埼玉医科大学研究シーズ集
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医学部CDK4RelativereadcountSignallevelMDM212q13-21②予後不良肺腺癌(2)微小乳頭状成分微小乳頭状腺癌置換型成分− 53 −奥寺康司1、松村舞依1、片岡俊朗1、岩下広道11医学部・病理学肺がんのなかには、昨今の治療技術の劇的な進歩によっても依然完治できない予後不良な集団が存在します。私たちはこれまでに①KRAS変異を持つ腺房型・充実型肺腺癌と②EGFR変異を持つ微小乳頭型肺腺癌の2系統の予後不良肺がんがあることを明らかにしています。前者は喫煙者、後者は非喫煙者に生じ、それぞれ異なる臨床病理学的特性を示すことから、互いに違った種類の腫瘍(=個別の疾患)であると考えられます。私たちの研究の目的は、これらの予後不良肺がんがどのような組織発生を経て生じ、どのような分子異常を持っているのかを明らかし、そこから予後指標となるバイオマーカーや治療標的分子を同定することです。*成果の一例を以下に示します。微小乳頭状腫瘍をマイクロディセクション法で分取し全エクソンシーケンスを行った結果、特徴的な遺伝子増幅をみつけることができました。予後不良肺がんのバイオマーカーとして期待されます。得意な技術(ノウハウ)組織学的解析(形態計測による画像解析、免疫染色、特殊染色、FISH)マイクロダイセクション(組織学的解像度の組織・細胞分取からのゲノム解析や遺伝子発現解析)知的財産・論文・学会発表OkudelaK, Matsumura M, et al. The nonsmokers' and smokers' pathways in lung adenocarcinoma. Cancer Sci, 2021, 112(9), 3411-3418, 10.1111/cas.15031キーワード構成員研究概要高悪性度肺がんの分子基盤病理学教授奥寺康司肺がん間質性肺炎KRASがん遺伝子EGFRがん遺伝子

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