菅理江、青葉ー藤牧香代、高田真理.吸着行動をもちいた、ウシガエル幼生吸着器に発現するENaCの活性医学部− 36 −菅理江1、金子優子2小柴満美子31教養教育2保健医療学部看護学科3小児科初期学習のメカニズムと初期経験の成熟後の行動への影響について、いくつかの動物種を用いて研究している。1)ヒヨコの刻印づけにおける初期学習のメカニズムの検討初期学習である刻印づけ(インプリンティング)は、誕生後の早い時期に特定の物体に対して偏好をしめし、追従する現象である。実験場面における刻印付けでは、人工物(刻印づけ刺激)への暴露後、刻印づけに必須な脳部位であるintermediate and medial mesopallium (IMM) において、刻印づけ刺激に対して選択的に反応を示す細胞が観察され、記憶の固定化によって著しい増加がみられる。これまで、この短時間の間にIMMで発現した即初期遺伝子のカスケードが学習に関連すること、固定化に際しても外的な刺激がないにも関わらず即初期遺伝子発現の増加がみられることを明らかにしてきた。現在は、初期学習における「記憶が固定化される以前の」記憶表象の形成メカニズムについて研究を続けている。2)コモン・マーモセット新生期低酸素暴露モデルを用いた脳室周囲白質軟化症のメカニズムの解明胎児期の脳室周囲白質軟化症のモデルとして、誕生直後のマーモセットを低酸素環境に暴露し、その後の行動の変化や脳室周囲部のオリゴデンドロサイトの分化を検討している。3)アフリカツメガエル・ウシガエル幼生における吸着行動を用いたENaCの活性の検討成体の上皮に発現するアミロライド感受性ナトリウムチャネル(ENaC)はその幼体であるオタマジャクシにも発現するが、必ずしも機能しているわけではない。ウシガエルにおいて吸着器にENaCが局在することが確かめられたため、オタマジャクシの吸着行動のアミロライドによる阻害によってその機能を検討している。得意な技術(ノウハウ)行動実験免疫組織化学知的財産・論文・学会発表学会発表Suge R, Tao T, Yamanouchi H, Kamei Y, Koshiba M.Effects of hypoxic stress on periventricular glial cells in neonatal common marmosets. 第100回日本生理学会.2023年3月.の検討.第95回日本生理学会.2018年3月.論文Suge R, Kato H, McCabe BJ. Rapid induction of the immediate early gene c-fosin a chick forebrain system involved in memory. Experimental Brain Research. 2010, 200,183-188.キーワード学習と記憶初期学習臨界期刻印づけ神経可塑性構成員研究概要初期学習のメカニズムと成熟後の行動への影響教養教育准教授菅理江
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