漢方医学教育の調査・研究助成に本学研究が採択
2024.05.10
研究
この度、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団による2023年度一般研究助成に、埼玉医科大学病院総合診療内科 鈴木朋子教授(東洋医学科兼担)による研究課題「総合内科診療における臨床推論に漢方薬の運用を組み込んだ卒後研修システムの構築」が一般研究の採択5件のうちの一つに採択されました。
本研究助成は、漢方医学教育の調査・研究を助成奨励することにより、わが国の伝統医療である漢方医学教育の推進・充実発展に貢献することを目的とされたものです。
医学教育モデル・コア・カリキュラム中で漢方が扱われるようになり、卒前教育としての漢方医学教育はある程度浸透してきたと言えますが、卒後教育には初期・専攻医研修を通じ決められた履修システムがありません。これまでも卒前・卒後の漢方教育に対し、多くの研究が実施されてきましたが、その多くが漢方医学の立場でのみ論じられたものでした。
漢方医学では、主訴に対し精査の結果、診断のつかない例などにも「証」という独自の診断により漢方薬処方の決定が可能ですが、この特徴は時として診療上の孤立を招き、内科的診断が疎かになり、結果的に患者へのデメリットとなる危険も孕んでいます。
このたび採択された研究課題は、総合内科の見地から一般診療の中に漢方を意識したカリキュラムを作成し、患者の主訴から診断を導きだし治療へつなげる診療過程の中に漢方医学を取り入れ、「診断を疎かにしない」「患者に徹底的に寄り添う」医療の実践を目指したものです。また漢方診療を独立して学ぶのではなく、現代医学的診療の中に取り入れ一貫した教育を行うことで、漢方薬を積極的に活用していく習慣を養うこともできます。
今後、本研究の推進を通して、現代医学の中で漢方医学の概念・特徴を活かしながら、病名処方に終始することなく、外来診療からHCU(※)管理にまで漢方薬を的確に運用する「病院漢方」の実践が発信されることが期待されます。
※HCU(High Care Unit:高度治療室)呼吸・循環・代謝その他の急性機能不全の患者を24時間体制で管理し、より効果的な治療を施すことを目的とします。一般的にはICU(集中治療室)に比べて重症度の低い患者の管理を行います。
本研究助成は、漢方医学教育の調査・研究を助成奨励することにより、わが国の伝統医療である漢方医学教育の推進・充実発展に貢献することを目的とされたものです。
医学教育モデル・コア・カリキュラム中で漢方が扱われるようになり、卒前教育としての漢方医学教育はある程度浸透してきたと言えますが、卒後教育には初期・専攻医研修を通じ決められた履修システムがありません。これまでも卒前・卒後の漢方教育に対し、多くの研究が実施されてきましたが、その多くが漢方医学の立場でのみ論じられたものでした。
漢方医学では、主訴に対し精査の結果、診断のつかない例などにも「証」という独自の診断により漢方薬処方の決定が可能ですが、この特徴は時として診療上の孤立を招き、内科的診断が疎かになり、結果的に患者へのデメリットとなる危険も孕んでいます。
このたび採択された研究課題は、総合内科の見地から一般診療の中に漢方を意識したカリキュラムを作成し、患者の主訴から診断を導きだし治療へつなげる診療過程の中に漢方医学を取り入れ、「診断を疎かにしない」「患者に徹底的に寄り添う」医療の実践を目指したものです。また漢方診療を独立して学ぶのではなく、現代医学的診療の中に取り入れ一貫した教育を行うことで、漢方薬を積極的に活用していく習慣を養うこともできます。
今後、本研究の推進を通して、現代医学の中で漢方医学の概念・特徴を活かしながら、病名処方に終始することなく、外来診療からHCU(※)管理にまで漢方薬を的確に運用する「病院漢方」の実践が発信されることが期待されます。
※HCU(High Care Unit:高度治療室)呼吸・循環・代謝その他の急性機能不全の患者を24時間体制で管理し、より効果的な治療を施すことを目的とします。一般的にはICU(集中治療室)に比べて重症度の低い患者の管理を行います。

