埼玉医科大学研究シーズ集
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医学部− 67 −石原由夏1、水野由美1,21中央研究施設実験動物部門、2産科・婦人科中央研究施設実験動物部門は本学の研究者が動物実験を実施する共同利用施設であり、我々は実験動物の微生物学的品質(実験動物が感染症に感染していないこと)を保証するために、おとり動物を用いた定期的な微生物モニタリング検査を実施している。おとり動物を用いた微生物モニタリング検査の利点は、研究者の実験動物を使用しない、検査目的に合致した実験動物をおとり動物として使用できる等が挙げられる。しかし、おとり動物は研究者の実験動物と間接的に暴露させることで感染が成立するため、研究者の動物の健康状態や衛生状態の把握が不十分な場合がある。本学で実施している微生物モニタリング検査は、各微生物で検査方法が異なり、培養検査、抗体検査、直接塗抹による鏡検、PCR検査を用いている。培養検査、直接塗抹による鏡検は現在の感染状況、抗体検査は過去の感染状況を確認する検査方法であるため、おとり動物の感染状況または採材する時期によっては検出できない場合もあり、陰性結果の解釈が難しく、また抗体検査で陽性の場合はすでに飼育室全体、状況によっては隣接する飼育室にも感染症が蔓延しており手遅れになる場合もある。以上のことから、おとり動物を使用せずに研究者の実験動物の糞便等を用い、簡便・迅速に微生物を広く網羅的に検出するシステムが必要と考え、従来の方法を応用した新しい検査方法の開発を行っている。本研究により、一度の解析で多項目検査を可能とし、病原体の拡散リスクの低減や、解剖なしに検査が可能となり、実験動物の3Rの原則(Replacement,Reduction, Refinement)に配慮できると考える。得意な技術(ノウハウ)実験動物の細菌培養・判定実験動物の原虫・寄生虫の判定知的財産・論文・学会発表未発表助手石原由夏構成員研究概要実験動物の簡易型微生物検出パネルの作製を目指した技術開発研究中央研究施設

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