数式で明らかにする雌性配偶体から胞子体への栄養供給の進化と雌雄の対立

数式で明らかにする雌性配偶体から胞子体への栄養供給の進化と雌雄の対立

2024.03.11
リサーチハイライト
「子育て」を始めとする、親による子の保護の進化は行動生態学における主要な研究テーマの一つです。しかしながら、行動生態学では動物を研究対象にすることが多いため、植物における親と子の利害対立やそのもとで生じる進化についてわかっていることは限られています。
本研究では、植物や藻類で観察される「世代交代」という現象に着目しました。そして、コケ植物や紅藻類などで観察される、母親(配偶体)による子(胞子体)への栄養供給を「子育て」の文脈で数理モデル化し、その進化について解析しました。
その結果、過去の研究で言及されていた栄養供給の進化に関する2つの仮説を数理モデルで再現することに成功しました。さらに、この「子育て」の進化において、配偶体が栄養供給する胞子体の数と、栄養供給に関わる母親由来と父親由来の遺伝子の影響力のバランスが、三種類の進化パターンを実現しうることを明らかにしました。

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