ解析、病理標本による病理・分子生物学的アプローチ知的財産・論文・学会発表1.Ebihara Y. Importance of tumor budding grade as independent prognostic factor forearly tongue squamous cell carcinoma.Head Neck.2019;41(6):1809-1815. doi:10.1002/hed.25614.2.Hamada M. Podoplanin is an efficient predictor of neck lymph node metastasis intongue squamous cell carcinoma with low tumor budding grade. M.Oncol Lett.2020;19(4):2602-2608. doi: 10.3892/ol.2020.11358.3.澤田政史. 甲状腺手術における術後反回神経麻痺の臨床的.2022. 34巻19-24.4.Inoue H. Identification of novel oncogenes in oral cancer among elderlynonsmokers.Clin Exp Dent Res. 2023;9(4):711-720. doi: 10.1002/cre2.739.簇出、甲状腺術後有害事象、口腔がん発がん因子構成員研究概要頭頸部がんにおける包括的臨床研究I 頭頸部腫瘍科教授蝦原康宏キーワード

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