埼玉医科大学研究シーズ集
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医学部− 58 −堀内大1、村上孝11医学部微生物学悪性黒色腫(メラノーマ)は代表的な難治性悪性腫瘍である。難治性の最大の要因は、メラノーマ細胞が持つ高い表現型可塑性と、それに基づく腫瘍の不均一な細胞状態にある。近年、治療による細胞傷害を休眠状態でやり過ごす「パーシスター細胞」と呼ばれる細胞状態が注目されている。我々はメラノーマ細胞の表現型変化の新規誘導方法を見出した。この方法を利用して、メラノーマやその他のがん細胞に表現型可塑性をもたらす機序を解明し、その可塑性を抑えて治療感受性を高める研究を進めている。得意な技術(ノウハウ)1.細胞間コミュニケーションのex vivo解析2.蛍光プローブを利用した各種ライブセルイメージング3.セルソーターを利用した迅速なノックアウト細胞株の作製知的財産・論文・学会発表学会発表(2023年度)1.畑澤さら, 安藤優希枝, 又木萌萌,中村彰宏,市川朝永,堀内大,村上孝. 細菌感染を耐過した腫瘍細胞は免疫逃避能を持つ.第82回日本癌学会学術総会.2023年9月23日.2.堀内大,畑澤さら, 安藤優希枝, 又木萌萌, 村上孝. Melanoma cells that survived intracellular bacterial infection evade immunological elimination.第52回日本免疫学会学術集会.2024年1月18日.3.安藤優希枝,畑澤さら,又木萌萌, 中村彰宏,堀内大,村上孝.“Persister” B16 melanoma cells that survive cytotoxic agents stimulate host immune responses but evade immunologic elimination.第52回日本免疫学会学術集会.2024年1月19日.構成員研究概要悪性黒色腫細胞の表現型可塑性に関する研究微生物学講師堀内大キーワード悪性黒色腫、治療耐性、細胞死、細胞老化、パーシスター細胞

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