埼玉 Breast Care Nursing研究会

SINCE: 11.10.2007

                                                                                                                                           

 


   

                                     セクシュアリティのサポート

 

 

円形吹き出し: Q1:セクシュアリティ (性)について患者さんと
どのように話をすれば良いですか?

 

 

 

角丸四角形吹き出し:

 

 セクシュアリティは私たち人間が食事をしたり、寝たりすることと同様、大切な暮らしの

一部です。そのため年齢や既婚、未婚関係なくすべての患者さんに対して、またパートナーに

対しても情報を提供することが大切です。セクシュアリティについて話すタイミングは術後の

日常生活指導時や化学療法や内分泌療法等の治療の副作用の説明と組み合わせて話をするのが

効果的でしょう。「困ったことがあれば言ってくださいね」と性の相談ができることを伝え、

パンフレットを渡したり、「副作用で性交痛があることもありますが、膣潤滑ゼリー等も

ありますよ」とサンプル等を紹介し情報の提供を行うのもよいでしょう。

 

 

 

 

 

円形吹き出し: Q2:30代後半の患者さんが、これから結婚し、妊娠・出産も考えているようです。どのような支援をすれば良いですか?

 

 

 

 

角丸四角形吹き出し: 閉経前の患者さんの場合、乳がんの治療後に結婚・挙児を希望する場合も少なく
ありません。現在、乳がんの治療終了後の妊娠・出産は生命予後に影響を与えないと
言われています。しかし、乳がんの治療で化学療法を行うと抗がん剤の卵巣毒性に
より、薬剤の種類や患者さんの年齢によっては閉経状態になることがあります。また
内分泌療法の場合でも5年間と長期に渡るため治療終了後には妊娠可能な年齢を過ぎて
しまうこともあります。
その為、私たち看護師は、治療が始まる前に出産可能年齢の患者さんとそのパートナー
 に対して妊娠・出産の希望の有無を確認しておく必要があります。そして病期・再発リ
スク、乳がんの薬物療法による不妊のリスクについて説明し、理解を確認します。
また、パートナーがいる場合は、お互いの意見が一致しているかを確認し、調整して
いく 必要もあります。
妊孕性温存の方法として受精卵の凍結保存や卵子の凍結保存の方法があります。しかし
有効性については十分なエビデンスはありません。LH-RHアゴニスト製剤を使用して
卵巣機能を保護する方法等もありますが、医師と良く相談することが良いでしょう。
治療選択の際に必要な情報を伝え、患者さんが十分検討し納得した上で治療を受けら
れるよう支援することが大切です。