神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の新規原因遺伝子を特定 ~ 世界初の症例を報告 ~

神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の新規原因遺伝子を特定 ~ 世界初の症例を報告 ~

2024.11.08
リサーチハイライト

新規治療薬として期待されているMA-5がミトコンドリア枯渇症に効果を発揮する可能性を示唆

■ポイント■
⊳ 神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の原因としてMICOS10 遺伝子を同定した
⊳ 全ゲノム解析とRNAシークエンシングを用いた複合的解析によって原因の特定に至った
⊳ 神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の原因としてMICOS複合体*3が関与していることが明らかとなった
MICOS10遺伝子のバリアントとタンパク質構造MICOS10遺伝子のバリアントとタンパク質構造
■概要■
順天堂大学 難病の診断と治療研究センターの木下善仁 非常勤講師(近畿大学 理工学部生命科学科講師)と岡﨑康司 教授、村山圭 教授、および埼玉医科大学 大竹明 名誉教授らの共同研究により、遺伝子診断で未確定となっていた神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の症例に対して、遺伝学的解析および検証実験を行い、MICOS10 遺伝子の変異を世界で初めて発見し、原因の特定に至りました。従来の遺伝子診断法では見出すことができなかった遺伝子異常を、全ゲノム解析やRNAシークエンスを行うことによって明らかにしました。本論文はLiver International 誌のオンライン版に2024年11月8日付で公開されました。