埼玉 Breast Care Nursing研究会

SINCE: 11.10.2007

                                                                                                                                           

 


   

                                                検査時のケア

 

 

円形吹き出し: Q1:検査結果が出るまで、不安で仕方がないという
患者さんへの対応はどのようにすれば良いですか?

 

 

 

 

   患者さんにとって、検査結果が出て確定診断がつくまでの時期は、がんという病気や

治療への不安、今後の将来への不安や病気に伴う日常生活の不安などが生じ、心理的ストレ

スが高まる時期と言われています。施設により、検査の結果が出る時期は異なりますが、

おおよそ7日〜10日間程度です。その間、患者さんに生じる様々な不安や疑問を傾聴し、

必要に応じて情報提供を行っていくことが必要です。また、確定診断がつくまでの期間の

心理的サポートを行う場(乳腺看護外来など)や相談窓口の紹介など患者さんの不安や疑問に

対応できる体制作りを行い、サポートの継続を保障していくことが、自宅で過ごす患者さんの

安心感につながります。 

   <検査結果を待つ患者さんの心理とサポート>

結果を待つ間の心理

・「がんだったらどうしよう」

        「検査結果を待っている間に悪くなってしまうかもしれない」

・「もっと早くに受診をすれば良かった」

・「他の先生にも見てもらったほうがよいだろうか」

 など、検査結果に対してさまざまな不安が生じます。

看護師のサポート

・患者さんの表出する不安の傾聴

・しこりを見つけた時期からこれまでの、つらい気持ちへの共感的支援

・検査への理解の確認と情報提供

・自宅に戻ってからも、患者さんの疑問や不安などに対応できる体制づくり

    メディカ出版:乳がん看護困った!にこたえるサポートブックp.11より一部抜粋

 

 

 

円形吹き出し: Q2:針生検をしたくないと話す患者さんがいます。
    どうしたら良いですか?

 

 

 

 

角丸四角形吹き出し: 乳がんの診断やがん細胞の性質(ホルモンレセプターやHER2など)を調べるために、細胞診や組織診などの針を用いた検査が行われます。(下記参照)針生検は患者さんへの侵襲があり、針生検への恐怖感や不安などが生じる場合があります。しこりなどの自覚がない場合、針生検の必要性に対する理解が得られにくいこともあります。検査をしたくないと話す患者さんへの対応として、なぜ検査をしたくないのか、患者の気持ちや検査への恐怖感や不安などを傾聴することが必要となります。また、患者さんの中には検査への間違った情報から恐怖感を過剰に抱いたり、検査に関する知識不足などから、検査をしくないという気持ちが生じることがあります。医師の説明を患者さんがどう認識し理解をしているのかを把握し、必要に応じて患者さんの間違った認識を修正し、不足している情報を提供することが必要です。どのような検査をどのような目的で行うのか、その具体的方法と検査に伴う苦痛について説明を行っていきます。針生検を含め、乳腺検査は羞恥心や緊張感を伴う検査が多いため、検査時の患者さんへの声かけや露出部位をできるだけ少なくするなどの、羞恥心や緊張感への配慮を行っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

角丸四角形吹き出し: <確定診断に用いられる検査>
1)細胞診
(1)	穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration cytology)
  採血用の針を用いて穿刺し、細胞を採取する検査。局所麻酔を用いずに行うことが多い。
(2)	分泌細胞診(cytology of discharge)
   乳頭からの分泌物をプレパラートにつけて提出する検査。
2)組織診
(1)	コアニードル生検(core needle biopsy)
  細胞診よりも太い(18G〜14G程度)針を用いて、組織を採取する検査。針が太いため、局所麻酔が必要となる。
(2)	マンモトーム生検・吸引式組織生検
  専用の機器を用いて、エコー下もしくはステレオガイド下で行われる生検。局所麻酔を用いて5mm程度の皮膚切開を行い、マンモトーム生検など専用の機器を用いて組織の採取を行う。1回の穿刺で、吸引をかけながら内筒を出し入れすることで、360度どの方向から何度でも組織を採取することができる。
(3)切開生検
  外科的に病変の一部もしくは全体を切り取る方法。現在はマンモトームや針生検が多く行われるようになったため、あまり行われなくなっている。