医学部2018, 22(1),50-63, DOI: 10.1016/j.stem.2017.11.004.− 69 −佐藤哲也1、平崎由利絵1、石田道子1、千本松孝明1,21中央研究施設日高ブランチ機能部門2リサーチアドミニストレーションセンター、国際医療センター心臓内科公共データベースに蓄積されたNGSデータから、新たな知識獲得を目指すデータ解析研究を行なっている。公共データには、クオリティーが低いデータが多数含まれているため、高品質データのみでいかに公共データを解析するかが重要である。我々との共同研究を通して公共データを再解析(利活用)することで、実験することなく高品質な解析結果の取得が可能となる。①公共データクオリティコントロール異なる施設で取得されたデータを組み合わせることで、再現性や信頼性が担保されたデータ解析を実施する。独自のクオリティーコントロールにより、解析に使用すべき公共データを取捨選択することで、注目する現象の解像度を上げる(図1)。②個別化ゲノムへの対応通常のヒトゲノム解析では、リファレンスゲノム配列を利用する。しかし、個人差が顕著な免疫関係遺伝子領域に対しては、リファレンスゲノム配列では正確な解析が困難である。そこで、リファレンスゲノム配列から各個人に対応した免疫関係遺伝子配列に差し替えることによって、高精度な個別化解析を実施する(図2)。得意な技術(ノウハウ)共同研究実績:これまでAMED「エピゲノム」、CREST「大腸がん」及び新学術領域研究「性差」のプロジェクトメンバーとしてドライ解析を一手に引き受けてきた経験を通してデータ解析ノウハウを習得。共同研究論文多数(Nature, Science含む)。解析経験のあるデータ:塩基アンプリコン配列、全エクソン配列(WES)、全ゲノム配列(WGS)、解析経験のある生物種:ヒト、マウス、メダカ、ショウジョウバエ、シロイヌナズナ、バクテリアなど知的財産・論文・学会発表論文Okae, Toh, Sato et al.Derivation of Human Trophoblast Stem Cells.Cell Stem Cell, 特許出願等合同会社H.U.グループ中央研究所.佐藤哲也.リンチ症候群大腸がん検査方法、及びそれに用いるリンチ症候群大腸がん検査用キット.特開2022-008193.2021年6月21日.公開前出願済特許他3件DNAメチル化、ChIP-Seq、ATAC-Seq、RNA-Seq、RIP-Seq、Hi-CなどシングルセルscRNA-Seq、scATAC-Seq、Visiumプロテオゲノミクス(WGS、RNA-Seq、質量分析データの統合解析)ゲノム解析、個別化医療、免疫関連遺伝子構成員研究概要バイオインフォマティクスによる公共データ再解析中央研究施設准教授佐藤哲也キーワード
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