最新鋭の“ダビンチ5手術支援ロボット”を用いた日本初の手術を実施しました

最新鋭の“ダビンチ5手術支援ロボット”を用いた日本初の手術を実施しました

2025.07.24
病院
埼玉医科大学国際医療センターでは、7月22日(火)に、国内に初めて導入された最新式のダビンチ5システムを使用した大腸がんに対する手術を、消化器外科の平能康充教授執刀のもと2例実施し(1例目は午前中、2例目は午後)無事終了いたしました。
今後は、既存のダビンチXiシステム2台、ダビンチSPシステム1台、センハンス・デジタルラパロスコピーシステム1台と併せ5台の手術支援ロボットを用いることで、より多くの患者様に、さらに精密で安全な手術を提供できると確信しております。

(1)ダビンチ5システムの概要
  • 既存システムと同じインテュイティブサージカル社製の最新型手術支援ロボット
  • 気腹装置やハンドヘルドカメラ、記録装置、シミュレーターなど周辺機器を統合
  • AIによる手術データの解析結果を提供
  • シリーズ初の力覚フィードバック機能を搭載
  • 従来ダビンチの4倍の解像度
  • 日本は米国、韓国に次ぐ世界3番目に導入

(2)臨床上の利点
  1. クリニカルアウトカムのさらなる改善
    -力覚フィードバックや高解像度化による手術精度への貢献
  2. ワークフローに一貫性を持たせ効率的な低侵襲手術の実施とラーニングカーブの早期向上
    -周辺機器が統合され、術者の自律性が向上し、スタッフの省力化にも貢献
  3. デジタルテクノロジーを用いたデータ解析の実施によるアウトカムの向上
    - AIによる手術データの解析からのインサイトの活用

(3)その他の利点
  1. 国内外へのアピール
    ダビンチ5に関連する文献発表や症例報告はまだまだ乏しく、搭載機能を十分に活用した成果は全くこれからというタイミングであるため、当院の取り組みによる、ロボット手術の将来モデルを国内外に発信し、当該分野をリードする。
  2. 他施設との差別化
    当院では既に手術へのデジタル技術の適用について取り組んでいる。これを予め搭載したダビンチシリーズの最新機種を活用することで、より注目度の高い成果にチャレンジすることが出来る。
    最新装置を導入する事で研修環境の充実度合を求める若手外科医や病院スタッフの雇用促進が期待できる。
  3. 選択肢の拡大と精度向上
    既にあるXi、SPに加えて、デジタルテクノロジーのサポートが強化された“ダビンチ5”という選択肢が増え、フルラインナップで最新のロボット手術が提供可能となる。さらなる患者の満足度向上と、当院受診者数の増加が期待される。
  4. 経験値の活用
    ダビンチ5は、現有のダビンチXiと基本的な操作・運用は同じであり、鉗子も互換性があることから、当院で培った経験値がそのまま適用可能である。

(4)運用予測
 現在、各診療科からのロボット支援下手術の希望症例数は年間で合計1,000例を超えており、すでにダビンチ3台体制では対応しきれない状況にある。ダビンチの4台目の導入で、年間1,200例以上の手術を行うことが可能となる。
ダビンチ5_1
ダビンチ5を使用した手術の様子

ダビンチ5_2
術後の記者会見(右から佐伯俊昭病院長、小山勇専務理事・名誉病院長、平能康充消化器外科教授)