微生物学 市川朝永講師が新日本先進医療研究財団「優秀研究者賞」を受賞、日本私立学校振興・共済事業団「2025年度(第50回)学術研究振興資金」の新規課題にも採択

微生物学 市川朝永講師が新日本先進医療研究財団「優秀研究者賞」を受賞、日本私立学校振興・共済事業団「2025年度(第50回)学術研究振興資金」の新規課題にも採択

2025.05.07
研究
この度、微生物学の市川朝永講師が、新日本先進医療研究財団より「優秀研究者賞」を受賞しました。さらに日本私立学校振興・共済事業団の「2025年度(第50回)学術研究振興資金」の新規課題にも採択されました。
新日本先進医療研究財団は、「がん」および「生活習慣病」の早期撲滅をめざして、先駆的に取組まれる独創的研究を育成し、我が国の健康長寿社会の実現に資することを目的に設立されています。優秀研究者賞は過去の助成金採択者の中から、学術貢献が認められた研究者を表彰する制度です。受賞対象は平成29年度(2017年度)に助成を頂いた研究課題「成人T細胞白血病(ATL)の新規治療標的分子の同定および機能解析」によって実施され、その成果が論文となったものが対象です。ATLはヒトT細胞白血病ウイルスHTLV-1感染以降に発症する難治性T細胞白血病ですが、その発症機構の解明や治療法開発の基礎研究に長年にわたり取り組んできたことが評価されました。
また新たに採択された日本私立学校振興・共済事業団「学術研究振興資金」は、私立大学等における学術研究の向上に資することを目的として設立されています。この採択課題は先ほど紹介した研究の延長線上にあるものといえます。がん・白血病では解糖系酵素の発現や翻訳後修飾の異常により、酵素活性やその細胞内局在が変化してがん代謝を促進し発症進展に関与していることを突き止めました。特に特異的なピルビン酸キナーゼM(Pyruvate Kinase M: PKM)異常は、典型的ながん代謝や機能とは異なることが想定されることから、「解糖系酵素PKM異常に基づくATL特異的な発症機序解明」を目指しています。
今回の受賞をきっかけに新規がん代謝の解明とともに難治性ATLの発症メカニズム解明やそれを標的とした新規治療法の開発が大きく進むことを期待しています。
市川講師優秀研究者賞受賞(DSC_0007)左から竹内学長、市川講師、森医学部長