埼玉医科大学研究シーズ集
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大学病院− 97 −近年、造血器腫瘍、特に悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の発症数が年々増加傾向であるが、造血器腫瘍の成因は不明な点が多い。造血器腫瘍では疾患関連の染色体異常や遺伝子変異が発見されていて、分子標的治療の開発が進んでいる。また、染色体異常や遺伝子変異がウイルス感染と関係していることが知られており、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)による成人T細胞性白血病・リンパ腫やエプスタイン・バーウイルス(EBV)によるバーキットリンパ腫のように造血器腫瘍の中にはウイルス感染が関与している疾患がある。しかしながら、多くの造血器腫瘍の場合、ウイルス感染による関与は未だ不明である。遺伝子変異や染色体異常は悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の発症や病勢増悪に関与していることがわかっているが、未報告のウイルスとの関係は知られていない。本研究では、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の発症や病勢増悪に関与しているウイルスを同定する。これによって病勢発症や増悪に対する薬剤やワクチンの開発につながると考える。中村裕一1、伊藤善啓1、坂本朋之1、脇本直樹11血液内科得意な技術(ノウハウ)次世代シークエンサーによるB細胞腫瘍内のViromeについて臨床研究知的財産・論文・学会発表2021年度~2023年度文部科学省科学研究費基盤研究(C)(一般)研究科題名:B細胞性腫瘍を対象としたウイルス探索と臨床応用構成員研究概要B細胞腫瘍、発症、進行、Virome血液がんとウイルス血液内科教授照井康仁キーワード

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