埼玉 Breast Care Nursing研究会

SINCE: 11.10.2007

                                                                                                                                           

 


   

                             ボディイメージ変容のケア

 

 

円形吹き出し: Q1:乳房切除術を受けた患者さんですが、手術後は胸を見ることも、触ることも怖いと訴えています。

 

 

 

 

    

術前に説明を受けて受容できていたとしても、実際に乳房を喪失したという事実は

患者さんにとって衝撃的な経験です。患者さんの乳房喪失によるボディイメージの変化を

理解し、悲しみや辛い気持ちに寄り添うことが大切です。また、術後の痛みや創状態は

どうでしょうか?身体的苦痛により創への恐怖を感じてしまう患者さんもいますので

身体的苦痛の軽減を図ることも必要です。無理に創直視を促すのではなく、

「創は順調に回復していますよ。」等声をかけ変化を受け入れる為の心の準備を促していく

ことが大切です。退院までに創を見られない場合は外来での対応や、家族等の協力を得て、

創管理を行うのもよいでしょう。

 

 

 

 

 

円形吹き出し: Q2: 手術後、患者さんより補整下着についての質問
されました。補整方法をどのように説明すれば良いです。

 

 

 

 

 

角丸四角形吹き出し: 患者さんの術前のバストサイズやどのような下着を身につけていたか確認しましょう。
そして術式や創の位置、変形の程度はどうでしょうか。まずは患者さんの背景、術式等の情報を得ることが大切です。
 補整の目的としては、乳房の膨らみを補うだけではなく、手術によって身体の重心が
アンバランスになることによる肩こりや腰痛、姿勢の変化を予防すること、保温や衝撃を和らげることなどがあります。手術直後〜創状態が落ち着く頃(1〜2ヶ月頃)まではソフトタイプのものが楽でしょう。
乳房切除の場合、創が落ち着き、放射線治療があれば皮膚症状が落ち着いた頃より、パッドを入れるポケット付きのフルカップで肩ひもが幅広のブラジャーを使用するのが良いでしょう。パッドはシリコン製、ウレタン製、またおはじきなどを利用した手作りのもの等が利用できます。価格や目的、装着感等で使い分けるのもよいでしょう。
温存術の場合、温存術後のパッドやビーズの入った補整ブラジャー等もありますが、
創の位置や変形の程度によっては今までの下着を使用可能の事も多いです。
補整パッド、下着ともに現在多数のメーカーより出ており、素材やデザイン、価格等
各メーカ ーによって特徴があります。
  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

   

 

 

 

角丸四角形吹き出し: <補整パッドの素材の特徴>
 
	メリット	デメリット
ウレタンフオーム
(スポンジ)	・シリコン製より値段が安い
・柔らかく軽量
・リラックスが出来る
・重さを感じない	・体の重心を整えるには不十分
・耐久性がシリコンに比べて劣る
・洗濯に手間がかかる
・軽いため、ずれやすい
シリコン	・乳房全体の補整が可能
・体のバランスを整える
・専用カバーがついており、  
 吸水性・耐久性がある	・通気性がない
・重さを負担に感じる
・価格が高い

シリコン内蔵
パッド	・安価である
・シリコンより軽い	・サイズ展開が少ない
・選択に手間がかかり、乾燥に時間を要す